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| 解答 | ||||||||||||
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例題も含めて、解答を表9に記載する。 これはただ計算しただけで、Excelに計算式を入れておけば簡単にだせる。表を見てもイメージがわかないので、図4にスケジュール指標とコスト指標をプロットしてみた。 ![]() 図4:ブルズ・アイ・チャート これはSPIとCPIを統合したチャートで、ブルズ・アイ・チャートと呼ばれる。ケースCの場合はコスト/スケジュールともに順調という結果であることがわかる。ケースAはスケジュールが少々遅れているが、コスト効率はよいので挽回は可能なように思える。 ケースBの場合ではスケジュールは順調だが、コスト効率が少々悪い。頑張れば納期には間に合いそうだが、利益を確保するには開発効率の改善を検討した方がいいだろう。実際問題として、月〜金の8時間で作業が終わらないため、深夜まで残業している状況を思い浮かべるのではないか。 おにぎりなどの差し入れは上長のポケットマネーでまかなったとしても、深夜の残業代は割高であり、さらにタクシーで帰宅というようなことが毎日続けば相当な金額になってしまう。このまま放置してよいはずがない。 |
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| 分析数値のトリック | ||||||||||||
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ここで注意しておきたいのは、ここに表示される結果は丸められている(様々なデータの合計値)ということである。この例題ではすべて同レベルのプログラムを作成することにしたが、実際にはそのようなことはあり得ない。 例えば基幹となるプログラムの開発の効率が悪く遅れているのだが、その他のプログラム開発がスケジュール/コストともに予想以上の結果をだしているために、ブルズ・アイ・チャートは「安泰」という結果をあらわすこともあり得る。本当は非常に危険な状況だとしてもである。EVMの結果がよければ必ずしも安泰というわけではないことは認識しておいていただきたい。 逆に、SPI・CPIが1以下だとしても特に改善策が必要でないケースもあり得る。すでに改善の傾向が見られる場合であるが、次回の「データ推移から読み取る傾向」で取り上げることとする。 EVMの管理指標であるSPI・CPIは、通常下2桁まで扱うことになるが、今回の説明を通じて、勘のよい読者の方は、この数値がベースラインに大きく依存していることにお気づきのことと思う。ベースライン(見積り)が異なれば、指標も完了予測も大きく異なってくるのである。 次回はEVMによって導出したデータの推移からつかめる傾向およびベースラインの作成・出来高計上基準について解説する。
参考文献
平成14年度情報技術・市場評価基盤構築事業 EVM活用型プロジェクトマネジメント導入ガイドラインの作成 情報処理振興事業協会 |
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