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| 3つの観点の使い方 | ||||||||||||||
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これまで3つの観点を紹介したが、結論として「個人情報をビジネスにいかに活用するのかを考えることを組織内に啓発することが、成功の秘訣である」といってもよいだろう。そうでなければ、コンプライアンス対応や漏洩防止といったわずらわしいだけのことになり、現場の人間には個人情報に対する意識が働かないのだ。意識の働かないところでは、結局情報漏洩も防げなくなるものである。 よって3つの中で個人情報活用施策の観点から検討を開始するべきだろう。目的を定めずに手段を検討するほど愚かなことはないからである。 |
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| 業務上の必要性 | ||||||||||||||
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企業において顧客の個人情報が、「なぜ・どんなときに・どんなものが必要なのか」そして「誰がどのようにビジネスに活用するのだろうか」について自問自答し、明確にする必要がある。 それに答えていれば、こんな時に、こんなものを取得しておくと、こういうことでビジネスに役立てるために顧客情報が必要だ、ということがわかり、それ以外のことは業務上の必要がないということが明確になる。 この答えのない企業では、「なんとなく機会さえあれば色々な顧客情報をかき集め、誰かが何かの役に立てているに違いない」という前提で対策を検討するしかなくなる。 そのような状況では、どの程度の制限が適当なのかがわからず過不足が生じやすい。制限をかけ過ぎればビジネスを阻害し、制限が緩ければ保護が不十分になる。つまりビジネスの現場担当者からは厳しすぎるといわれ、情報保護に意識の高い者からは甘すぎるといわれかねないのだ。 顧客の個人情報をビジネスにどう役立てているのかを確認して、それに必要な個人情報をどうすべきかを考えるということが、最初にすべきことである。 |
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| 個人情報に限らない漏洩防止 | ||||||||||||||
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個人情報の漏洩防止については、2つ目の観点として検討するのがよい。情報セキュリティにおける漏洩対策をそのまま適用すればよい。業務上の必要性のない個人情報がアクセスできなくなっていれば、対策の検討は相当楽になっているはずだ。 個人情報だからといって特別なことはなく、機密情報として対策すればよい。これについては次回以後に詳しく紹介する。 |
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| 答え合わせとしてのコンプライアンス | ||||||||||||||
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最後に、コンプライアンスとしての個人情報保護法の対応について考える。 ビジネスとしてどうすべきかを考えてだした検討結果について、コンプライアンスとしての制約を満たしているのかを確認するとよいだろう。この時、必要性の最小限の制約がコンプライアンスの要求よりも厳しいものならば、それをあえて緩めるべきではない。 例えば個人情報保護法は利用目的を相手に知らせるだけでよく、オプトイン(事前同意を得ること)を求めていないが、ビジネスで活用する際に事前同意を得ておく方がその後の活用がしやすいのならば、オプトインをすべきである。オプトインをせずにダイレクトメールを送って開封されずに捨てられるのならば、同意を得てくれた人だけにダイレクトメールを送る方がビジネスに有効な場合もあるということだ。 ビジネスに役立てるためにどうすればよいかの検討が十分にされていれば、個人情報保護法の要件は、ほとんどクリアできると思ってよい。 逆にいうと法律は最低限のことしか求めていないため、その最低限のことしかしないのでは、ビジネスに活用するには不十分になるということだ。 |
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| 安心感と満足度の向上 | ||||||||||||||
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個人情報に関する対策とは、企業が顧客に与える「個人情報を適切に保護しているという安心感の向上」と「個人情報を利用した各種販売促進活動における満足度の向上」を管理することだといえよう。 ビジネスにとって重要なのは後者だ。それによって顧客は企業に個人情報を預けてもよいという気持ちになる。前者はいわば当たり前のことであって、安心感が向上することがそのまま満足度の向上にはならないという点に注意すべきだ。 ダイレクトメールの例であれば、その宛名の個人情報を守ることは当然のことであって、それよりもダイレクトメールの内容を顧客にとって有益なものとすることについて、個人情報保護の対策をきかっけに社内展開するのがよい。 それによって、個人情報はビジネスにとって大切なものであり、守るべきものという意識を育てるのがよい。 |
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| 次回は | ||||||||||||||
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今回は対策を検討する際の観点について、3つの視点から紹介した。次回は「個人情報を分別する」ことについて解説する。 |
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