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ながさきITモデルへの参画 〜 地場SIerの官公庁システム開発奮戦記
ながさきITモデルへの参画 〜 地場SIerの官公庁システム開発奮戦記

第4回:ソースコードの公開と脆弱性問題との戦い
著者:ドゥアイネット   穴井 春奈   2006/5/24
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オープンソースとしてソースコードを公開

   2005年10月、それまで当社が開発してきたシステムのソースコードがオープンソースベンダーフォーラム長崎(以下、OSVFN)を通して、Webサイト上に公開された。

   OSVFNとは社団法人 長崎県情報サービス産業協会(NISA)の管轄の元に、協会の会員・非会員を問わず有志によって構成されている組織である。その目的としては、次のようなものがあげられる。
  • 長崎県から提供を受けたオープンソースソフトウェアの管理を行う
  • オープンソースソフトウェアの利用促進をはかる
  • オープンソースソフトウェアに関連した技術の研究を行う

表1:OSVFNの役割

   地方自治体のシステムをオープンソースとして公開するという新しい試みは、全国的に注目が寄せられた。この取り組みはながさきITモデルに基づくものであり、次のような意図から考えられたものであった。

  • 市町村に先駆けオープンソースを用いた安価で効率的なシステム開発を行う。
  • システムの設計書となる詳細な仕様書を作成し、システムがどのように作られているのか明確にする
  • 県が作成したシステムをオープンソースとして公開する

表2:ながさきITモデルにおける県庁の役割

   また地場企業への役割として、以下の2つがあげられた。

  • オープンソースの提供を受け、これを研究して他県/他自治体へ営業する上での武器とする
  • 変更点/修正点などを公開するとともに、オープンソースを維持する

表3:ながさきITモデルにおける地場企業の役割

   地方自治体の財政状況は年々悪化するばかりである。今後、多額の情報投資に関する予算を確保するのは難しくなると考えられる中で、県が先行して構築したシステムを市町村が活用できるとなれば、コスト削減に大いに役立つことだろう。

   また企業にとっては、長崎県をモデルに構築したシステムのノウハウを持って、他県へ展開していくことも考えられる。長崎県庁で勤務する約6,000名の職員が使用している実績を考えれば、システムの信頼性も評価していただけるのではないだろうか。

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株式会社ドゥアイネット  穴井 春奈
著者プロフィール
株式会社ドゥアイネット   穴井 春奈
システム技術部2課 チーフ。
前職は一般事務。もっと自分にしかできない仕事をしたいという思いから転職を決め、ドゥアイネットに入社して4年。現在は長崎県電子自治体プロジェクトに携わり、設計から開発までをこなす。

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第4回:ソースコードの公開と脆弱性問題との戦い
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