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| W-Zero3がもたらした、Windows Mobileの大転換 | ||||||||||||||||
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W-Zero3が今までのPDAと大きく違った点は「あらかじめ通信機能を内蔵した」ことだ。従来のWindows Mobileデバイスの中には無線LANを搭載しているものもあった。しかし、限定された環境でのみ利用できる無線LANと異なり、PHSとして利用できる場所であればどこでもデータ通信が行えるという点は、大きな差となった。 もともとPHSは「地下街に強い」といわれ、携帯電話のアンテナが設置されるまでは、地下街を有する都市部では独壇場ともいえる状況があった。 さらにウィルコムが提供しているPHSサービスは携帯電話に比べてハンドオーバーに強く、「粘り強い」と呼ばれる連続通信制も確保できている。これは、ネットワーク接続によりデータのやり取りを行うASPやSaaSサービスにとっては大きなメリットとなる。 しかし、それらのメリットよりもW-Zero3が成し遂げたのは「一気にWindows Mobileのユーザ数を増加させた」という1点につきる。ユーザ数が増加したということは、多くのハードウェア/ソフトウェアベンダーから注目されるということであり、対応する製品の数もまた、飛躍的に増えたのである。 実は、W-Zero3登場以前に、他国ではすでにWindows Mobileデバイスは普及が進んでおり、様々な端末が海外ベンダーから発表されていた。W-Zero3によって1つの市場ができたことを受け、NTT DoCoMoは「hTc Z」を、ソフトバンクは「X01HT」をそれぞれ発表した。さらに、厳密にはスマートフォンではないが、EMOBILEが「EM・ONE」を発売し、さらにbitWarp(※注1)専用のW-Zero3も登場し、一気に選択肢は広がった。
※注1:
bitWarp
So-netが提供するPHSによるパケット通信サービスで、定額でインターネットを利用できる。 |
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| 機種選択には複数のアプローチがある | ||||||||||||||||
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先に述べた通り、従来のWindows CEは仕様が厳格に規定されており、ベンダーごとの差が少なく、ユーザは「好みのベンダーの製品」を手に取ることが一般的だった。これは、一部の機能と外観を除き、ほとんど同じものだったからだ。 しかしWindows Mobileデバイスでは、各社ごとに細かい部分で差が見られるようになった。その中でも大きなものが、画面サイズと通信方法の2つだ。 |
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| 画面サイズの違い | ||||||||||||||||
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Windows MobileはWindows CEの流れを受けて、320×240ドットの縦型QVGAによる画面表示が基本サイズとなっている。「hTc Z」と「X01HT」は320×240ドットの液晶パネルを使い、仕様通りの表示を行う。 これに対してW-Zero3の液晶パネルは640×480ドットで、QVGA+Clear Typeによって表示サイズよりも読みやすさを重視した表示を行っている。またEM・ONEの場合には800×480ドットというワイド液晶を採用し、さらに表示領域を確保している。 1文字当たりの利用ドット数が多い日本語を表示するためには、大きなサイズの液晶パネルを利用したほうが、1画面あたりに表示できる情報量が多いというメリットがある。しかしWindows Mobileはもともと320×240を基本仕様としていることから、このサイズにあわせてアプリケーション開発が行われており、高解像度に対応したソフトウェア以外はその恩恵を受けられない。 |
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| 通信方式の違い | ||||||||||||||||
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現在のWindows Mobileデバイスはなんらかの通信機能を内蔵している。主なものは以下の通り。
表2:Windows Mobileデバイスの主な通信方式 それぞれ、通信速度や通信可能範囲、提供地域、さらに用途の違いがある。次回は、これらの通信方式と実際に利用可能なサービスについて解説する。 |
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