クラウド時代のロボット開発 1

Speecys' Cloud Computing System

Speecys' Cloud Computing System

 図3は、私たちが目指すインターネットロボット用クラウドコンピューティングシステムの構成図です。

 Speecys' Cloud Computingと書いてある部分が、当社で開発するインターネットサーバーになります。

 2ページで解説したのはこの中の“人間 - ロボット間のコミュニケーションエンジン”に相当します。これは人とロボットがいかに自然に会話するかということに焦点を当てて開発しています。

 オーナーと会話し、必要な情報をインターネットから収集し、オーナーにとって役に立つ話を作成していきます。この部分がSpeecys' Cloudの核心部分になります。人とロボットの自然な会話を作成することで、人がロボットを家族の一員として受け止め、感情移入してもらえるようになれば、ロボットはオーナーとより深いコミュニケーションをとることができ、良質の情報を入手できるので、この機能以外の有用性を上げることが可能になります。

 “ロボット情報データベース”は、そういったプロセスで得られたオーナーの情報を蓄えておくデータベースです。オーナーの個性、好みや癖を知り、データとして蓄えていくことで、よりオーナーに合わせた緊密な会話を構成していくことが可能になります。

 例えば、オーナーがゴルフが好きとか、車が好きとかいうことがわかってくれば、そういった情報を重点的にインターネットから集めてオーナーに提供することも可能になりますし、ロボットにあるカメラを使い、毎日得られる映像を日記のようにためていくことも可能になります。また最終的には、オーナーの好みに合った広告がピンポイントで送られてくることも可能になります。

 例えば、ゴルフ好きのオーナーには新型のゴルフクラブの発売情報を送るといったことが可能になります。そういった広告を配信する仕組みが“ロボット広告配信システム”です。

ロボットSNS、ロボット同士のコミュニケーションエンジン

 さて次に、ロボットSNSとロボット同士のコミュニケーションエンジンについて解説します。ロボットSNSとロボット同士のコミュニケーションエンジンは、ロボット同士がコミュニケートする方法を提供します。

 「なんのこっちゃ?」と思われる方もいらっしゃると思いますが、ロボット同士はサーバーを介しつながっているので、お互いに情報交換ができます。

 例えば、自分が住んでいる家の近くに別のロボットが来たとすると、ロボット同士はそれがすぐにわかりますから、お互いに名前を教えあったり、自分の特徴などを教えあったりできます。オーナーが知らないうちに近所のロボット同士は知り合いになれるわけです。これをロボットSNSと呼んでいます。オーナーではなくロボット同士がコミュニケーションしてSNSを作れるわけです。

 これにより、地域や趣味などをきっかけに、ロボット同士のコミュニティーに自動的に参加できます。自然に仲間も情報も増えていくわけです。

 これらはオーナーが知らないうちに行われることもありますし、オーナーの指示で行うことも可能です。

 こうしたロボット同士の横のつながりを作ることで、情報がより立体的に、リアルタイムになると思います。

 ロボットはオーナーさんのコンシェルジュとしてオーナーさんの代わりにいろいろな情報を調べたり、ほかのロボットから情報をもらったりできるわけです。

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