サーバOS利用実態が暴く企業体質
中堅・中小企業のサーバOSはWindowsがデファクトスタンダード
Windowsが中堅・中小企業のサーバOSとしてデファクトスタンダードとして定着しているのは、図2を見ればいっそう明らかである。
2000年時点で69.6%のシェアを占めていたWindowsは着実にその割合を伸ばし、2006年ではWindowsがNT/2000/2003をあわせたWindows系OS全体で83.8%を占めている。
一方Windows以外のOSについての過去7年間は、それぞれ10%に満たないシェア状況が続いている。中でも「Linux」について見ると、 2006年時点でのシェアは5.5%であり、2005年の6.6%よりも下回っている。過去7年間を通して見ても「Linux」は10%未満のシェアでほ とんど変化がなく、やや停滞気味と見える。
この背景としては、中堅・中小企業におけるLinuxのエンジニア不足が指摘されている。なおLinuxについての詳細なデータは、「2006年中堅・中小企業におけるサーバOSの実態と展望」を参照していただきたい。
全体的に見て中堅・中小企業のサーバOSは圧倒的にWindows系OSが選択されており、「Linux」「UNIX」「OS/2」「NetWare」などはごく少数でのみ使われているのが現状である。今後はそこに急激な変化が生じるとは考えにくいのが実情だ。
「Windows NTユーザ」の4割以上が「そのまま使う、使いたい」
先ほどサポートが終了しているWindowsNTが依然約2割のシェアを占めていることを述べた。そこで中堅・中小企業のWindowsNTユーザに対して、現在の状況やいまだ使い続けている理由を聞いてみた。
まず現在でも自社内のいずれかのサーバOSとしてWindowsNTを利用しているか否かを聞いたところ、昨年から減ってはいるものの、いまだに49.7%と約半数が「利用している」と回答があった。
NTを利用している企業が今後どうするのかについて昨年と比較すると、「Windows2003への移行」割合は35.5%から48.9%と高くなっている。
しかし依然として42.1%は「そのまま使う、使いたい」と答えている。これは企業規模に関係なく同じような傾向があらわれている。つまり WindowsNTで動いているシステムがまだ使えるのならば、リプレースすることなくそのまま使うという姿勢がいまだに強いことがいえよう。
なおグラフには記載してないが、年商10億円未満の企業規模の小さいところほど、WindowsNTの利用率は高く、業種では建設業が高いといった結果であった。