英語ができることで得られる3つの幸せ

2020年12月2日(水)
宮園 順光(みやぞの よりみつ)

はじめに

皆さんも「英語はできるようにした方が良い」と耳にすることがとても多くなってきたのではないでしょうか。英語を使えると便利であることは間違いありません。

しかし、英語を使えるようになることで、具体的に何が良くなるのかが分からないという方もおられると思います。日常的に英語を使う機会がない場合、英語を使っているイメージが持てず、なかなか「英語を習得する時間を確保しよう」という気持ちにはなれないでしょう。

英語を習得するには時間がかかります。すぐに習得する術はありません。日々の学習を習慣化することで、少しずつ使えるようになります。

英語ができるようになると、皆さんの生活や人生にどのようなプラスがあるのかは、人それぞれ異なります。しかし、今回紹介する「英語ができることで私が得られた3つの幸せ」をご覧いただくことで、「英語はできる方が良い。今日から始めよう」「やる気が低下していたけれど、やっぱり英語の学習を継続しよう」と思っていただけると大変嬉しいです。

それでは早速、私が英語ができることで得た3つの幸せを見ていきましょう。

海外の人とコミュニケーションが取れる

英語ができることで、一番幸せを感じる瞬間は、海外の人とコミュニケーションが取れたときです。

私は小学校高学年から高校卒業までの約9年間をベルギーで過ごしたため、人生の中で一番親しくなった友人達は海外にいます。帰国した頃はまだ現在のようにSNSなどはなかったため、友人達と気軽に連絡を取る手段はEメールしかありませんでした。

日本に戻り大学を卒業して就職し、ベルギーにいたときとは全く異なる生活を送る中で、いつしか海外に住んでいたことが嘘のような感覚さえ持つようになっていました。SNSの登場で、ネット上ではありますが昔の友人達と再会できるようになり、薄れていた過去の記憶が戻ってきました。

そういう意味では、SNSの登場は大切な役割を果たしてくれました。同時に、英語ができたからこそ、こうやって友人達とまた連絡を取り、お互いのことを話すという「幸せ」をもたらしてくれたと言えます。

東日本大震災が発生したとき、私は東京にいたので東北の方々ほど大変な経験はしていませんが、海外の友人や知人から連絡を貰うことで、これだけ多くの人達が応援してくれていることが分かり、前向きな気持ちになったことを覚えています。

また、海外の人とコミュニケーションをとることで幸せに感じることは、街中でも経験することがあります。特に、海外の人に道案内をしたときには、英語ができて良かったと感じます。

以前、JR上野駅で「銀座線に乗りたい」というドイツ人の方に会いました。地図を見ながら迷っていたため、話しかけて銀座線の改札まで雑談をしながら案内したことを今でも覚えています。

こういった数分の会話からでも、英語ができることの幸せを感じることができます。さらに、海外の人に道案内をしたことで、日本人が海外へ行って困ったときに、もしかしたらその人が助けてくれるかもしれないと思ったら、そこからも幸せを感じることができます。

このように、実際に海外の人達とコミュニケーションが取れたとき、私は一番英語ができることの幸せを感じことができるのです。

得られる情報が多くなる

英語ができることで得られる2つ目の幸せは、日本語のみのときよりも、得られる情報が断然多くなることです。

今年は新型コロナウイルスでマイナスな点が多い年ではありましたが、同時にそれによってもたらされたプラスの変化もありました。そのうちの1つが「インターネットの活用法」です。

コロナ禍以前、日本ではパソコンなどを利用したテレビ会議は欧米に比べてあまり行われていませんでしたが、今年はそれを使うことが当たり前のようになりました。それにより、今まではなかなか繋がることがなかった海外の人達とも、簡単に繋がれるようになりました。

英語を話せることで、時差はあるものの、より海外の人々と繋がりやすくなり、海外で起こっていること等の最新情報がすぐに手に入るようになりました。英語のWebページやTwitter等からも必要な情報を検索し、まだ日本のメディアには出ていない情報を得ることもできます。また、仕事に関する情報はもちろん、趣味等に役立つ情報も素早く得ることができます。

さらに、日本語に訳されていない情報も海外には多くありますし、日本語に訳される過程で情報の内容が変わってしまっていることもあります。しかし、英語ができれば、情報の原文にアクセスし、正確な内容を得ることも可能になります。

私の趣味はサッカー観戦ですが、こういった趣味でも英語ができることで、思わぬ情報を得られることがあります。例えば、英語の実況を聞くことで、まだ現地でしか分からないような移籍の噂や、選手のちょっとした小ネタを耳にすることもあります。

こういった情報を得ることができたときは、「英語ができて良かった」と思うことができます。

映画等をそのまま鑑賞できる

英語ができることで得られる3つ目の幸せは、映画やテレビ番組、YouTube動画、著名人のスピーチ等をそのまま見られることです。

日本のアニメ声優の中には、芸能人と同じくらいファンが多い人もいます。それは、その人の声やセリフを言う間であったり、雰囲気等、様々な魅力があるからだと思います。その人だからこそ出せる魅力があり、例えば海外で吹き替え版を作った場合、同じ味を出すことは難しいと言っても過言ではありません。

それは英語の映画等でも同じことが言えます。私は英語の映画を吹き替えで観ることがありません。なぜなら、セリフを英語から日本語に訳す過程で、日本人にとって分かりやすくしたり、時間的な制約に合わせるため、内容を変えたり、意訳したりするからです。好みは分かれるところですが、吹き替え版の話し方が苦手という人もいます。

吹き替え版には吹き替え版の魅力がありますが、私は俳優が言うセリフを英語のまま直に理解することで、その俳優の演技力はもちろん、セリフの言い方等を楽しむことができると思っています。

また、英語の映画やテレビ番組等を見ることで、文化的な違いも理解できます。アメリカの冗談は、よく「アメリカンジョーク」と言われますが、笑いのツボが日本人とアメリカ人では異なる部分があったり、文化的な違いもあり、日本人には理解できないことがあります。そのため、日本語に訳す際は、それらの部分を日本人なら誰もが理解できるように削ったり、変更してしまうことがよくあります。

英語の作品を英語のまま理解できることで、他の言語に訳された際に加わってしまう修正に影響されずに楽しむことができるのです。

おわりに

生きていく上で英語ができなければダメかと言えば、個人的にはそんなことはないと思います。英語よりも優先的に学ぶべき、もっと大切なことも沢山あります。

しかし、英語ができることでしか得られない幸せが多くあることも事実です。英語ができることで収入が増えることもありますし、旅行でよりたくさんの楽しい思い出を作ることもできるでしょう。今回紹介した3つの幸せを手に入れられたので、私は英語ができて幸せだと感じています。

重要なことは、誰かに「英語はできるようにした方が良い」と言われたから、何となく英語を勉強するというのではなく、英語ができるようになることで、自分がどう幸せになるのかを考え、それに向けて学習するということです。

目標をしっかりと持つことで学習意欲が上がり、「英語ができるようになって良かった」と実感できるようになります。

ぜひ、皆さんも英語を学びながら、英語ができることで得られる幸せを見つけていきましょう!

著者
宮園 順光(みやぞの よりみつ)
株式会社グローレン
株式会社グローレン 取締役。小学校〜高校卒業までをベルギーで過ごす。上智大学を卒業後、大手英会話スクールにて7年間教務主任として多くのクラスを担当。外国人講師の指導にも従事。マンツーマン英会話教室の代表を経て、2014年から現職にて語学プログラムの総監修を務める。これまで1万人以上にレッスンを提供。TOEIC990点、英検1級。

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