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バックアップ・ソリューションの選択基準
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第10回:今後のバックアップに対する期待と現実

著者:バックボーン・ソフトウエア  青木 浩朗   2005/5/20
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ディスクへの集約型バックアップ

   理想論は置いておき現状について考えみます。IAサーバの低廉化が進んだ今、5万円で購入できる小規模サーバに、数倍の価格がするテープ装置や商用バックアップソフトが普及するとはとても思えません。バックアップはしたいが、あまり予算はかけられない…、そんな要望をかなえる方法はないのでしょうか?

   このような状況の中で普及の兆しを見せるのが、1台のバックアップサーバに安価で大容量なディスクストレージを接続し、複数のサーバのデータを集約的にバックアップする方法です。ディスクからディスクへのバックアップであれば個々にハードウェアの接続を必要とせず、バックアップクライアントのようなエージェントを導入することによって安価にシステムの構築をおこなえます。


Data Protection Manager

   商用のソリューションでは既にリリースがはじまっており、Microsoft社もData Protection Serverという名称で既にリリースすることを発表し、新たな分野のサーバソフトウェアの登場として注目を集めました。現在はData Protection Manager(DPM)という名称で情報が公開されており、USではβ版がリリースされています。


   DPMは複数のActive Directoryを構成しているサーバを一括でバックアップすることができるようになっており、Active Directory上のデータが失われた場合には、それを利用している通常のWindowsクライアントからでも復旧できるというのが1つの特徴になっています。

DPM説明図
図1:DPM説明図

   保護グループを作成することで、スケジュールに従って定期的に同期をおこなうようになります。同期をおこなうと保護の状態が確認できるようになり、回復機能を使って指定時点に復旧ができるようになります。

DPMの保護の設定
図2:DPMの保護の設定
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   DPMの仕組みはとても良いのですが、DPMに格納されたデータはあくまでハードディスク上にあり、そのデータ保護する場合は商用バックアップソフトウェアを使用することが推奨されています。残念ながら、Active Directoryを使用した環境のみをサポートしているため、Windows以外のOSが混在している際には使用できないようです。

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バックボーン・ソフトウエア
著者プロフィール
バックボーン・ソフトウエア株式会社  青木 浩朗
ストレージ専業ベンダーにて、SEおよび企画を担当した後に、2001年にBakBoneSoftware入社。主に大手ベンダーのSEを担当しながら、テクニカル・マーケティングとして、各種講演や執筆活動を行っている。最近は、特にデータベースとクラスタリングに注力し、検証レポートを作成するのをライフワークとしている。


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第10回:今後のバックアップに対する期待と現実
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