第1回:VMware関連基礎用語 (4/4)

VMware ESX Server サーバ統合ガイド
VMware ESX Server サーバ統合ガイド

第1回:VMware関連基礎用語

著者:デル   2006/8/2
前のページ  1  2  3  4
カテゴリ分けと対象の特定

   仮想化対象サーバが十数台を越えてある程度の規模になってくると、実際は、インベントリ情報だけではサイジングを行うことは難しい。リスクを最小限に留め、効率的なサーバ統合を行っていくためにも、仮想化対象サーバのカテゴリ分けを行うことが必要になる。

   デルでは、3つの切り口からカテゴリ分け検討を行うことを推奨している。
  1. コスト管理重視
  2. テクノロジー重視
  3. サービスレベル、運用重視

表1:カテゴリ分けの切り口のポイント


1. コスト管理重視

   コンピュータルームに設置してあるサーバ群も、コストオーナーがばらばらの場合も多い。コスト管理重視で、コストオーナー毎にサーバをカテゴリ分けし、仮想化計画を立てるというのもひとつの切り口だ。もちろんランニングコストの観点から、リースアップの時期毎にサーバをグルーピングするというやり方も実際多い。


2. テクノロジー重視

   OSやミドルウェアのバージョン、汎用的なアプリケーションであるか自社開発のアプリケーションであるか、そして仮想化への移行を考えた場合に難易度はどの程度か、などテクノロジー面でカテゴリ分けを行うという切り口もある。

   例えばNTサーバをグループ化する、Cobaltサーバをグループ化する、MetaFrameサーバをグループ化する、Oracle8/8iをグループ化する、など事前検証や技術的な対応策を検討するのには分かりやすく、IT部門のインフラ担当者には整理しやすい方法であろう。


3. サービスレベル、運用重視

   対象サーバのサービスレベルや稼働率、バックアップ要件などからカテゴリ分けを行うのがこの切り口だ。どの程度システム停止が許されるか、稼働率が低いサーバ群はどれか、どのようなポリシーでバックアップ運用をしているか、などを考慮してサーバをグループ分けしていく。

   サービスレベルが低いサーバ群であれば、初めて仮想化技術を導入するユーザーにとっても最小限のリスクで移行できる可能性が高い。また日々の運用を考えた場合にはシンプルな切り口でもある。

仮想化環境モデル
図5:サイジングのポイント
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

1.システム稼働率が低く、リスクの低いサーバの統合
稼働率が低いサーバは統合率が高くなるため、費用対効果が高い
リスクが低い=作業負荷が低い
2.リースアップ機器の統合
OS上の変更点が少なく、移行作業が簡単
既存の仮想インフラが稼働中のため、いつでも移行作業が可能
コスト削減効果が高い
3.データベース等の重要なサーバの統合
ある程度のシステム停止が必要
難易度が高く、データ移行に関してはリハーサル作業を推奨
データ整合性の確認作業が必要
場合によってはシステムの増強作業が必要

表2:3段階でシステム統合作業を実施する場合

前のページ  1  2  3  4

デル株式会社
著者プロフィール
著者:デル株式会社
デルはスケーラブル・エンタープライズ戦略の重要な要素の1つとして、VMware社の仮想化技術を用いたサーバ統合ソリューションを提供しています。業界標準技術を採用した、デルのPowerEdgeサーバとDell | EMCストレージから構成されるハードウェアプラットフォームと、仮想化ソフトウェア「VMware ESX Server」、仮想マシン管理ツール「VirtualCenter」、仮想マシンの無停止マイグレーション技術「VMotion」を組み合わせることにより、柔軟でコストパフォーマンスに優れるサーバインフラストラクチャが構築可能です。

http://www.dell.com/jp/


INDEX
第1回:VMware関連基礎用語
  はじめに
  サーバの仮想化とは
  STEP1:仮想化要件の整理
カテゴリ分けと対象の特定
VMware ESX Server サーバ統合ガイド
第1回 VMware関連基礎用語
第2回 仮想化環境の設計と物理サーバから仮想マシンへの移行方法
第3回 サーバの構成
第4回 インストール時の注意点とチューニングポイント
第5回 SANブート
第6回 ブレード・サーバへの導入
第7回 Dell PowerEdge 1855ブレードサーバのVMware VMotion性能
第8回 ブレードサーバで構築するVMware ESX ServerのVLANネットワーク
第9回 VMware ESX Serverの性能〜ベンチマークテスト
第10回 ブレードサーバのLAMP性能特性とサイジング(前編)
第11回 ブレードサーバのLAMP性能特性とサイジング(後編)
第12回 メール・プロトコル環境における仮想CPU(導入編)
第13回 メール・プロトコル環境における仮想CPU(仮想化CPU機能編)
第14回 メール・プロトコル環境における仮想CPU(リソース管理編)
第15回 デュアルコア・サーバによるVMware ESX Serverの性能向上

人気記事トップ10

人気記事ランキングをもっと見る