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デバッグ機能
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NetBeans 5.0とEclipseには充実したデバッグ機能が備わっています。それぞれのブレークポイントについて比較してみましょう。
ブレークポイントは、NetBeans 5.0とEclipseともにオプションを設定できます。オプションを指定することによって一定の条件を満たした場合にブレークさせるなど、多彩なデバッグを行うことが可能です。指定できる条件は表4のようになります。
機能名 |
NetBeans |
Eclipse |
ヒット・カウント |
× |
○ |
条件指定 |
○ |
○ |
表4:ブレークポイント設定一覧
また、ブレークポイントを設定できる種類は以下のようになります。
機能名 |
NetBeans |
Eclipse |
行 |
○ |
○ |
メソッド |
○ |
○ |
例外 |
○ |
○ |
変数 |
○ |
× |
スレッド |
○ |
× |
クラス |
○ |
○ |
表5:ブレークポイントの設定
ステップ操作では、両者ともほぼ同様な機能を実現しています。しかしNetBeans 5.0には「フレームにドロップ」機能(注3)がないのが残念です。
機能名 |
NetBeans |
Eclipse |
ステップイン |
○ |
○ |
ステップオーバー |
○ |
○ |
ステップリターン |
○ |
○ |
指定行まで実行 |
○ |
○ |
フレームにドロップ |
× |
○ |
表6:ステップ操作
※注3:
フレームにドロップ機能とは、現在のスタック・フレームに再入することができる機能です。
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総評
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全5回にわたってNetBeans 5.0とEclipseを比較してきましたが、いかがでしたでしょうか。
Eclipseにはプラグインが多数用意されており、必要となるプラグインを投入すれば様々な開発ができることが魅力です。また、C、C++、Perl、Python、Rubyなどの多くの開発言語にも対応しています。
しかし、プラグインの多さが逆に利用の難しさにもなっており、プラグインの知識を持ち合わせ、適材適所で使用している人とそうでない人では作業効率にかなりの差がでてきます。例えば、本連載で使用したEclipse WTPについて、知らなかった方も多いのではないでしょうか。
Eclipse WTP以外にもテスト向けプラグインのEclipse TPTP(注4)や帳票プラグインのEclipse BIRT(注5)など、Eclipseプロジェクトが提供している便利なプラグインがあります。しかし、Eclipseプロジェクトで提供しているプラグインでさえ、きちんと理解して利用している例はあまり多くありません。
一方、NetBeans 5.0は一般的に使用する機能が標準でカバーされていますので、開発者間でのモジュール利用による開発効率の差は、Eclipseの場合に比べて少ないといえます。
このように標準で多くの機能を備えており、プラグインの選定が不要なことがNetBeansの魅力の1つになるので、これからIDEを利用する人にとっては、NetBeans 5.0が選択肢の1つとなるではないでしょうか。
最後に、EclipseからNetBeans 5.0への乗り換えについてですが、使いなれた環境から移行するには、何らかの大きなメリットが必要となります。GUIツールについてはNetBeansの「Mattise」の方がEclipseのVisual Editor(注6)よりも使いやすいですが、それを除くとEclipseから乗り換えるだけのメリットはないというのが個人的な感想です。
このように無償で高機能な開発環境が利用できるという状況も一昔前には考えられないものでした。すでにデファクトスタンダードとなっているEclipseさえ知っていればよいという考え方もありますが、複数の選択肢があるということは利用する側にとって大きな意味を持つといえるでしょう。
これからもNetBeans、Eclipseともに日々改良がなされていき、IDEごとの特色・メリットが出てくることでしょう。1つのIDEにこだわらず、開発するシステムごとにどちらのIDEがより開発しやすいかを検討して、IDEを用途別に利用するというのも良いのではないでしょうか。
本連載が開発環境選択時の1つの指針となれば幸いです。最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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著者プロフィール
株式会社ビーブレイクシステムズ 山下 広人
オブジェクト指向技術コンサルタント
前職ではミッションクリティカルなシステム開発に従事。システム寄りな知識だけではなく、業務関連の知識を身に付けるべく会計・簿記を学び、その知識をいかすために会計システム構築ノウハウのあるビーブレイクシステムズに転職し、現在に至る。
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