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RFIDのデータを活用するために |
第2回:RFIDミドルウェアの背景
著者:野村総合研究所 松本 健 2006/7/14
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はじめに
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RFIDを利用するには、RFIDタグ・リーダ・ライタがあれば確かに可能である。ところが、本連載で主題においている「RFIDを利用したシステム」を構築するにあたっては、RFIDタグ・リーダ・ライタそのものより、それらを通じて得られた情報を適切に処理して、アプリケーションシステムに対して通信を行う部分が重要になってくる。
その役割を担うのが「RFIDミドルウェア」という新しい分野の製品である。ここからはRFIDミドルウェアが必要とされる背景として、標準仕様における位置づけ・定義・役割の概要について説明していく。
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国際標準団体である「EPCグローバル」
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RFIDミドルウェアの定義・標準を理解するには、EPCグローバルについて知っておく必要がある。
EPCグローバルとは、流通における各ポイントで読み取ったRFIDタグの情報を複数企業間ですばやく共有するために、リーダ・ライタ、ミドルウェア、アプリケーションなどの標準化を進めている団体である。
歴史的にはオートIDセンターとしてマサチューセッツ工科大学(MIT)に設立され、そもそもはメーカ/物流業/小売業/ハードウェアベンダ/ソフトウェアベンダなど様々な分野の企業がRFIDの流通システムへの適用を目指していた。
しかし2003年9月になると、通信・暗号化などの要素技術を研究する「オートIDラボ」と、API仕様標準化・EPC(Electronic Product Code)割り当て・ビジネス展開に注力する「EPCグローバル」の2つに分離した。
EPCグローバルは、バーコード割り当てなど流通業界のコード機関であるGS1(Global Standard One)という国際機関の傘下に入っており、ここでの決定事項が実質的なRFIDの国際流通のスタンダードとなっている。
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EPCグローバルのシステム階層
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EPCグローバルのコンセプトは、各商品・梱包パッケージのすべてにユニークなシリアル番号を付与し、物流/小売の現場における資産の可視化を目指している。これは、仮にパッケージの内容がまったく同一の商品であっても、別物として識別できるということである。
このユニークなコードはEPC(Electric Product Code)と呼ばれ、商品単体だけでなく様々な梱包形態(ケース/パレット/コンテナなど)も表現できるようルール付けされている。
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著者プロフィール
野村総合研究所株式会社 松本 健
1994年早稲田大学大学院理工学研究科卒業後、同年野村総合研究所入社。現在、情報技術本部にてシステム基盤を中心とした新技術の調査・評価を行うITエンジニアとして活動。最近ではESB/BPM/ユーティリティコンピューティング/サーバベーストコンピューティング/RFIDミドルウェアなどの調査・評価を行っている。
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