第2回:HAクラスタとバックアップ (4/4)

Enterprise OS
改めて知っておきたいRed Hat Enterprise Linux 4 - サーバ編

第2回:HAクラスタとバックアップ
著者:日本ヒューレットパッカード  古賀 政純   2006/5/25
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ブレードサーバから管理ノードへイメージ吸い上げる場合

   ブレードサーバから管理ノードへディスクイメージを吸い上げる場合は、管理ノード172.16.10.210へssh接続して、ddイメージを/data以下にbl20pg3bay5.imgというファイルとしてバックアップします。
# time dd if=/dev/cciss/c0d0 |ssh 172.16.10.210 "cat > /data/bl20pg3bay5.img - "

   Smart Arrayコントローラで作成した/dev/cciss/c0d0の容量が72GBであるため、/data/bl20pg3bay5.imgファイルは約72GBのファイルになります。バックアップ時間は、ネットワークの帯域によって異なりますので注意してください。


管理ノードからブレードサーバへイメージをリストアする場合

   次に、管理ノードからブレードサーバの内蔵ディスク/dev/cciss/c0d0へイメージリストアする場合です。

# time ssh 172.16.10.210 dd if=/data/bl20pg3bay5.img | dd of=/dev/cciss/c0d0

   この場合も、ネットワークの帯域によってバックアップ時間は大きく変動しますので注意が必要です。

   次にレスキューモードになっているブレードサーバをリブートします。レスキューモードのコマンドプロンプト上で、以下のコマンドによって強制リブートを行ってください。

# reboot -f

   またiLOのVirtual Mediaでのisoイメージのマウントを解除しておきます(Webブラウザで操作)。

   最後にリストアされたブレードサーバのRHEL4にiLOでログインして、ネットワークの再設定をします。

正常起動したブレードサーバ上にログインして設定
# cd /etc/sysconfig/network-scripts/
# vi ifcfg-eth0
# vi ifcfg-eth1
(省略)
# vi ifcfg-bond0


注意点

   最初にRHEL4のCD-ROMのisoイメージを作成している理由についてですが、OSの種類やiLOのファームウェアのバージョンやクライアントPC(または管理サーバ)のJavaのバージョンなどの組み合わせによって、物理CD-ROMメディアをマウントしているにもかかわらずCD-ROMブートができない場合もあるためです。したがって事前に必ず動作検証情報を確認してください。

   Virtual Mediaではisoイメージを作成しなくてもCD-ROMドライブから実際のCD-ROMメディアをマウントする機能がありますが、そのような理由からisoイメージからのマウントでの手法を紹介しました。

   さらに注意点として、リストア先のディスクはバックアップ元のハードディスクの容量とセクタ数が同じものを利用してください。例えば72GB、10,000rpmのハードディスクでバックアップをとった場合は、リストア先のディスクも同じ容量かつ同じ回転数のものを使用します。

   これは72GB、10,000rpmのハードディスクと15,000rpmのものではセクタ数が異なっており、異なるセクタ数のディスクに対して行うddによるバックアップリストアは失敗するためです。ddを利用する場合は、ハードディスクの容量とセクタ数に注意してバックアップリストアを行う必要があります。汎用性をさらに向上させるためには、ファイルシステムを作成してtarによるバックアップリストアなども検討すべきです。

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日本ヒューレット・パッカード株式会社 古賀 政純
著者プロフィール
日本ヒューレット・パッカード株式会社
古賀 政純

2000年よりUNIXベースのHAクラスタシステム及び、科学技術計算システムのプリセールスに従事。並列計算プログラミング講習会などを実施。その後、大手製造業及び官公庁系の大規模Linuxクラスタの導入、システムインテグレーションを経験。現在は、大規模エンタープライズ環境向けのLinuxブレードサーバ及びHP Serviceguard for Linux(HAクラスタソフトウェア)のプリセールスサポート、システム検証を担当している。毎日、Linuxサーバと寝食を共に(?)しています。


INDEX
第2回:HAクラスタとバックアップ
  RHEL4をベースとしたHAクラスタシステムソリューション
  HP Serviceguard for Linuxで実現するHAクラスタ
  レスキューモードによるシステムリカバリ
ブレードサーバから管理ノードへイメージ吸い上げる場合
改めて知っておきたいRed Hat Enterprise Linux 4 - サーバ編
第1回 ブレードサーバとLinux
第2回 HAクラスタとバックアップ
第3回 データレプリケーションとWebサーバの構築の基本
改めて知っておきたいRed Hat Enterprise Linux 4 - インストール編
第1回 Red Hat Enterprise Linuxの概要
第2回 インストールの方法とサポート状況の確認
第3回 インストールとNICの設定
第4回 インストール後に行う設定
改めて知っておきたいRed Hat Enterprise Linux 4 管理編
第1回 外部ストレージの設定と運用について
第2回 RHEL4におけるユーザ管理
第3回 RHEL4におけるシステム管理とSIMについて
第4回 RHEL4におけるOSのチューニング
改めて知っておきたいRed Hat Enterprise Linux 4 - 管理ツール編
第1回 現実路線のサーバ管理ソフトウェア
第2回 手軽なWeb管理ツールと強力な専用ツール
改めて知っておきたいRed Hat Enterprise Linux 4 - ネットワークサービス編
第1回 Webサーバの基本「Apache」
第2回 3つのファイルサーバ「NFS & FTP & Samba」
第3回 IPアドレスを管理する「DHCPサーバ」と通信の橋渡し「NATルータ」
第4回 NATサーバに必要なファイアウォール設定とデータベースサーバ、メールサーバ
改めて知っておきたいRed Hat Enterprise Linux 4 - バックアップ編
第1回 オープンソースMondo Rescueによるバックアップ手法
第2回 NetVault for Linuxを使ったバックアップ
改めて知っておきたいRed Hat Enterprise Linux 4 - クラスタ編
第1回 LinuxでもHAクラスタ
第2回 Serviceguard for Linuxでクラスタ環境の管理

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