「ジャーナリング」で身につけよう! 英語のアウトプット習慣
はじめに
皆さんは「ジャーナル」という単語を聞いたことはありますか。もしかすると「ジャーナリスト」や「ジャーナリズム」と聞くとピンと来るかもしれません。
ジャーナルは英語でjournalと書きますが、これは「日刊新聞」を意味します。しかし、辞書で調べると一番に出て来る訳は「日誌」です。
今回は、英語のアウトプット習慣を身につけるために最適な「ジャーナリング」という学習方法を紹介します。英語の文を書くことで、自分で文を作る(アウトプットする)力をつけることができます。ジャーナリングを習慣化できれば「英文が作れない!」という悩みから解放されるかもしれません。
また、書くことがメインのジャーナリングですが、ちょっとした工夫を加えるだけでスピーキングのアウトプットにも効果があります。これについても後半で説明しますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
ジャーナリングとは
ジャーナリングとは、簡単に言うと「誰かに伝えたい内容について書く」というアウトプットのための学習方法です。
ちょっと想像してみてください。皆さんは、外国人の方に何かを伝えられたら良いな思うことはありますか。または、以前外国人の方に質問されたけれども、上手に答えられなかったことはありませんか。例えば、自身の出身地の良い点や趣味について等、何でも結構です。そういった「誰かに何かを伝えたい」という内容について英語で書くのがジャーナリングです。
また、ビジネス関連で、例えば会議内で参加者に伝えたいことについて書くといった感じでも問題ありません。重要なのは、誰かに伝えたい内容を選んで、それについて書き、アウトプットする力を身につけるということです。
ジャーナリングと日記との違い
ここまでの説明を聞くと「ジャーナリングと日記は違うの?」という疑問を持つ方もおられるのではないでしょうか。確かに、英語で日記を書くことに似ている点はありますよね。しかし、決定的に違うのは、日記はその日に行ったことを書くのに対し、ジャーナリングは自身が発信した内容について自由に書けるという点です。特に、これから誰かに伝えたいと思うことを選択して書けるため、より実践的なアウトプット練習になります。
ジャーナリングも、英語で日記を書くことも、それぞれに良い点があります。しかし、ジャーナリングは「書ける範囲が制限されていない」という点において、よりアウトプットに効果的と言えます。
ジャーナリングで期待できる効果
ジャーナリングで得られる効果は複数あります。ここでは3つの効果について紹介します。
伝えたいことを形にできるようになる
ジャーナリングで期待できる一番大きな効果は、「自分で伝えたいことを文で表現できるようになる」という点です。要するに、誰かに伝えたいことをしっかりとアウトプットできるようになる、ということです。
皆さんは、英語で会話をしている際に、日本語では伝えたいことは決まっているのに、英語でどう言えば良いか分からず、伝えることを諦めたという経験はありませんか。それにはいくつか原因がありますが、一番は「情報を伝える練習をしていないこと」が挙げられます。
ジャーナリングで伝えたいことについて書く練習をすると、伝え方が身につき、スピーキングにおいてもより自分の伝えたいことをしっかりと表現できるようになります。
単語の知識が増える
ジャーナリングで期待できる2つ目の効果は「単語の知識が増える」という点です。ジャーナリングで様々なことについて書く過程で、当然ながら自分が今まで使ったことのない単語や、知らなかった単語を使うことにもつながります。そういった単語を調べて繰り返し使うことで、確実に単語の知識も増えて行きます。
文法の正確性が上がる
ジャーナリングで期待できる3つ目の効果は「文法の正確性が上がる」という点です。ある程度文法の知識を持っていても、実際にそれらを使う場面になったときに、自信を持って使えないということもありますよね。
ジャーナリングを行うことで、文法の正確性をより意識するようになります。特に最初のうちは、もちろん間違えてしまうことも多くありますが、重要なのは「文法の知識で曖昧なものがあるという点に気付き、それを確認する」という作業です。これにより、今まで何となくごまかしてきた可能性がある文法も、正しい形で使えるようになってきます。
ジャーナリングの方法
ここからは、実際にジャーナリングのやり方を見て行きます。実はジャーナリングのやり方はとっても単純なので、安心してくださいね。
Step 1:何について書くか決める
最初に行うことは「何について書くか決める」という点です。これは正直なところ何でも良く、むしろ自分が伝えたいことや、自分が興味あることについて書くようにしましょう。例えば、サッカーが好きな人であれば週末の試合についてだったり、映画が好きな人なら観たいと思っている作品について、旅行が趣味な人なら海外の旅行者とちょっとした雑談をするといった内容でもOKです。
特に最初のうちは無理に長文にする必要はなく、気軽に書けるような内容にすることも大切です。
Step 2:実際に書いてみる
次のステップは「実際に決めた内容について書いてみる」という点です。ここで重要なのは「無理をしない」ということです。最初はやる気があるので沢山書こうとしてしまいます。しかし、沢山書こうとすると、思ったほど書けずに落ち込んでしまう可能性もあります。
重要な点は、短文でも良いので、5文程度を目安に書くことです。慣れてきたら少しずつ書く量を増やすようにすれば良いでしょう。また、文を書く際は、完璧な文を意識し過ぎないことです。もちろん正しい文を意識して書くのは重要ですが、最初からそれを意識すると、1文を書くのに時間がかかり、それだけで疲れてしまうこともあります。そういう意味では、15分など書く時間を決めて書いてみるのもお勧めです。
この段階では、文で書くことを意識して、あまり正確性にこだわりすぎないようにしましょう。文で書くという意味では、まずは「主語」と「動詞」をしっかりと意識して英文を書くようにすることがお勧めです。
Step 3:書いた内容を確認する
3つ目のステップは「書いた文を確認する」というものです。書いたものをそのままにしていては、多くを学ぶことはできません。書いた文には間違いが多くあるかもしれません。しかし、その間違いこそが上達するためにとても大切なものなのです。Step2は、あまり悩まず、時間をかけずに文を書けば良いのですが、その代わりStep3ではしっかりと内容を確認するようにしましょう。
分からない単語を調べたり、ChatGPTに文を添削して貰うのも良いでしょう。まだ完ぺきとは言えませんが、ChatGPTは特にこれからジャーナリングを始める方にはとても良いツールと言えます。
もちろん、誰かが添削してくれるのであれば、それに越したことはありません。
Step 4:声に出して読んでみる
そして最後のステップは「確認した内容を音読する」という点です。基本的にStep1では、自分が誰かに伝えたい内容を選択していると思います。それならば、実際にその機会が来たときに話せるように、声に出して練習しない手はありません。何度も繰り返し読み、スラスラ言えるまで練習しましょう。
ジャーナリングを行う際の注意点
最後に、ジャーナリングを行う際に注意しておきたい点をお伝えします。やり方の中でも触れましたが、特に下記の点に注意しましょう。
- 文を書く際は完ぺきを求めない
- 文を書くのに時間をかけ過ぎない
- 書き終わったら確認する
そして、何より重要なことは「ジャーナリングを続けてアウトプットを習慣化する」という点です。アウトプットを習慣化することで「伝えたいことが形にできない」という悩みから徐々に解放されていきます。
おわりに
今回は、英語によるアウトプット力を向上する「ジャーナリング」について紹介しました。今回の記事を通して、ジャーナリングをやってみようと思われたのではないでしょうか。音読のように決まったものを繰り返し声に出して練習することも、良いスピーキングやリスニングの練習になります。
また、ジャーナリングを加えると、自分自身で考えた英語の文でも話すことができるようになります。ぜひ、こちらも学習に取り入れてみてくださいね。