ITエンジニアのための英語表現⑤ 提案の詳細に関して社内で話し合う際に使える5つの表現

2022年9月16日(金)
宮園 順光(みやぞの よりみつ)

はじめに

ITエンジニアの皆さんは、顧客に提案する内容を社内でしっかりと詳細まで詰める必要がありますよね。そういった際に使える表現を知っていると、社内での話をスムーズに行うことができます。

本連載では、これまで「ITエンジニアのための英語表現」と題して4回に渡って紹介してきましたが、今回はその5回目として「提案の詳細に関して社内で話し合う」際に使える表現を5つ紹介します。

なお、これまでの記事は下記リンクから読めますので、こちらもぜひご活用ください。

 ①社内外の打ち合わせで使える5つの表現
 ②顧客との打ち合わせで使える5つの表現
 ③他のエンジニアと情報について話し合う際に使える5つの表現
 ④各機能の具体的な開発方法について話し合う際に使える5つの表現

1. 数量を増やす提案をする表現

最初の表現は、何らかの数量を増やすことを提案する際の表現です。

How about increasing …?
 (…を増やすのはどうでしょうか?)

例えば、さまざまなリスクを考えて費用を増やしたり、今の人数では納期に間に合わない可能性があるため人数を増やす提案をしたりする際に、この表現を使うことができます。

この表現はHow about ~ing?の「~」の部分にincrease(増える)を入れたものです。How about ~ing?は「~するのはどうでしょうか?」という意味になり、提案する際の表現としてさまざまな場面で使用できます。

ちなみに「減らす」を意味するdecreaseを入れて、「~を減らすのはどうでしょうか?」と提案することも可能です。

それでは、今回も会話の中で表現がどのように使われるか動画で確認し、実際に声に出して練習してみましょう。動画の使い方は今までの表現シリーズと同様に、下記の3ステップに沿って行います。

  1. 表現が2回読まれるので、発音と抑揚を確認しながらリピート練習する
  2. 表現が含まれる短い会話の字幕を読み、空欄の埋め方と意味を理解する
  3. 字幕を読みながら、声に出して会話を練習する

この表現はとても便利な上に、短いので覚えやすいのではないでしょうか。今回はHow about increasing…?として使っていますが、応用としてincrease以外の単語を色々と入れて文を作ってみてくださいね。

それでは、実際に動画の例文を確認してみましょう。

I see your point. Then, how about increasing the cost of development and proposing a standard option at 22 million yen?
 (そうですね。それでは、標準案として開発行程の費用を増やして2,200万円を提案するのはどうでしょうか?)

ここでは、まず同僚からの「費用を増やすのはどうか」という提案に対してI see your point.(そうですね)と同意してから、具体的にいくら費用を増額するかを提案する際にhow about increasingを使っていますね。この表現を使う際は、必ず「何を増やすか」も述べることも忘れないようにしましょう。

2. 提案に対する相手の考えを伺う表現

2つ目の表現は、こちらが提案する内容に対して、他の人がどう思うかを確認する際の表現です。少し控えめな印象を与えながら相手の意見を伺う、とても便利な表現です。

What do you think about doing …?
 (…するのはいかがでしょうか?)

自分が良いと思うアイデアでも、チーム内で同意を得る必要がありますよね。そういった際に、この表現を使って質問することで自分の提案を伝えながら、それに対する他の人達の客観的な意見を聞きたいという姿勢を見せることができます。

これも汎用性のある表現で、aboutの後にはdoingだけでなく動詞+ingを入れて「~すること」についての考えを確認することも可能です。

それでは、この表現に関する練習動画を確認しましょう。動画を観てから練習するまでの流れは1つ目の表現と同じです。

それでは、動画の表現を文章で確認していきます。

What do you think about proposing these three options?
 (これらの3パターンを提案するのはいかがでしょうか?)

