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| IT側と経営者のギャップ | ||||||||||||||||
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今、経営者がITについてもっとも頭を悩ませているのは、高価なITを導入しても、必ずしも経営状態がよくならないことではないだろうか。メインフレームが数十億円もした時と比べれば、かかるコストは下がってきたとはいえ、それでもちょっとしたシステム導入になると数百万〜何千万という高額な出費になってしまう。 この投資の回収がなかなか進まなかったり、導入時に狙った効果がでないことが顕著になるにつれ、経営者の悩みは深くなっていく。 この問題について、今までIT側からは次のような解決策を提示しててきた(表1)。
表1:ITの打ち手 つまり、最初はIT技術に着目し、次にネックとなる仕様上の問題を解決。さらに、IT部員のスキル問題という順に対策を練ってきた。そして現在は、残るマネジメントの課題がターゲットになっているわけだ。 ただし、これらすべてを実践できても、依然として経営者のITへの期待感と、完成したITとのギャップは埋まっていないようだ。それは、ガートナージャパンやIDCなどのリサーチ会社が、経営者のITに対する期待とその充足度を毎年調査し、公表している結果にあらわれている。 それによると、何もしない企業よりも手を打ってきた企業の方がITに対して、満足度は高くなっている。だが、対策を施してきた過半数の企業でも現状にはまったく満足していないという状況だ。 |
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| IT化の効果がわからないといい続ける経営者 | ||||||||||||||||
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筆者の会社ではどうかといえば、前述のような解決策を講じてきてはいる。それでも、経営者が満足しているかというと、答えはやはりNOだ。相変わらず、「経営ニーズにITは応えていない」「IT化のメリットがわからない」といわれ続けている。 経営計画とIT化計画の整合性を確保していても、彼らの満足度はさして向上していないようだ。これにはいくつかの原因があるが、結局のところは彼らが「IT化」の意義を十分に認識できていないことに起因すると考えられる。実際、経営者はITに対して次のような現実離れした感覚を持っている。
表2:経営者の要求レベル これでは、いくら経営計画にそったIT化を実施したところで、それ以上の効果を「期待」しているのだから、話は噛み合わないし、満足度も高まらないのだろう。 だが、これを経営者の妄想として片づけることはできない。彼らは経営者、常に上を目指し、あくなき挑戦を続けており、要求は止まることを知らないのが普通だ。 今、ここで必要なのは、「身の丈経営」への「気づき」なのだ。 「明日・来年のことを考える経営者」と、「今をどうするかを念頭に置くIT部門」とでは、当然、スタンスや考え方が異なってくる。また役員間でも、置かれた環境や経験が違うので、ITに関する見解が大きく分かれる。 つまり、IT戦略書といった紙切れ1枚で簡単にコンセンサスが取れるほど簡単ではない。とはいえ、稟議説明などの限られた時間内では、限定的なコミュニケーションになるので真の理解は得がたい。 |
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