時計ブランドFossil、スマートウォッチの概念を変える? 2.6億ドルでウェアラブルメーカーを買収
2015年11月14日 7:00
電池の寿命は6ヶ月、Misfitの活動量計が秘める可能性とは

時計メーカーのFossilは11月12日、2.6億ドルでウェアラブルメーカーMisfitを買収する計画を明かした。
Misfitは、スタイリッシュな活動量計(フィットネストラッカー)を製造するスタートアップ。その技術を取り入れ、『Skagen』や『Fossil』等、Fossilが提供するトラディショナルな時計ブランドへの融合を目指す。
Fossilで戦略設計、デジタル化の責任者を務めるGreg McKelvey氏はThe Wall Street Journalに対し、「我々がつくり出すジュエリーや時計をウェアラブルデバイス化することによって、機能を超え、デザイン、ブランディングの新しい概念をつくっていきたい。」と語り、今後の事業発展に向け、大きな希望を持っていることを明かした。
活動量計を内蔵した「時計」が、スマートウォッチの概念を覆す
Fossil社の取り組みは、11月初旬にウェアラブル参入を発表した高級時計メーカー、Tag Heuer社の戦略とは対照的である。GoogleやIntelとパートナーシップを結び、本格的なアンドロイドウェアをつくる同社に対して、Fossilは自社で技術を保有する道を選んだ。彼らの計画は定かではないものの、おそらく”スマートウォッチ”というよりも、”活動量計を内蔵した、シンプルなアナログ時計”が生まれることが予想される。
価格面でも、1,500ドルするTag Heuer Connectedのようなスマートウォッチに比べ、もっと手頃なものになるだろう。
McKelvey氏によれば、Misfitの最大の魅力は「電池の持ちが良い」ことだという。例えばMisfitが提供する活動量計『Shine』の電池は、最大6ヶ月持続するという。ちなみに、多くの活動量計はせいぜい一週間しか電池が持たず、スマートウォッチに至ってはたったの2日間である。ディスプレイ等、電力消費の多い機能を避けた結果、充電式のリチウムイオン電池ではなく、ボタン型電池で動作することが可能になっている。
2011年に創業後、クラウドファンディングを通じて2012年に『Shine』を発売したMisfitだったが、今や数億ドルの価値を認められ、世界でも有数の時計メーカーに取り込まれるに至ったのである。
Photo courtesy of Misfit
ReadWrite Japan編集部
[原文]
関連記事
ビッグデータ投資が伸びない理由と、商用価値
2016年3月11日 16:12
なぜウェアラブルの開発者は減少しているのか?
2015年11月10日 7:00
Google Glassは再考と再開に向けて進行中
2015年6月12日 15:00
飲食店のインバウンド対応の決定打となるか?PaperBeaconを活用した飲食店向けオーダーシステム「Putmenu」登場
2015年11月11日 7:00
iPhone6s「3D Touch」の今後ーAppleは開発者の”独創的なアイデア”を必要としていない?
2015年11月4日 7:00
Androidスマートウォッチが本当に目指さなければならないこと
2015年3月31日 3:00
バックナンバー
この記事の筆者
筆者の人気記事
進む「スマートダスト」研究、小型化するセンサーが人類にもたらす影響の大きさ
2016年9月3日 7:00
Amazonは世界一の失敗をする企業だ
2016年4月19日 7:00
ストレス社会の救世主! 新アプリ『Mindset』でストレスコントロールが可能に
2016年6月15日 9:14
話題の「フォグコンピューティング」、エッジコンピューティングとどう違う?
2016年8月13日 7:00
Arduino vs. Raspberry Pi:あなたにぴったりのDIYプラットフォームはどっち?
2017年11月17日 6:00
完全な透明性は本当にいい事なのか?
2015年7月17日 15:00
Think ITでは、技術情報が詰まったメールマガジン「Think IT Weekly」の配信サービスを提供しています。メルマガ会員登録を済ませれば、メルマガだけでなく、さまざまな限定特典を入手できるようになります。