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| アウトソーサーの目的 | ||||||||||||||||
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まず最初に、IT業界におけるアウトソーシングの目的を考えてみよう。広義に解釈すれば次のようになる(図1)。 1はASPサービスや、サーバのハウジング/ホスティングといった、自社にはないIT資産を社外から調達することを指す。2は、パンチャーやプログラマの派遣など、いわゆる労働力を社外から調達すること。3は、システム運用や設計の委託といった、労働力の社外調達はもちろんのこと、一定以上の「責任」の負担を要求しつつ「成果」の創出までも依託するものだ。 1や2は、よほどぞんざいな計画を立てない限り、失敗するものではない。というのは、対価が明確であり固定的な内容であるため、良し悪しの判断がつきやすく、コストの透明性が高いので費用対効果を事前に算段できるからだ。 現在、最も物議を醸しているのが3のタイプだろう。昨今はITが高度化し、対応要員の育成が困難となってきている。そのため、この種のアウトソーシングを有効活用できるかどうかが、企業におけるIT活用成否のポイントとなる。 実際、「品質が良くなった」「本業に集中できた」といった成功の声がある一方、意外に失敗事例が多いことにも驚かされる。以下、失敗した企業から聞かれる声をピックアップしてみた。 |
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| 従来よりITコストが増加 | ||||||||||||||||
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社内人件費を含めたITコストを削減するためにアウトソーシングを断行。ところが、はじめの1〜2年は少し安くなったが、その後は徐々に費用が増加するようになった。 |
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| 融通が利かなくなった | ||||||||||||||||
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開発や運用業務をアウトソーシングしたものの、社内各部門とアウトソーサとの関係が妙にビジネスライクになってしまい、いざというとき融通が利きにくくなってきた。 |
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| ブラックボックス化が進んでしまった | ||||||||||||||||
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はじめのうちは、アウトソーシングした仕事の内容や、意思決定コントロールが自社で可能だったため、不安はなかった。それが、互いに要員が入れ替わったり、改善・改良が進むうちにアウトソーサのアウトプットでしか状況判断できなくなった。そのため、対応内容に首をかしげることや、ベンダーのいいなりにならざるを得ない状況が増したというもの。 |
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| 発注者とアウトソーサに起因する課題が存在 | ||||||||||||||||
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こうした結果を招いている背景には、発注者とアウトソーサそれぞれに起因する課題が存在する(図2)。例えば、発注者側には次のような問題がある。
表2:発注者側の問題
一方、アウトソーサ側には以下のような問題が存在する。
表3:発注者側の問題
こうした現状を踏まえて、筆者が考えるアウトソーシング成功のポイントを5つあげる(表4)。
表4:アウトソーシングの注意点 |
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