ここでは、aboutの後にpropose(提案する)という動詞にingを付けたproposingにしていますね。

ちなみに、Whatの代わりにHowを入れてHow do you think about doing…?としてしまうものがあります。よくある間違いなので注意しましょう。

3. 顧客へ渡すものを伝える表現

3つ目の表現は、顧客などへ何か渡すものがある場合、社内のメンバーに事前にその旨を伝える際に用いる表現です。

社外に資料や見積書等を提出する場合、自分だけでなく社内での確認も必要ですよね。そういった際に、この表現で「誰に渡す何の資料か」を伝えることができます。

Here is the … we’re going to give to …
 (こちらが…へ渡す…です。)

Here isとなっているため、その後にはmaterialといった単数形の名詞(または数えられない名詞)を持ってきます。もし複数のものを見せる場合にはHere areとしましょう。

また、toの後には渡す相手を入れます。担当者の名前や会社名を入れることができますね。

それでは、この表現を使った会話例から、どのように空欄を埋めて使うのか動画で見てみましょう。動画を観た後は、声に出して練習することも忘れないようにしてください。

動画の表現を確認していきます。

Here are the proposal documents we're going to give to IFJ Finance.
 (こちらがIFJ金融へ渡す提案資料です。)

この表現は、社外の人に何かを渡すことを社内の人に伝える際にも使えます。また、社内の人に何かを渡すときにも、toの後を変えるだけで使えるので、とても便利な表現です。

会議などで使えそうなタイミングがあれば、ぜひ積極的に使ってみましょう!

4. 確認済みの内容を報告する際の表現

4つ目の表現は、業者等と確認した内容を報告をする際の表現です。商品を作る上では業者とのやり取りが必要になってきますよね。納期等を決める前に、そういった業者と行ったさまざまな確認事項を会議で報告する際に、この表現を使うことができます。

They told us that it won’t be a problem if we …
 (…すれば、問題ないと言っていました。)

この表現で業者等から「問題ないと回答を得られている」と同時に、if weを使って条件があることも伝えています。if weの後には動詞の原形を持って来て、その条件を示すようにしましょう。

また、主語がTheyとなっていますが、これは通常、会社を表すためです。もし「〇〇社の〇〇さん」と言いたければHeSheにできます。

それでは、動画でif weの後の空欄をどのように埋めて、この表現を使っているのか見てみましょう。

動画の表現を確認します。

They told us that it won't be a problem if we place an order two months before.
 (2ヶ月前に発注すれば問題ないと言っていました。)

この文では、if weの後にplace an order two months beforeが続いています。これは、条件が「2ヶ月前に発注すること」を指しています。このように、業者等から出た条件を社内のメンバーに伝える際に、この表現を使うことができます。

また、it won't be a problemitは、この表現を使う前の段階で、それが何を指しているのか(納品日の確認等)が明確になっている必要があります。それがなく突然itと言ってしまうと、誰も何の話か分からないので注意しましょう。

5. 提案を検討している内容を伝える際の表現

最後の表現です。社内で打ち合わせを行っていく中で、提案を検討している内容の詳細を確認する必要があります。その際に使える表現です。

For the …, I’m considering proposing …
 (…については、…を提案することを考えています。)

最初の空欄には、何について話しているのか名詞(句)を入れて伝えましょう。2つ目の空欄には、それについてどのような提案を考えているか、その内容を入れます。

空欄の埋め方が少し難しく感じられるかもしれませんが、動画を観ながらじっくり確認してみてくださいね。

それでは、動画の表現を確認してみましょう。

For the operating cost, I'm considering proposing 600 thousand yen for option A and 500 thousand yen for option B as the cost for monthly maintenance.
 (ランニング費用としては、毎月の保守・メンテナンス代として、オプションAは月額60万円、オプションBは50万円を提案することを考えています。)

この表現は、社内で自分が提案する予定の内容を共有する際に便利です。また、この表現を使って提案内容を伝えることで、もし何か問題があれば高い確率で誰かがそれを指摘するので、より良い提案をするためにも重要な表現と言えます。

おわりに

今回で5回目となる「ITエンジニアのための英語表現」では、「提案の詳細に関して社内で話し合う」際に使える5つの表現を紹介しました。

これらの表現は空欄を埋めながら使い方を覚えると同時に、どのような会話の流れで使えるかも考えることがお勧めです。実際に使う場面を考えながら表現を覚えることで、いざその場面に遭遇した際に「あの表現を使ってみよう!」と思うことができます。

ぜひ過去に紹介した4回の英語表現も読み返して、動画の後に声を出して練習しながら、より多くの表現を使えるようにしてくださいね!

著者
宮園 順光(みやぞの よりみつ)
株式会社グローレン
株式会社グローレン 取締役。小学校〜高校卒業までをベルギーで過ごす。上智大学を卒業後、大手英会話スクールにて7年間教務主任として多くのクラスを担当。外国人講師の指導にも従事。マンツーマン英会話教室の代表を経て、2014年から現職にて語学プログラムの総監修を務める。これまで1万人以上にレッスンを提供。TOEIC990点、英検1級。

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