パソナテックが展開する新たなソリューションと付加価値を提供する開発拠点「Lab(ラボ)」とは

2021年3月4日(木)
森 真紀

はじめに

IT・エンジニアリング分野に専門特化した人材サービス・アウトソーシングサービスを行うパソナテックでは、名古屋、大阪、島根、博多の4拠点に、エンジニアのキャリア創造のためWebサービスやアプリ開発、インフラ設計・構築、AIモデル開発に従事するLab(ラボ)拠点を設けています。

4拠点それぞれのLabには、下記のような特徴があります。

  • 名古屋Lab
    MaaS分野やクライアントのDX支援、産官連携として愛知県豊田市と連携した防災サービスのアプリ開発などを主に行っています。
  • 大阪Lab
    主に機械学習モデルやアプリ開発を行っています。
  • 島根Lab
    「Ruby」を中心としたWebアプリ開発と合わせて、産官学連携の座組みで人材育成や人材採用に関する地方創生の取り組みなども実施しています。
  • 博多Lab
    開設当初からインフラ・クラウド環境構築に強いエンジニアが在籍しています。

なぜパソナテックがLabを開設したのか

パソナテックは、エンジニアの成長支援と地域産業の活性化、および新たなソリューションと付加価値を提供する場を創ることを目的に、開発拠点としてLabを開設しました。

2008年の名古屋Lab開設を皮切りに博多、島根、大阪と4つのLabの立ち上げ、現在では4拠点合わせて約80名のエンジニアが在籍しており、全国のクライアントとのやりとりにおいて、必要不可欠な拠点となっています。

ここからは、全国4拠点にある各Labの取り組みを、さらに深堀りして説明します。

名古屋Labの取り組み

名古屋Labでは、自動車メーカーや製造業の集積エリアであるということで、MaaS領域や社内のデジタル化を支援する案件が比較的多くなっています。

全日本空輸様の展開する「Universal MaaS~誰もが移動をあきらめない世界へ~」の社会実装に向けた取り組みにおいて、パソナテックはMaaS領域の強みを活かして2019年から実証実験パートナーとしてアプリケーション・インフラ基盤の構築で協力しています。全日本空輸様は東京に本社を置く企業ですが、MaaS領域の案件だったこともあり、名古屋Labのエンジニアが対応しています。

また、愛知県豊田市と連携して防災サービスにも取り組んでいます。パソナテックでは災害時に高齢者など移動支援が必要な方と地域の自主防災組織などの支援者をマッチングさせる自治体向け避難支援アプリケーション「防災HELPサービス(仮称)」の開発を進めており、2020年12月には豊田市で第1回目の実証実験を行いました。現在も弊社エンジニアによる開発が進んでいます。

この取り組みに至ったエピソードを紹介しましょう。パソナテックのある社員が台風19号(2019年10月)の直後に東京の実家へ帰省した際、近くの荒川・隅田川は氾濫寸前の状況でした。そして病気で体の不自由な彼の父親が言ったのです。「もし堤防が決壊していたら、ここら一帯は浸水して自分もこんな状態だから逃けられないだろうな…」。このひと言から「普段は遠くで暮らしていても、避難を支援できる仕組みを作れないだろうか」と考え、名古屋Labのエンジニアへ相談。現在開発中の「防災HELPサービス」の着想へと繋がったのです。

名古屋Labの様子(2019年)

大阪Labの取り組み

大阪Labでは、機械学習や自然言語処理技術などを用いるAIチームが新たなサービスおよび仕組みに活かせるシステムを構築しています。他にも全国のLabと連携したシステム開発・構築プロジェクトが進んでいたり、今後はクライアントのDX推進を加速化するためのシステム運用プロジェクトやMicrosoft PowerPlatformなどローコード開発を導入し、業務効率化を支援していくサービスも展開していく予定です。

また、大阪Labのエンジニアたちによる「なにわTECH道」というコミュニティを運営しており、2016年に始まってからこれまで延べ800名以上が参加しています。

その他、インフラ領域のハンズオン研修プログラムをオンラインで実施したり、AWSやGCPなどのクラウドサービス関連の勉強会も実施しています。未経験層の方をエンジニアへ育成・採用していく独自のプログラムも定期的に実施しており、本プログラムの参加者の中から弊社のエンジニアとなったメンバーもいます。

