それ訳さなくても大丈夫! 実はそのまま英語で通じる日本語「14選」

2024年7月3日(水)
宮園 順光(みやぞの よりみつ)
シーズン5の第5回となる今回は、英語圏において訳さなくても通じる日本語を14個紹介します。

はじめに

日本語を使う際に、カタカナ語と言われる外来語を使わない日はないと思います。特に英語を起源とする単語をカタカナにしてそのまま使っているものは多く存在しますよね。

実はこの現象は、英語においても行われています。そして、英語の場合は日本語以外にも多くの言語から単語を借りてきているので、その数は日本語におけるカタカナ語よりも多いと言えるのではないでしょうか。こういった単語を、英語ではloanwords(借りた単語)と言います。

さて、英語における日本語のloanwordsですが、実は昔から存在していました。あなたはどのような日本語の単語が、昔から英語では知られていたか分かりますか?

例えば、sushitempurageishakaraokekaratejudosumoあたりは、日本のことをよく知らない人でも、こちらが日本人と知ると突然言ってきたりすることがありました。

20年以上前には、特に欧米やアフリカからすると日本は遠い国でした。地理的にも離れていましたが、日本という国に触れる機会が限られていて、何らかのきっかけで日本へ来ることがあったり、または和食レストランや日本のものが売られているスーパーがたまたま近くにあれば、日本の文化等を知る機会があるくらいでした。

今日のようにネットですぐ情報を得るということは難しかった時代でも、上記のような日本語は結構多くの人達に知られていました。ただ、今では当時とは全く異なり、ネットが普及したことはもちろん、場所にもよりますが日本関連の店が増え、以前より断然気軽に日本へ旅行できるようなりました。こういったことが、日本の文化や食等に関する情報がより身近になった理由として挙げられます。

このような変化が、より多くの日本語がloanwordsとして使われる状況を作ってきました。また、日本語と知らぬ間に使っているような単語を増えてきています。

前置きが長くなりましたが、今回は英語圏で使われている日本語を14個ピックアップして紹介します。1つだけ予めお伝えしておきたい点は、英語圏でも国や地域によっては今回紹介する単語が一般的ではなかったり、そこまで使われているというものではない可能性もあります。あくまで「一般的にある程度使われている傾向にある」という基準で選んでいます。

日本語でそのまま通じる単語「14個」

それでは、どういった日本語の単語が英語圏でそのまま使われているか見て行きましょう! loanwordsは基本的にほとんどが名詞です。よって、今回紹介する単語も全て名詞となっています。

日本語でそのまま通じる単語 その1:anime

1つ目の単語はanime(アニメ)です。今では多くの外国人が日本を知る、または好きになったきっかけがアニメと言っても過言ではありませんが、このアニメという単語はそのまま英語でもanimeとして使われています。

この単語の面白い点は、元々アニメが片仮名で書かれていることからも分かる通り、animationという英単語が語源となっています。それが「アニメ」→「anime」となり逆輸入されるという不思議な単語です。

日本語でそのまま通じる単語 その2:manga

2つ目はmanga(漫画)です。これはanimeがそのまま使われていることを考えれば、全く不思議ではありませんね。好きなアニメが元々は漫画だったことを知れば、その漫画を読みたくなるという流れは自然です。

海外の書店でも英訳された漫画が多く販売されていますし、場所によっては日本のアニメや漫画、それらに関連したグッズを販売する専門店も存在するほど、mangaも受け入れられています。

日本語でそのまま通じる単語 その3:otaku

3つ目の単語はotaku(オタク)です。こちらも、やはりanimemangaの影響から使われるようになった単語です。日本では元々あまりプラスなイメージで使われていなかった単語だと思いますが、海外では意外にプラスなイメージで使われていることが多くあります。

ただ、英語に訳した場合はnerdgeekといった単語になり、それらは基本的にあまり良い意味としては使われていません。日本語という外来語ということに加え、アニメや漫画と関連して使われることが多いので、もしかしたらイメージも変わって使われているのかもしれませんね。

日本語でそのまま通じる単語 その4:emoji

4つ目は、結構意外と感じる人も多いかもしれませんがemoji(絵文字)です。実はスマホ等で使う絵文字は日本で生まれたもので、それが海外でも使われるようになったのです。英語ではpictogramとも言えますが、普通の会話でもemojiと言っているのをよく聞きます。

筆者の中高の頃の友人がemojiという単語を当たり前のように使っているのを聞くと不思議な感覚になります。

日本語でそのまま通じる単語 その5:futon

次の単語は「え、それも?」と思うような単語です。それがfuton(布団)です。海外でも布団を敷いて寝るの? と疑問に思う方も多いと思います。

一般的にはベッドがあるので、そこにマットレスを乗せて寝ます。しかし、これももしかするとアニメの影響かもしれませんが、アニメ等では布団を敷いて寝るシーンが当たり前のように登場するので、そういったところからこの単語も広まったのかもしれませんね。

