業務効率化できる可能性を追いかけて! 女性エンジニアの仕事&育児奮闘記
はじめに
女性がライフイベントを通じて、子育てと両立しながら働き続けることは決して楽ではありません。しかし、私は仕事と育児を両立しながら、これからも自分自身が「働きたい」と思う限り、働き続けたいと考えています。なぜなら、“家庭を持つ幸せ”“女性としての幸せ”はもちろん大切ですが、“社会の一員として働く幸せ”も同じくらい大切なことだと考えているからです。
実際に産休から復職して会社で働くことで、ひとりの「社会人」として自分自身の成長について考える機会も増えましたし、スキルアップしている実感があり自信もつきます。そして、仕事を通じて周りから感謝の言葉をもらったときに、社会に貢献できているのだとモチベーションの向上にも繋がっています。
『女性が少ない業界で、長く働き続けることが難しそう』
『エンジニアは職業柄、仕事と育児の両立は難しそう』
『自分に合ったエンジニアの職種が分からない』
今回は、上記のような悩みを抱える、現在エンジニアとして就業されている方や、未経験からエンジニアになりたいと考えている方などにぜひ知っていただきたいことを紹介していきます。
“仕事×育児”は
想像していた以上に時間がない!
現在私はフルタイム勤務ですが、子どものお迎えがあるため定時には退勤する働き方を実践しています。やはり時間が足りずに「もっと働きたい」「この仕事を終わらせたい」と思う日もありますが、退勤して子どもを迎えに行ってからは、買い出しや夕食の準備、お風呂、寝かしつけと、座る暇もなく常に動いているので、今の働き方でなければ両立は難しいと思っています。
また、子どもの体調不良で急遽お迎えが必要になったりと、突発的な対応が増えたことで復帰してまもない頃は、慣れない生活のためか体調を崩してしまうこともありました。何よりも「時間に限りがある」という苦労が、私の中では大きかったです。
最近では、新型コロナウィルス感染症の影響で保育園が休園してしまったときに、子どもがいる環境で在宅勤務する難しさも痛感しました。時間が足りないという問題を解決するには、とてもシンプルですが「業務に優先順位を付けて必要業務を選定する」ことが一番大切だと思いました。
産休からの復職後、業務の引継ぎを受けた際は「時間内に全てに対応することは難しい」と思い、まずは業務に優先順位を付けました。その後、実際に業務を進めていく中で不要な業務を明確にし、それらを削っていくことで必要業務に向き合える様になりましたし、業務の品質向上にも繋がったと思います。また、私は採用業務のみならず、エンジニアとしてITスキルによる採用チームの業務効率化を自分のミッションとしているので、業務の自動化に積極的に取り組んでいます。
産休前からエンジニアとして業務をタスク分解する習慣はありましたが、仕事と育児を両立するようになってからは、時間に限りがあるからこそ、タスクの優先順位を付けたり、業務自体を見直したりすることが大切だという気づきを得ました。
業務効率化・DX化で広がる
エンジニアが活躍するフィールド
私が以前に某大手キャリアへ出向し現場責任者を務めていた際は、下記の課題を解決すべくお客様業務の見直しを主に行っていました。
- ノウハウが属人化している
- 手作業で人的ミスが多い
- 紙文化が定着しているため、データ化がなかなか進まない
- 人手が足りず必然と残業時間が増えてしまう
業務を効率化するときに大切なのは、新しいシステムなどを開発する「技術力」のみならず、現状の細部に至る業務内容やワークフローを把握することです。そのためには、業務に携わっている方との「コミュニケーション能力」や「信頼関係の構築」も欠かせません。
ここ数年注目されているDX化の動きでも、上記のスキルは必要不可欠で、技術力だけを求められていたエンジニアの働き方や、期待されていた役割も大きく変化してきていることを実感している方も多いのではないでしょうか。そして、あらゆる業界および職種において、DX化を通じて効率化できる業務は潜在的に多くあり、それに比例してエンジニアが活躍できるステージは増えています。
つまり、皆さんが現在所属している部署だけでなく、自身のキャリアプランに合わせて、例えば他部署、あるいは他の会社でもエンジニアとして活躍できるチャンスがあるということです。
業務効率化の手法
