第14回:顧客視点のサービスを見える化する「ピーエスシー」 (3/3)

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第14回:顧客視点のサービスを見える化する「ピーエスシー」
2007/12/25

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ThinkITが分析する 優良企業の見える化 ピーエスシー

株式会社ピーエスシー 関 信彦氏
株式会社ピーエスシー
執行役員 CTO 兼
新規事業推進室 室長

外資サーバーメーカーとソフトベンダーでシステムアナリスト、プロダクトマネージャ、プロダクトマーケティングという職域で日本のITビジネスに長年携わる。2006年7月より現職。現在、次世代に向けた事業の立ち上げ、推進役にIT技術の視点だけではなくサービスビジネスおよび経営の視点を持って携わる。

PSCクレドカード PSCクレドカード
PSCクレドカード
ピーエスシーの理念が書かれたPSCクレドカード。社員は常にIDカードと共に持ち歩いている


「ピーエスシーのこれから」を見える化!
ピーエスシーがチャレンジする3つの柱
Question9 これから転職される方が挑戦することになるであろう、今後のビジネス展開について教えてください
関氏   まず従来からのITサービスの範疇では、パートナーシップを築いているマイクロソフトやシスコとのビジネスが1つの柱としてあります。この領域でも新たな技術の導入とピーエスシーとしてのサービス化を施し市場への投入が重要でしょう。さらにピーエスシーでは仮想化の技術に着目してVMWareのパートナーとして活動をはじめエンジニアを育成しています。

   続いて新しい次世代型のビジネスとして「Webコンサル」と呼ぶ領域があります。これはバックエンドのビジネスとは異なり、フロントエンド、つまり顧客にとってセールスやマーケティングをWebサイトの構築やコンサルティングを通じてサポートすることを目的としたものです。

   前述のパワースタジオには、今デザイナーやディレクターが集まって、クリエイティブな仕事をしている最中です。この分野は今後もマーケットとして伸張していくので、非常に有望なビジネスだと考えています。

   さらに、IT業界における新しいソフトウェアのあり方を考え、SaaSにも取り組んでいます。ピーエスシーとしては「P-BERRY」というブランドでグループウェアの配信型サービスを展開しています。さまざまな業態の企業から一緒にビジネスができないか、といったアプローチをいただいており、ここについても有望な領域の1つであると考えています。


Question10 そういった成長する分野で必要な人材は?
関氏   伸張するような事業分野において、新しいメンバーというのは活躍する領域が沢山あると思います。未経験者はもちろん経験者を含め、ピーエスシーでは幅広く迎え入れる準備をしているところです。

   これまでの10年間「現状を否定するところからはじめよう」というポリシーを持って、常に新しいことにチャレンジしています。今のまま、というのは本当に耐えられないことですし、たぶん3年先をみても今のままではないでしょう。

   今ピーエスシーは、サービスに軸がある会社です。その仕事は常に顧客とのコミュニケーションからスタートします。そういう点ではコミュニケーション能力を持った人こそが、ピーエスシーが求める人材だといえるでしょう。

Question11 チャレンジ精神があれば未経験者でもかまわないのでしょうか?
関氏   はい。未経験者に対するプログラムはかなり手厚いと思っています。業種を問わず、スピリッツな面で「能力」が優れていれば、資格を取得し、キャリアをつんでいくことができます。

   「能力」というのは長年、一人一人の個人が長年自分で培ってできたきたものです。それは尊い部分ですし、そこを評価します。しかし「技能」の面は、業界の進歩によって廃れてしまうこともあるのです。そういう意味で、普遍的な「能力」を重視し、必要な「技能」は何かのタイミングで取得すればよい、というコンセプトなのです。


コミュニケーション能力がライセンス
Question12 最後に転職を希望される方へのメッセージをお願いします
関氏   ちょうど今、ピーエスシーの中で起こっている、私が側面支援をしている事業部のエピソードを例にしてお話します。

   その事業部の責任者は、システム運用に関する仕事を長年勤めてきた経験者で優秀なマネージャです。そこには彼をサポートする技術経験のあるのメンバーも参画しています。一方で、IT業界の未経験者や昨年入社したばかりの新人もいます。

   あたらしい事業のため、日々さまざまな課題にぶつかります。そこでディスカッションが行われるのですが、例えば新人の営業は「顧客にこういうことを言われたのですが、サービス提供可能なのでしょうか?」といったありきたりな質問を持ってきたとします。

   経験者の側は、そういった業務やサポートを行ってきたメンバーなので、新人の指導を適切に行います。その中で、新人は非常に早いスピードで課題対応能力をアップしていくわけです。

   「自分自身じゃ解決できない」「じゃぁ、どうしましょうか」といったときに、ディスカッションがはじまります。私はそれを側面で見ていて「ああしよう」「こうしよう」と敢えてわざと発言しないようにしています。理由は、彼らすべてが「それぞれの答えを持っている」からなのです。

   新人はもちろん、未経験者、先輩、上司、リーダーもそれぞれが答えを持っています。そのコミュニケーションの中ででてきた答えが一番だと考えています。あの時はこうやった、この問題は皆で解決した、という記憶と経験を残すことが重要なのです。そういった環境がピーエスシーにはあります。

   ただし、この環境に馴染むには「何が問題かを的確にあげる能力」や「こんな風にしたいという意思」が重要です。それがなくては、これの環境は成立しないのです。

   ぜひ、この環境に入るための「コミュニケーション能力」や「意思を伝える信念」といったライセンスを携えた人と、ぜひピーエスシーで一緒に働きたいと思います。


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INDEX
第14回:顧客視点のサービスを見える化する「ピーエスシー」
  ピーエスシーがこれまで手がけてきたことについて教えてください
  仕事に対するモチベーションを高めるために、日ごろから行っていることを教えてください
これから転職される方が挑戦することになるであろう、今後のビジネス展開について教えてください
ThinkITが分析する 優良企業の見える化
第1回 見える化を推進するハイレベルな技術者集団「豆蔵」
第2回 検索結果を見える化する「マーズフラッグ」
第3回 blogと検索を軸に「革新的なサービス」を見える化する「ドリコム」
第4回 「顧客企業が本当にして欲しいこと」を見える化する「エルテックス」
第5回 「ユビキタスとは何か」ということを見える化する「ビートラステッド・ジャパン」
第6回 データベースだけではなく「次世代の企業システム」を見える化する「日本オラクル」
第7回 オフィスは見えるがスタッフの姿は見えず「Oracle専門サービス業」を生業とする「アゲハ」
第8回 「システムの現場」を見える化する「ウルシステムズ」
第9回 「検索ポータルの舞台裏」を見える化する「Google」
第10回 「マイクロソフトソリューション」を見える化する「アバナード」
第11回 「ユーザフレンドリーな検索」を見える化する「Baidu(百度)」
第12回 「社員のスキルアップ」を見える化する「ニスコム」
第13回 企業ビジネスから顧客の望みを見える化する「オージス総研」
第14回 顧客視点のサービスを見える化する「ピーエスシー」

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