英語のライティングが上達する勉強法

2022年10月13日(木)
宮園 順光(みやぞの よりみつ)

はじめに

「仕事で英語を話す機会はないけれど、英文Eメールを書くことはある」という人は多いのではないでしょうか。しかし、実際に英語で文を書こうとすると、思いのほかどのように英文を書けば良いのか、悩んでしまいますよね。

そこで今回は、英語のライティングを上達させるための勉強法を3つ紹介します。「やっぱりそうだよね」と思う勉強法や「あ、その方法も効果的なんだ」と思える勉強法もありますので、ぜひ英語のライティングを上達させるヒントにしていただければと思います。

1. 基礎の見直し

ライティングを上達させるためには、「英語の基礎」をしっかりと身につけることが大切です。当たり前に聞こえるポイントですが、意外にこれができていないという場合も多くあります。

「英語の基礎」とは、基本的には下記の3つを指します。

  • 基礎文法の見直し
  • 単語や表現の習得
  • 英文の理解

基礎文法の見直し

英語の四技能全てにおいて「基礎文法」を知ることは必要ですよね。よって、英語のライティングを上達させるためには、1の「基礎文法の見直し」が必要不可欠です。むしろこの基礎文法の理解が欠けていると、ある程度感覚で話せたとしても、実際に確認すると文の形がめちゃくちゃということもあります。スピーキングならそういった間違いをある程度ごまかせますが、ライティングでは文字を書くため、そういった間違いは目立ってしまいます。

基礎文法を知るということは、英語を使う上で必要な「ルール」を知るということです。スポーツでもルールを知ることが競技に参加するために大切なのと同じように、英語を書くためには、このルールを知ることがとても大切になります。

では、その基礎文法を見直す方法には、どのようなものがあるのでしょうか。簡単には文法書を1冊購入し、最初から最後まで時間をかけて読んでみることです。「夜寝る前に1つ文法項目を読む」といった感じでも良いかもしれません。

また、理想としては、1回読み終わっても、どこか理解しきれていない部分がある可能性は高いので、数回繰り返し読み、時間をかけて理解することです。同時に、実際に英語の文を書いてみて「何だか上手く書けてないな」と思う部分がある場合、その文法項目に関して書かれている章を読み直すと、より効果的です。

可能であれば、学習した文法項目を友人や家族等に、自分が講師になったつもりで説明してみましょう。もし説明に詰まる部分があれば、まだ理解が足りていないということが分かります。誰かに話すことが難しい場合には、自分に説明するという形でも問題ありません。

単語や表現の習得

英語を使う際に「単語の知識が足りない」と思った経験を持っている人は多いと思います。ライティングにおいても、単語の知識が多ければ多いほど、物事を伝える幅が広がります。より多くの単語を知っていると情報を正確に伝えられるようになるので、「分からない」というストレスを減らせます。また、表現もEメール等で使える表現を覚えておくことで、形がしっかりとした文書をスムーズに書けるようになります。

単語の勉強法としては様々な方法が紹介されていますが、重要なのは「無理せず」「繰り返し」行うことです。まず、単語帳を1冊用意します。単語帳には日常会話、TOEIC等、様々な種類のものがありますが、自分が仕事で使いそうな単語が多く載っていて、かつ読みやすいと感じるものを選びましょう。あとは、下記の流れで単語を覚えていきます。

  1. 1週間で覚える単語数を決める(例:50語)
  2. 7日間のうち、最初の5日間でその数の単語を見て覚える
    ※覚えにくいものは書いてもOK
  3. 最後の2日で訳を覚えているか確認する
  4. 覚えていれば終了。分からない単語がある場合は単語の横に印を付ける
  5. 印がなくなるまで2日間かけて復習する
  6. 印が全部消えたら、翌週から新しい単語を覚える。

この流れで単語を地道に増やしていけば、いつの間にかしっかりとかなりの単語数を覚えられます。

Eメールで使う表現は、Eメール等の文書の書き方の本を読んで表現を覚えたり、ネット上にある表現を探して覚えるのもおすすめです! 「使える」と思った表現はメモに残しながら一覧表を作成し、その一覧表を使いながら暗記していくようにしましょう。

英文の理解

英語の文書を読みながら英文の構成(形)を理解して、自分でも同じように書けるようにするということです。英語を使えるようにするには、基礎知識を強化しつつ、真似をすることが重要です。ライティングができるようになるためには、他の人達が書いた正しい英文を見ながら、文を分解して形を理解していくと良いでしょう。これは「精読」と言われるものですね。