業務を効率化するにも様々な手法があるので、ここでは厳選して3つを紹介します。
VBA(Excel/Access)
VBAとはVisual Basic for Applicationsの略で、ExcelやAccessなどで利用できるプログラミング言語の1つです。Excel操作全般、他アプリケーションの操作、フォルダやファイルの自動作成、Webページの情報をExcelに転記するなど、手動で行っている定型的な業務を自動化させたり、独自のフォームなどを作成してExcelをアプリケーションのように見せることもできます。
VBAを扱えるようになれば、手作業でしか行えなかったような業務を自動化して大幅に効率アップできるようになるので、プログラミングの入口として学習しても良いと思います。
Power Platform(Microsoft)
Power Apps/Power Automate/Power BIの3つのサービスで構成されており、必要なシステムをスピーディーに開発できるプラットフォームです。Microsoftのソフトウェアは日本のビジネス市場にとって必須と言えるツールであり、日本の多くの企業のPCにはWindowsとMicrosoftのソフトウェアライセンスが搭載されているので、皆さんが使っているPCにも搭載されているプラットフォームかもしれません。
IT技術者以外の人による開発、いわゆる「市民開発(ITの専門知識がないビジネス部門の社員による、現場のニーズに直接応えるアプリケーション開発)」が注目されているからこそ、最先端かつ今後主流になることが見込まれているローコーディング環境における開発スキルを身に付けることで、これからの時代に必要とされる知識と市場価値が得られる技術だと思います。
RPA(Robotic Process Automation)
これまで人間のみが対応可能と想定されていた作業や複数のシステムを横断して実施する高度で複雑なPC操作の自動化、大規模なシステム開発だけでは解決しきれないような業務の効率化を実現できるソリューションとして、企業のDX化を進めるうえで改めて注目されています。
前出のVBAが操作できる対象はExcelなどMicrosoft Officeのソフトウェアに限られますが、RPAはWebブラウザや企業の基幹システムの処理など、システムを横断した広い範囲の操作を自動化できます。また、定型業務の自動化が得意なので、反復作業が多く、工数が掛かり、人間が行うと人的ミスも発生してしまう可能性が高いものや、面倒に感じるような単純作業が適しています。
効率化したい内容や目的に応じて、活用する技術を選定することも重要です。ちなみに、私は採用業務の効率化を目的に、Power Platformを活用しようと社内で調整中です。Power Platformを活用しようと考えた理由は、ソフトウェア購入やクラウド構築のコストをかけることなく、自社向けシステムの開発に取り掛かれる、最良かつ最短の選択肢だと思ったからです。
おわりに
昨今、どのような企業でも常に業務の効率化が求められています。ここ数年で注目されているDX化は、エンジニアの活躍するフィールドさらに広げるとともに、新しい技術を習得する契機にもなります。
また、女性エンジニアが育児と仕事を両立する上でも、リモートワークなどを実現できるDX化は大きな後押しになります。ライフイベントに応じて働く環境や理想とする働き方を自分自身が選択し、働きながらスキルを高めることで、育児をしながら、エンジニアとしての市場価値を高め続けることができると思います。私の場合は、所属する中途社員の採用チームで採用業務だけにとどまらず、部署の事務作業を効率化させることを目的とした開発にも携わっており、現在もエンジニアとして働き続けることができています。
パソナテックはエンジニア一人ひとりが自己実現したいと考えていることを本気で応援してくれる会社です。女性だからという理由で、自分の理想とするキャリアプランを諦める必要はなく、働くママへの理解も深い社風が浸透しています。私も同僚や上司、周りの人に支えてもらいながら仕事と育児の両立が叶っていると思います。
今回お伝えした内容が、今後のキャリアについて考えている女性エンジニアの方々に少しでもお役立ていただければ幸いです。
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