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オープンソースをこう使った! 〜 運用管理ツールHinemosの秘密
第3回:Eclipseで実現した統合運用画面について
著者:
NTTデータ 大上 貴充
2006/8/31
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はじめに
今回はHinemosのクライアントパッケージ、そのユーザインターフェースの解説です。どんなアプリケーションでもいえることだと思いますが、ユーザインターフェースは重要な要素です。
Hinemosでは、ユーザインターフェースをEclipse RCPを用いたGUIとして実現しています。統合運用管理ツールとしてのGUIをどのように構想し、実現したのかを解説させていただきます。
統合運用画面
まずは、統合運用管理ツールのユーザインターフェースとして求められる要件としてどのようなものがあるか整理してみたいと思います。要件としてはいくつか考えられると思いますが、筆者らは下記を重要視しました。
操作性
運用管理ツールには高度な操作性/視認性が必要とされます。これらを兼ね備えたグラフィカルなユーザインターフェースであることが必要と考えました。
カスタマイズ性
統合運用管理ツールには複数の機能が同居し、機能ごとに画面が必要となります。それらの画面構成を自由に変更し、またそれを保存できるとよいと考えました。
拡張性
統合運用管理ツールは、複数機能の集合体となります。一度にすべての機能を作り上げるのは困難であるため、新たな機能追加が容易で、追加した機能も同じ画面に統合できる必要があると考えました。機能ごとに別々のクライアントアプリケーションを立ち上げる必要があるのでは不便です。
表1:インターフェースの要件
さて、これらの要件を踏まえ、いかにしてクライアントのユーザインターフェースを実現するかですが、GUIとしてまず考えられるのが、Webベースのユーザインターフェースです。
Webベースのユーザインターフェースは、利用するユーザが多いときには、メンテナンス効率が良く非常に優れています。しかしその反面、操作性の高いGUI画面、特に画面のレイアウト変更などを実現するのは非常に困難です。
運用管理ツールの場合、ユーザ数は限られていますので、クライアントはパッケージを配置する方法でもよいと考えました。
そこで選択したのが、リッチクライアント作成用フレームワークであるEclipse RCPです。Eclipse RCPを利用することで、表1にあげたの3つの要件をすべてクリアすることができます。
Eclipse RCPの特長
Eclipse RCPは、Javaでのリッチクライアント作成のためのフレームワークの1つです。Eclipseは、Eclipse Foundationが提供するオープンソースのIDE(統合開発環境)として有名ですが、Eclipse RCPはEclipseで使われているGUI作成用の共通機能を、他のGUIアプリケーションでも汎用的に利用できるように切り出したものといえます。開発環境としてEclipseを使用されている方にはお馴染みのビューやエディタ、パースペクティブ、メニューなどをフレームワークとして提供しています。
Eclipse Foundation
http://www.eclipse.org/
ここでは簡単にEclipse RCPのGUIフレームワークについて説明します。
ビューとパースペクティブによるGUI構成
Eclipseの画面構成は、ワークベンチウィンドウと呼ばれるウィンドウ画面(大元のウィンドウ)の中に複数のビューやエディタを表示する形で構成されます(図1)。ビューは場所の移動やサイズの変更、表示/非表示が可能です。
図1:Eclipseの画面構成
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
この画面構成(ビューの配置)をパースペクティブという概念で扱うことができ、画面構成に名前を付け、保存・再現することができます。
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著者プロフィール
株式会社NTTデータ 大上 貴充
基盤システム事業本部 オープンソース開発センタ
2004年よりOSSを用いたシステム構築、運用管理ツールの研究開発に従事。現在はHinemosの開発メンバとして、より一層の機能充実、品質向上とコミュニティの創造を目指して活動中。
INDEX
第3回:Eclipseで実現した統合運用画面について
はじめに
Eclipse RCPの構成
パースペクティブの利用