日本語でそのまま通じる単語 その6:tatami

6つ目の単語もfutonに似たような感じですが、tatami(畳)です。英語ではtatamiでも通じますが、tatami matと言って分かりやすくしています。

日本の映画やドラマ、アニメ、そして実際に訪れると和室で畳を見る機会もありますよね。そういったところからtatamiが広まり、英語でもそのまま使われるようになっています。

日本語でそのまま通じる単語 その7:haiku

7つ目は、驚く方も多いかもしれませんがhaiku(俳句)です。筆者は、俳句についてはベルギーに住んでいた中学生頃に授業で扱ったように記憶しています。英語でもhaikuと言えば詳しくないとしても、多くの人が詩であることが分かるほど一般的になっている単語です。アニメも有名ですが、日本の昔からの芸術や文学も評価されているという証拠でもあります。

日本語でそのまま通じる単語 その8:ramen

8つ目の単語は、今では日本の国民食とまで言われているramen(ラーメン)です。昔はChinese noodlesのように言っており、ramenでは通じないことの方が多かったのですが、今では誰もが知る英単語となりつつあります。

pizzaと同じように使われる日もそう遠くないかもしれませんね。これはやはりカップヌードル等の影響も大きいでしょう。英語圏に限らず、世界中でカップヌードルは販売されているところを見ると、日本人としては誇らしく感じます。

日本語でそのまま通じる単語 その9:miso

和食は健康的ということで知られており、それに使われる食材も人気があります。そういった食材を指す単語は、そのまま英語でも使われていることが多くあります。9つ目は、そういった単語の1つであるmiso(味噌)です。

日本語でそのまま通じる単語 その10:mochi

個人的に「これもそのまま通じるんだ!」と感心した単語がmochi(餅)です。Japaneseを付けてJapanese mochiと言う人もいますが、それでも海外でmochiという単語がそのまま使われるほど認知度が上がっていることは驚きですよね。あの食感は、もしかすると国籍や民族を問わず万人受けするのかもしれませんね。

日本語でそのまま通じる単語 その11:sake

11個目の単語は、実はかなり昔から浸透しているsake(酒)です。これは納得できますよね。世界どこへ行ってもお酒が大好きな人は多いので、この単語がsushiと同じくらい知られていても驚きませんよね。

ちなみにsakeは「お酒」ではなく、日本酒のことを指します。英語でもsakeという単語が存在し「~のため」や「目的・理由・利益」といった意味で使われます。お酒のsakeとは発音が異なるので間違えることはありませんが、それでもJapanese sakeと言われることもあります。ちなみに前者は「セイク」と発音するのに対して、後者は「サーケ」や「サキ」と発音されることが多くあります。

日本語でそのまま通じる単語 その12:edamame

12個目に紹介する単語はedamame(枝豆)です。枝豆は結構海外でも場所によっては人気があり、そのままでも通じることが多くなっています。お酒好きの人達には枝豆が合うというのが分かるのでしょうね。

日本語でそのまま通じる単語 その13:tofu

13個目の単語は「misoが通じるなら、これも通じるだろう」という単語、tofu(豆腐)です。

健康的な食事を求める人達や和食が好きな人達に人気のある豆腐は、英語でもそのまま使われる単語となっています。発音は「トウフー」のように語尾を伸ばしますが、日本人でも聞いてすぐに分かりますね。

日本語でそのまま通じる単語 その14:koi

最後の単語はkoi(鯉)です。もしかすると日本庭園の影響もあるのかもしれませんが、海外でも鯉は人気があります。英語圏ではkoi carpと言われることが多くあります。

carpはコイやコイ化の魚で、それだけだと泥に住む汚い魚を指し、あまり良いイメージはありませんが、koi carpと言うと色鮮やかな鯉を指し、全く異なるイメージとなります。

おわりに

今回は、英語圏で訳さなくても通じる日本語を14個紹介しました。海外でも知られていることは知っていても、まさか日本語のままで親しまれているとは思わなかった単語も多くあったのではないでしょうか。

今回紹介した単語以外にも、実は日本語がそのまま英語でloanwordsとして使われている単語が多く存在しています。中には「人力車」がrickshawとなったように、意味は同じでも少し形が変わった単語も存在します。また「将軍」もshogunでそのまま通じますが、実際には「ショーガン」と発音する人が多いように、正しい日本語とは言い方が異なるという単語も存在します。

英語を学習する際には、日本語や他の言語から来ているloanwordsも意識して探してみると面白いかもしれませんね。

著者
宮園 順光(みやぞの よりみつ)
株式会社グローレン
株式会社グローレン 取締役。小学校〜高校卒業までをベルギーで過ごす。上智大学を卒業後、大手英会話スクールにて7年間教務主任として多くのクラスを担当。外国人講師の指導にも従事。マンツーマン英会話教室の代表を経て、2014年から現職にて語学プログラムの総監修を務める。これまで1万人以上にレッスンを提供。TOEIC990点、英検1級。

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