書かれている文の意味を理解するだけではなく、文の「主語」や「動詞」等の品詞、どの情報がどこにかかっている等、文にそれらの情報を書き込みながら理解していきます。これにより、英文を書く際に必要な「文の形」の知識を身につけられます。それに加え、見直した文法や覚えた単語や表現がどのように文書で使われるかも確認できます。

2. 日々の生活を英語で書く

英語のライティングを上達させる際に、あまり内容が分からないものについて書こうとすると、それだけで疲れてしまいますよね。例えば、機械工学の知識がゼロの私が、それについて英語で書こうとしても無理があります。

では、どのような内容であれば、書くこと悩まずに文を書けるのでしょうか。一番簡単なのは「自分」について書くことです。「日記を書くと良い」とよく聞きますが、英語で日記書くことは英語のライティングを上達させる上でとても合理的ですし、効果的です。

最初は、単純に「何時に起きて」「朝食に何を食べて」「何時から何時まで働いた」といった事実関係を述べるだけでも良いです。慣れてきたら、少し詳しく仕事の内容を書いたり、食べた朝食についてと明日は何を食べたい等、より情報量を増やしたり、自身の考えについて書くのも良いでしょう。

書いた日記は、勉強仲間や英語が話せる人に見て貰えると理想的ですね。ネット上では、日本語を教える代わりに英語を教えて貰うというようなサイトもあるので、そういったところで日記を見てくれる人を探すのも良いかもしれませんね。

別のおすすめの勉強法は、日本語を英語に訳すというものです。このときに必要なものは、日本語の文書(会話文等でもOK)とその英訳だけ。例えば音読の本を持っていたら、英語の会話文やナレーションに対する日本語訳を英語に訳してみて、その英語版で答え合わせをするというのも良いでしょう。

きっと1回では上手に書けないと思うので、これも何度か繰り返し書いてみると良いですよ。音読用の本であれば、そこまで専門的ではないので、内容で困ることもないでしょう。

3. SNSを活用する

私が英語を学び始めたのは約32年前ですが、その頃はインターネットというもの自体、少なくとも一般の人達は知らない時代だったので、ひたすら教科書やワークブックを使って勉強しました。しかし、今ではインターネットで情報を簡単に収集したり、遠く離れた場所にいる人達と顔を見ながら会話できる時代になりましたね。ライティングを上達させる勉強法として、このインターネット、特にSNSを使わない手はありません。

手軽にできる方法としてはTwitterを使うというものです。自分のアカウントを作成し、文字数制限はあるものの、その範囲内で自分が行ったこと、思ったこと、趣味のあること等について呟いていきましょう。

また、自分と趣味等が合いそうな人たちを探して、フォローをしたりしながらコメントをすることで、実際に自分が書いた内容が相手に通じているかも確認できますよね。

また、他の人達が使った単語や表現を覚え、それらを使っていくと、自分自身のライティング力を向上させることにもつながります。最初は海外の人達とやり取りすることに不安があるかもしれませんが、慣れてくると良いライティングの練習になることはもちろん、成功体験にも繋がるのでおすすめです!

おわりに

ライティングが上達すると、仕事で書くEメールの形がしっかりしたものになります。そしてしっかりとした文書が書けると、その人に対する評価も高くなるため信頼関係を築きやすくなり、それが仕事の結果につながるという好循環に繋がることも十分にあり得ます。

また、間違いをごまかすことが難しいライティングを強化すると、スピーキングにおいても、よりしっかりとした形の文を話せるようになるという意味で、良い影響があります。

「ライティングを上達させたい!」と考えている人は、ぜひ今回紹介した勉強法を試してみてください。時間は必要ですが、継続することで、必ず効果を実感できるようになります!

著者
宮園 順光(みやぞの よりみつ)
株式会社グローレン
株式会社グローレン 取締役。小学校〜高校卒業までをベルギーで過ごす。上智大学を卒業後、大手英会話スクールにて7年間教務主任として多くのクラスを担当。外国人講師の指導にも従事。マンツーマン英会話教室の代表を経て、2014年から現職にて語学プログラムの総監修を務める。これまで1万人以上にレッスンを提供。TOEIC990点、英検1級。

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