|
||||||||||||||||
| 前のページ 1 2 3 次のページ | ||||||||||||||||
| 1. アウトソーシングの活用戦略を熟考せよ | ||||||||||||||||
|
前述のように、アウトソーシングの失敗原因の1つは、発注側がソーシングを気軽に考えすぎる点にある。 「アウトソーシングすれば安い」「コア事業に集中できる」といった売り口上は、サービスの提供側から発せられた甘言であることを認識し、内容には十分注意する必要がある。 今日では、社内人件費とアウトソーシング費を比較すると、アウトソーシングした方が高くなるケースは珍しくない。コストや目先の利益だけを追求するのではなく、総合的に判断してアウトソーシングによる経営への貢献シナリオを描いておくことが大事だ。 ここで改めて、アウトソーシングの本質を考えてみよう。その答えには、以下のような点が浮かび上がる。
表5:アウトソーシングの本質
これらのポイントを認識した上で、社内の資源確保戦略と業務遂行戦略に、どう活用するかを検討することからはじめてみてはどうだろうか。 具体的には経営テーマを把握し、これをバランススコアカードのように、財務・顧客・業務プロセス・要員/組織といった、各視点にテーマを分解して関連づけを明確にする。次に、各テーマを実現させるためのマネジメント要件をブレイクダウンし、この段階でアウトソーシングの利用戦略を考えるのだ。 その際、テーマ推進のマネジメント要件を検討する段階で、アウトソーシングの取り扱いを考えることが必要だ。そうすることで、シナジー効果を追求できるようになる。経営テーマを議論している段階で、いきなり「アウトソーシング」を検討すると、どうしても「アウトソーシングありき」の考え方になってしまう危険性がある。 |
||||||||||||||||
| 2. 自社の業務の透明性を高めよ 〜もっとも多いトラブルはサービス内容の食い違い | ||||||||||||||||
|
アウトソーシングでもっとも多いトラブルは、委託する業務内容が不明確であることと、サービスレベルが曖昧なことに端を発するサービス内容の食い違いだ。 これはひとえに、発注者が自分たちの仕事を正しくアウトソーサに伝え切れていない、もしくは伝えられないことに起因する。 日本のIT現場は欧米よりも、手順やノウハウ・意思決定基準が無形で属人化しているケースが多い。そのため、正確に内容を伝えることが難しい。かといって、何もしないのでは、成功はおぼつかない。 日報や聞き取りなどを通して、業務の内容や関連、頻度、難易度、専門知識の必要度、自社業務の必要度を把握して「見える化」しておくことが重要だ。 そうすることで、「個人の裁量が働いている業務」や「本来の役割分担を超えて執り行っている業務」「自分のために仕事を作り出している自己都合業務」といった、周辺課題もあぶりだされてくる。 もちろん、これらの業務分析はアウトソーサが実施するそれとは別に、進めておかなければならない。アウトソーサも業務分析するのだから、「任せてしまおう」という誤ったやり方をときどき見かけるが、これはいただけない。「購買コントロールができなくなる」ばかりか、「アウトソーサが切り捨てたところを理解できない」「アウトソーサとのつなぎ部分をコントロールできない」といった、マイナス要因を数多く抱え込むことになるからだ。 |
||||||||||||||||
|
前のページ 1 2 3 次のページ |
||||||||||||||||
|
|
||||||||||||||||
|
||||||||||||||||
|
|
||||||||||||||||
|
||||||||||||||||
|
|
||||||||||||||||
|
||||||||||||||||

