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> Secure Enterprise Search 日本オラクル:検索性能と機密保持を両立
社内の情報資産を最大限に活用するエンタープライズ・サーチ
第4回:各社エンタープライズ・サーチの機能を見極める
著者:
アイ・ティ・アール 上村 陽子
2006/6/1
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Secure Enterprise Search 日本オラクル:検索性能と機密保持を両立
「オラクル社がエンタープライズ・サーチ製品を出す」というニュースを同社CEOのラリー・エリソン氏自身が東京で発表したことは世界中で大きな話題となりました。同社は以前より全文検索エンジンを提供していましたが、今回、同社が買収したTripleHoP社のテクノロジをベースに開発した新たな製品を提供することで、Notes DBなどOracle社以外のデータソースを含む多岐にわたるデータソースを対象とするエンタープライズ・サーチを実現できるようになりました。
製品名に「セキュア」とあるように、この製品はアクセス権限のないユーザには検索結果を表示しないといったセキュリティ面での機能が充実しています。既存のディレクトリと容易に連携することができますが、Oracle社のID管理製品と組み合わせることで、さらなるセキュリティの強化がはかられるでしょう(図4)。
図4:Secure Enterprise Search
出典:日本オラクル
現在、オラクル社はID管理ソリューションの分野でも製品体系を充実させ、市場での力を強めている最中です。個人情報保護法や日本版SOX法などコンプライアンスの面から、ID管理とアクセス制御は企業にとって避けては通れない課題となっており、この領域を強く意識した製品といえるでしょう。
検索手法にはN-gramを採用(正確にはN-gramを拡張したV-Gram方式)し、製品はGoogleをベースとしたUIを持ち、誰にでも操作が可能な製品です。また、導入/セットアップが容易であり、どのような企業にもあうシンプルな製品という印象です。
KnowledgeMeister 東芝ソリューション:業務に応じて組み合わせ可能な5製品
KnowledgeMeisterは5つの製品で構成されており、その中の「情報収集」「知識共有」の2製品がエンタープライズ・サーチに相当する機能を提供しています。日本初のワープロを提供した東芝ならではのノウハウが製品の日本語処理技術に組み込まれており、意味解析力の高さには定評があります。
製品名に「ナレッジ」がつくことからわかるように、同社のソリューションはナレッジ・マネジメントを深く追求しています。キーワードでコンテンツを探し出すだけでなく、利用者の目的や用途に即した見え方で情報を整理すること、すなわち「情報の体系化・可視化」に重きが置かれており、このコンセプトが具現化された製品となっています(図5)。サーチ製品でありながら、現場の利用者が検索をせずに目的の情報を見つけ出せることに注力した製品ともいえます。
図5:KnowledgeMeister
出典:東芝ソリューション
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
他にも「テキストマイニング製品」「文書管理製品」「コミュニティ機能を提供する製品」と豊富なラインナップを備えおり、さらに同社がSIerとして高い技術力での開発者サポートがある点も同社の強みといえるでしょう。
2006年3月に発表した「KnowledgeMeister Succeed」は「コンテンツの体系化・可視化」からさらに一歩進み、「知識の継承」を目指す製品です。業務を遂行する過程で何を行ったかのプロセス(どの文書を参照し、誰にメールを送ったかなど)を記録し、他のユーザが再利用できるように、非常にきめ細かい機能が組み込まれています。同製品はナレッジ・マネジメントをより深く追求する同社の意気込みが感じられる製品といえます。
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著者プロフィール
株式会社アイ・ティ・アール シニア・アナリスト
上村 陽子(かみむら ようこ)
データウェアハウス、BI、CRM、コンテンツ管理分野の市場調査を担当する。慶応義塾大学理工学部卒業後、ユーザ企業の情報システム部門を経て、1999年より現職。
INDEX
第4回:各社エンタープライズ・サーチの機能を見極める
各企業のエンタープライズ・サーチの比較
SMART/InSight ウチダスペクトラム:未来の情報も収集可能
ConceptBase V ジャストシステム:ワークスタイルを変革する業務支援ツール
Secure Enterprise Search 日本オラクル:検索性能と機密保持を両立