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TOMOYO Linuxメインラインへの挑戦
第1回:熱い言葉に背中を押されて 話者:NTTデータ  原田 季栄   2007/9/21

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強力な後押しとなったYLUG「TOMOYO Linux Night」

— その後、YLUGカーネル読書会で講演されていますね


原田氏:YLUGは「Yokohama Linux Users Group」の略で、国内でももっともアクティブなLinuxユーザによるコミュニティのひとつです。YLUGでは「カーネル読書会」というイベントを開催し、タイトルにある「読書」に限らず、活発な技術交流を行っています。おそらく国内のLinux開発者でYLUGカーネル読書会を知らない人はないでしょう。

このカーネル読書会を主催されている吉岡氏から「TOMOYO Linuxについて紹介してもらいたい」というお話をいただき、企画したのが「TOMOYO Linux Night、開発者が語るTOMOYO Linux」というイベントです。
TOMOYO Linux Nightで講演する原田氏
図2:TOMOYO Linux Nightで講演する原田氏

横浜Linux Users Group、「TOMOYO Linux Night(開発者が語るTOMOYO Linux)」を開催
http://www.thinkit.co.jp/free/news/0702/9/4.html

TOMOYO Linux Night(開発者が語るTOMOYO Linux)
http://sourceforge.jp/forum/forum.php?forum_id=11093

それまでTOMOYO Linuxとして行ったほとんどの講演会では私が資料を説明し、デモを行っていました。しかしこのイベントでは新しい試みとして、開発者自身による技術紹介を前面に押し出しました。これは、Linux技術集団であるYLUGメンバーであれば技術者同士の交流が有意義だろうと考えたからです。

イベントは忘れもしない2007年2月8日に開催されました。私は導入部分と質疑だけ対応し、それ以外はTOMOYO Linuxの開発者である半田氏、LSM(Linux Security Modules)への移植を行った武田氏、そしてEclipse GUIを開発した平坂氏の3名がそれぞれの担当箇所を説明し、デモを行いました。

60名を超えた参加者はスクリーンの前面にかぶりつきで、技術者らしい質問や議論が続きました。過去開催したセミナーや講演の中でも、特に技術的に充実した内容となりましたが、そのあとの質疑が大変なことになりました。


「熱い意見が飛び交った」YLUG会場

— 私もその場にいましたが「メインライン化せよ!」という強い声に驚きました
原田氏:CELFのときは、まだ控えめに「メインラインに挑戦してみては?」というトーンでした。しかしYLUGでは「なぜここまでやってメインラインに挑戦しない?」「コミュニティに顔を売るべきだ!」「開発に命をかけているのか?」と、きわめて「熱い」ご意見が続きました。

吉岡氏のブログでは「原田さん、たじたじである」と書かれていますが、確かに実際たじたじでした。

みらくるBlog ユメのチカラ
http://blog.miraclelinux.com/yume/2007/02/tomoyo_linux.html

一通り激励が終わった後、吉岡氏がニヤニヤしながらこんな発言をされました。

「とても偶然なんだけれど、今年のオタワ(Ottawa Linux Symposium、通称OLS)の投稿期限は今日だったけれど、一週間延びたんだよね」


その延びたわずか1週間で、まったく準備をしていない状態から、Linuxの唯一にして最大の開発会議に挑戦しろというのです。吉岡氏は日頃は紳士な方ですが、ニヤニヤしながらこう発言されたとき、私は正直「鬼」だと思いました(笑)。カーネル読書会は飲み会が必須なのですが、「激励」というか「指導」は飲み会でも続き、なんというか大変な1日でした。


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第1回:熱い言葉に背中を押されて
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強力な後押しとなったYLUG「TOMOYO Linux Night」
  挑戦の決断