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はじめてのOpenPNE - 社内SNSの意義と活用方法

第6回:社内SNSを広める勘どころ

著者:アウラント  大越 肇   2007/8/23
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STEP3.トップを巻き込め

   身近なところから声をかけ、数十人から数百人規模になったら、会社のトップを巻き込んでいく。社内のリソースを使うので、当然トップに認めてもらう必要があるのだが、認めてもらうことができれば、これは全社員に相当なインパクトを与えることができるはずだ。

   もしトップが登録して普段の考えていることや日頃の食事のこと、ゴルフのことなどを書き込むことで社員とトップの距離が近くなり、それが会社への忠誠心がつながるに違いない。

   ただ会社によっては、なかなかトップがSNSについて理解を示さないこともあるだろう。その時のためにある程度の既成事実化は必要かもしれない。STEP1とSTEP2で、ある程度の社員は使っているわけなので、今更、止められないというのを口実にする方法も考えられる。

   さてトップがSNSに参加する時に気をつけるべき点は、SNS内に社内ヒエラルキーを持ち込まないことである。SNS内では、会員間はフラットであることが望ましい。SNSは気楽だからこそ書き込めるものにしていかなければならないのに、主任とか部長とか社長ということで、書き込みの内容に対してプレッシャーをかけるとせっかくのSNSも無駄に終わってしまう。あくまで日報などの報告書では書かないことや、まだ固まっていない企画をざっくばらんに議論するための雰囲気を作っていくのが重要なのである。

   トップ自らが積極的に日記にコメントをつけたりと参加することで、社員には見られているという適度な緊張感が働き、良質なコミュニティへ発展すると考えられる。逆にトップが参加していないと、そこは会社への不満のはけ口となり、まるで居酒屋での愚痴のこぼしあいになる可能性もある。トップが書き込みに反応することで、社員はよりよい情報を発信しようとするのではないだろうか。

STEP4.社内総会で発表せよ

   社内総会などの社員が一同に集まる場所でSNSの告知をすることにより、それは全社的なものになる。なぜ、これを最初にやらないかというのは次の理由からである。

   多くの人は、何も書き込みのないSNSに登録したところで、そこに何を書いていいのかはわからないだろう。そのSNSという空間内の雰囲気のようなものを事前に作る必要があり、よって全社告知をこの段階に持ってきている。

   これは、SNS全般的に言える法則のようなものなのだが、SNSを運用する上でウォーミングアップが必要なのだ。


発表上の注意!

   社員総会のようなところでは、あまり多くの機能は説明しない方がいいだろう。それよりも、素晴らしさや理想を述べるべきだ。mixiが広まりをみせるなど、社会的にSNSの認知が高くなったとはいえ、多くの人にとってSNSの機能は多すぎて使いこなていないのが現状なのかもしれない。

   そういったことを踏まえて、参照できる項目は多くても発信の仕方は1つか2つがよい。なぜなら、SNSでは発信することよりも他人の書いた情報を参照することの圧倒的に多くなるからだ。それと、情報を発信するということに不慣れな人の多くは、彼らにあれもこれもできますと言っても、結局のところ何をしていいのかわからなくなる。よって、発信は「日記」と「コミュニティ」ぐらいからはじめてもらうのがよい。

   「何か書きたくてログインした時はとりあえず日記に書く」というような感じではじめるのだ。慣れてくると楽しくなり、自然と他のボタンが気になり多くの機能を使いこなせるようになるに違いない。

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合同会社アウラント 大越 肇
著者プロフィール
合同会社アウラント  大越 肇
2006年5月11日(大安)に会社設立。前職よりSNS企画・開発・運営にプロジェクトマネージャーという立場で携わる。現在は、Web上のコミュニティに関する企画や要求開発から運用・運営までの業務に携わりつつ、大学の教壇に立つこともある。

アウラント
http://www.owlant.com


INDEX
第6回:社内SNSを広める勘どころ
  社内SNSの認知を高めるためには?
STEP3.トップを巻き込め
  社内にSNSを広めるための勘どころ