大阪Labの様子

島根Labの取り組み

島根Labは「プログラミング言語Ruby発祥の地」ということもあり地域全体でIT産業が盛り上がっており、エンジニア同士のコミュニティ活動や地元IT企業と誘致IT企業の交流も活発です。

2017年9月に島根県と松江市の企業誘致により島根Labを開設してから、約3年半でエンジニアの人数も順調に増えていることもあり、2020年8月にはオフィスを増改築しています。UターンやIターンなど、島根へ移住したエンジニアが在籍しているのも特徴のひとつです。

また島根大学総合理工学部、松江工業高等専門学校情報工学科、松江総合ビジネスカレッジIT学科などとも連携し、学生の育成や地元企業への就職マッチングの機会などを設けることで、島根県の地域産業の活性化にも寄与したいと考えています。

島根Labの様子。ゆったりとしたスペースで作業環境も快適(2019年)

博多Labの取り組み

博多Labでは、福岡で3つの保育園を運営する社会福祉法人明星福祉会にて、保育園LINE出欠管理システム(保護者が子どもの欠席や遅延連絡などをする際、対話アプリ「LINE」から24時間いつでも保育園に連絡できるシステム)をエンジニアが独自に開発し、保護者と保育士間にLINEチャットボットを導入しました。エンジニアの機転を利かせた発想により保育現場の事務負担を大幅に削減するなど、保育業界の課題解決につながる貢献ができています。

現在、このサービスは別の幼稚園への導入と、他業種への横展開を進めています。

また、博多Labには「博多TECH塾」というコミュニティがあります。2013年12月に発足し「ちょっと寄って行かんね?」をコンセプトに、所属する企業や組織に関係なくエンジニア同士が誰でも気軽に集い、横のつながりを築ける場となっています。お互いのキャリアアップやスキルアップにつながる発見や気づきの機会を得るために、8年が経った今では約900名程の方が参加しています。

博多TECH塾はいつも満席で参加者のモチベーションも高い(2019年)

離れた場所にあるLab間での連携

場所は離れていても各Lab間の連携も活発に行われており、現在では各Labが連携してロケーションフリーのシステム構築・開発を行っています。

例えば、福岡のクライアントから開発の相談があった際に、当時の博多Labのメンバーでは開発レベルを合わせることが出来ない状況でしたが、Webアプリ開発に強みを持つ島根Labが中心となってリモート開発を行うことで、この課題を解決しました。

また、名古屋Labですでにアプリケーションを開発・運用中のクライアントからは、追加でクラウド・インフラ領域の引き合いがあった際には、インフラ領域に強みを持つ博多Labがリモート構築で引き受けるなど、Lab間連携の実績も増えてきています。

こちらも、具体的な例を1つ紹介しましょう。あるクライアントから、システム多重化を実現するためにアプリ開発とインフラ構築をワンストップで提供できるSIパートナーが現地にいないため、困っているという相談を受けました。

この相談に対して、アプリ開発で実績のある名古屋Labとインフラ構築に強い博多Labが連携することで、ワンストップかつスピーディにクライアントの課題を解決できました。このように、地元企業との連携を大切にし、各Labの強みを活かし合うことで、現地で対応が難しいエンジニア・パートナー不足の課題を抱えるクライアントの課題を解決しています。

各拠点の情報連携はMicrosoft TeamsやSlackといったコミュニケーションツールを活用し、スピーディーかつスムーズな情報連携を常に意識しています。

おわりに

パソナテックは、エンジニアの成長支援と地域産業の活性化、および新たなソリューションと付加価値を提供する場としてLabを作りました。コロナ禍のニューノーマルな時代に突入したからこそ、場所を選ばない働き方が注目されています。名古屋、大阪、島根、博多の4つのLab拠点のエンジニアたちも日々切磋琢磨し、開発に取り組んでいます。

パソナテックでは、エンジニアのエンゲージメント向上のため、働く時間や場所を選ばない多様な働き方を今後も応援して行きます!

株式会社パソナテック 事業推進室 マネージャー
関西学院大学卒業後、大手メーカーにて営業からキャリアをスタート。その後、toC/toB両領域において、幅広く広報経験を積む。2013年11月にパソナテックへ入社後は、新規事業部門にて運営のサポートおよび広報を担当。現在は、パソナテックの認知向上へ向けた業務を担当。プライベートでは、プロボノとして「目黒区100人カイギ」の運営に携わっている。
パソナテック
https://www.pasonatech.co.jp/biz/

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