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VMware ESX Server サーバ統合ガイド
VMware ESX Server サーバ統合ガイド

第5回:SANブート

著者:デル   2006/8/16
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はじめに

   今回は、VMware ESX Server 2.5.1環境化で、ファイバチャネルストレージ(DELL|EMC CXシリーズ)接続およびSANブート接続した際の、推奨構成を解説します。

SANブートとは

   SANブートは、サーバの内蔵SCSIやATAなどのHDDからのOSブートではなく、ファイバチャネルストレージのLUNよりOSブートを行う構成です。ファイバチャネルストレージにBootディスクを配置することで、サーバ障害が起こった際に、他のサーバに切り替えてOSブートを行うことが可能となり、早期の障害復旧を行うことが出来ます。

   また、ファイバチャネルストレージにBootディスクのLUNを配置しているため、高信頼性を確保することが可能となります。


VMware ESX ServerにおけるSANブート

   VMware ESX Serverは、Version2.5よりSANブートがサポートされています。サポートストレージおよび構成の詳細は、下記URLを参照ください。



DELL|EMC CXシリーズにおけるSANブートのサポート

   DELL|EMC CXシリーズでは、ストレージFlareコードにより構成・ドライババージョンなど、EMC社にて認定されています。詳細はEMC Support Matrixを参照ください。



VMware ESX ServerによるファイバチャネルストレージのPathの管理

   一般的なSAN構成は、HBA1枚に対して、複数のPathを確保(1:nのゾーン設定)してPathやI/Oの分散を行います。これは、Path障害に対してPathの切り替え(フェイルオーバー)やI/Oの分散(ロードバランス)を行うことが目的となっています。


VMware ESX Serverと一般OSでのPathの管理の相違点

   VMware ESX Serverは、単独でファイバチャネルストレージのPath管理機能を持っています。そのため、DELL|EMC CXシリーズで使用されているPowerPathとは、一部機能が違います。

  • ESX Path管理フェイルオーバー(Active/Passive)
  • PowerPathの管理フェイルオーバー&ロードバランス

表1:ESX PathとPowerPathの機能

   LUNはそれぞれストレージプロセッサ(以下SP)AおよびBに配置し各HBAよりデータアクセスを行っています。VMware ESX Serverの場合、Data1はHBA1より1つのPath(赤実線)よりアクセスしています。仮に、SPの障害でData1がSP_Bへ移動(Tress Path Data1 → Data2)した場合は、HBA1より切り替わりPath(青実線)でアクセスが継続されます(図1)。

VMware ESX Server
図1:VMware ESX Server

   それに対して一般OS(WindowsおよびLinuxホストを想定)は、Data1に対しては、HBA1および2の両方のPath(赤実線)からI/Oのロードバランスを行いながらアクセスいたします。また、同様にSP_Bへ切り替わった場合、Data2に対してHBA1および2の両方のPath(青実線)からアクセスが継続されます(図2)。

一般OS+PowerPath
図2:一般OS+PowerPath

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デル株式会社
著者プロフィール
著者:デル株式会社
デルはスケーラブル・エンタープライズ戦略の重要な要素の1つとして、VMware社の仮想化技術を用いたサーバ統合ソリューションを提供しています。業界標準技術を採用した、デルのPowerEdgeサーバとDell | EMCストレージから構成されるハードウェアプラットフォームと、仮想化ソフトウェア「VMware ESX Server」、仮想マシン管理ツール「VirtualCenter」、仮想マシンの無停止マイグレーション技術「VMotion」を組み合わせることにより、柔軟でコストパフォーマンスに優れるサーバインフラストラクチャが構築可能です。

http://www.dell.com/jp/


INDEX
第5回:SANブート
はじめに
  VMware ESX ServerでのPath障害の動き
  VMware ESX ServerでのSANブート環境による問題
  DELL|EMC CX側の設定