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センサーが人生を変える

2008年12月22日(月)
矢野 和男

限りなき成長

 第3回では、センサーがマネジメントの常識を変えることを述べたが、最終回の今回は、知識成長と人生がテーマである。

成長のマネジメント

 石川さんは、AB-1を使った新しいワークスタイルを提案する部署に所属していた。新製品AB-1の展示会準備が進んでいる中で、明日、石川さんは大手顧客のB社に提案する予定だ。ところが、提案書に何かが足りない気がして、提案書を見つめていたのだ。

 その時、耳に飛び込んできたのが「ラシンバン」という言葉だ。実は、少し前から、隣の部署からこの言葉がよく聞こえていた。気にかかって、隣の部署の斉藤さんに聞いてみたら、「知的活動に関するヒント」を与えてくれるビジネス顕微鏡の機能とのこと。石川さんも使えるはずだが、気が進まず、そのままになっていた。

 ふと、その「ヒント」を見てみようと思った。壁の大型ディスプレーを操作すると、「知の羅針盤」の結果として「牛を飼いならす 牧牛(ぼくぎゅう)」が表示された(図1)。

 これは8個の分類の1つで、牛のたとえで説明されている。探していた牛(知)を見つけて、つかまえて、その次に「飼いならす」段階が来るという。そこでは、つかまえた牛の多様な面に気づき、その変動やゆらぎを知り、より深い知の理解に至ることが「飼いならす」ことだという(詳細は3ぺージ)。

 そこに、隣の課の斉藤さんがやってきて、「牛は暴れていますか」と聞いてきた。「うまくいえないんですが、新しい働き方を押しつけると、職場にやらされ感が増すんじゃないかと、どこかで心配しているんですよ。そこをまだ飼いならせてないんです」そう話してみて、石川さんは、そこに答えがあることに気づいた。早速、資料に加えたのは「変化を飼いならす新しい働き方。機会発見に向けた行動は、御社にありますか」というフレーズだ。

 1ヶ月後。石川さんは毎朝出勤すると、必ず今日の「知の羅針盤」を見て、「A×B=X」という今日の行動の方程式をつくるようになった(前回および次ページ参照)。「羅針盤」のアドバイスを活用してから考え方がポジティブになった。データに潜む法則性は、仕事も人生も楽しみ、そして成長するための強力な後押しをしてくれるようだ。

株式会社日立製作所
1984年日立製作所入社以来、中央研究所にて半導体の研究、特に世界初の単一電子メモリの室温動作、携帯電話用プロセッサなどのシステムLSIの研究を行う。現在、センサー情報を使った新しい生き方や働き方の研究と事業化を進めつつ、自ら実践している。中央研究所主管研究長と基礎研究所人間情報システムラボ長を兼任。工学博士。IEEE Fellow。http://www.hitachi.co.jp/

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