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13年間のノウハウと柔軟なサポートサービス - ProActive

2006年5月23日(火)
大八木 智

「ProActive E2」の構成とコンセプト

「ProActive E2」は財務会計、管理会計、債権管理、債務管理、資金管理、手形管理、固定資産管理、リース資産管理、販売管理、購買・在庫管理、人事、給与の12の業務システムから構成されている(図2)。


「ProActive E2」モジュール関連図
図2:「ProActive E2」モジュール関連図
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

この12の業務システムは当然のことながら、前述の製品コンセプトに準じて作られている。例えば「コンプライアンス体制の構築」を実現するために、 各業務・伝票で必要となる承認行為には、導入各社の決裁権限規定を反映して電子承認・決裁を実現する伝票承認などのワークフロー機能を標準装備している。

「リアルタイム経営」「経営の可視化」を実現するために、各業務伝票入力の際には取引内容だけでなく、管理情報やプロジェクト情報、ユーザ独自の分析項目を付加でき、その登録内容を会計システムへリアルタイム連動させている。

また具体的に設定可能なセグメント情報を最大で29項目とするなど、従来の「ProActive」シリーズの製品と比較しても大幅に増やしたことで、多面的に「現在の姿」をリアルタイムで把握可能となる。

特長的な機能

そうなると気になるのは、個々の業務システムで一体どの程度のことが行えるのかということだろう。次に「ProActive E2」の各業務システムの中でも、いくつか特長的な機能について説明したい。

「ProActive E2」の「財務会計システム」は、日々の伝票入力から決算までをサポートするシステムだが、その中で特にセキュリティ機能を強化させている。これにより、収集したデータの改ざん防止を実現することができる。

またセキュリティは組織図に準じて各人の利用可能データを制限するだけでなく、利用可能な勘定科目を制限し、不必要に会計データに触れることができ ないようにしている。こうして財務会計で集めたデータを管理会計で現状把握をすることになるのだが、「管理会計システム」は豊富な標準帳票出力機能と財務 会計システムとは別に利用可能な勘定科目のセキュリティを設定することを可能とした。

特に判断資料として必要な期間別、取引先別といった各種セグメント別の管理帳票は数十種類出力可能としている。また、グループ企業を含めた複数会社で利用した場合には、当然各社の予実対比状況を一目で判断できるような帳票も用意している。

その他、「債務管理システム」の中に法人向けの支払だけではなく、社員の立替経費精算の機能を標準機能として持たせ、「資金管理システム」を新しく ラインナップに加えている。「ProActive E2」では各企業のキャッシュイン・キャッシュアウトの予定をリアルタイムで把握できる機能を提供するなど、従来の「ProActive」シリーズと比較 しても、多くの要望・ノウハウを詰め込んだシステムとなっている。

また「ProActive E2」の各業務システムの共通部分となる機能には、前述の電子承認機能以外にも、各種帳票出力やバッチ処理の実行時間を指定できる機能や各業務システム担当者間のコミュニケーション機能を保有している。

これは翌日必要な資料を大量にアウトプットしなくてはならない場合にスケジューリングしておき、業務の省力化を実現することや組織改正や決算といっ た各担当者の連携が重要となる業務手順を情報共有し、スムーズな業務遂行を実現するのに役立てることができる。こうした通常の業務機能ではないが、ちょっ としたお役立ち機能も標準で活用することが可能である。

技術的特長

この項の最後に「ProActive E2」ではどのような技術を採用しているかを多少触れたい。

「ProActive E2」は「Java」で作成されているため、マルチプラットフォームに対応している。データベースなどのミドルウェアは現在オラクルやIBMの製品に対応 し、サーバOSもWindowsだけではなく、Linuxにも対応してく予定ある。またその他のプラットフォーム上での稼動も検討している。今後は利用す るお客様のデータ量やニーズ、ポリシーにあわせたシステムを導入・稼動させることが可能だ。

またリッチクライアントの「Curl」を採用して、Webアプリケーションの弱点である操作性向上にも努めている。

住商情報システム株式会社

1999年に住商情報システムへ入社後、中堅企業向けERPパッケージ「ProActive」の顧客への導入 サポートサービス部門へ配属され、会計・人事を中心に約50社の顧客への導入に携わる。2003年からは同製品のマーケティングスタッフとして、主に製品 のマーケティング&コミュニケーション業務を担当している。

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