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| はじめに | ||||||||||
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XMLデータベース市場では今「第二世代」や「ハイブリッド」と呼ばれる新しい製品が次々と市場に登場している。それに伴い、新たな適用領域として「半定型文書処理」というキーワードを耳にする機会も増えてきた。 そこで本連載では、XMLデータベースの特徴と最近の動向を整理し、それらを踏まえた製品導入のポイントを示したい。 導入に失敗しないために、まずこれまでのXMLデータベース導入状況を踏まえ、つまづきやすい要因を見ていくことからはじめよう。 |
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| ビジネスとXMLデータベースのギャップを再確認 | ||||||||||
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システム開発が失敗するときには、必ずビジネス的な企画意図と構築したシステムとの間に、何らかのギャップが存在している。これはXMLデータベース導入の場合も例外ではない。 システム開発について、経営上の目的(ゴール)とのずれ、ユーザの業務(アクティビティ)の理解不足、プロジェクト管理(プロセス)の不手際、必要な技術(スキル)の不足などがないか、の4つのチェックポイントを示す枠組みである「GAPS2」を用い、XMLデータベース導入時のギャップを分析・整理してみよう。 ![]() 図1:初期のXMLデータベース導入でつまづきやすかったポイント |
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| 第1チェックポイント「スキル」 | ||||||||||
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初期のXMLデータベースを使ったシステム開発を困難にした最大の要因は、技術の未成熟と製品を使いこなすスキルを持った技術者の不足である。初期の製品には、容量が小さいうちは快適に動いていたものの、サイズが1GBを超えるあたりからデータが格納できなかったり、格納できてもパフォーマンスが極端に低下するものが多かった。 このため、システム構築は行ったものの、実データを入れたところで性能が出ず、採用を断念したケースは多い。しかし実際には、適切にチューニングすれば十分な性能が出たケースも少なくない。 しかし、適切なチューニングを行うためには製品ベンダーの技術者と同等の技術スキルを持ち、製品特性を熟知した技術者が必要であったため、システム開発の現場で有効に活用できなかったのである。 |
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| 第2チェックポイント「ゴール」 | ||||||||||
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XMLデータベースが登場した当初はXMLの歴史も浅く、導入によるビジネス上のメリットを理解しないまま採用してしまったというケースも多い。一例としてあげられるのは、企業間取引のメッセージングにXMLフォーマットが採用されたという理由で、XMLデータベースの導入を検討したケースだ。このケースでは、交換用メッセージフォーマットにXMLを使うことと、それを蓄積して活用することは別問題である点が理解されていなかったのである。 メッセージングで使われるXMLフォーマットは、最終的にリレーショナルデータベースやホスト上において動作している業務システムのデータと相互変換され、そのまま蓄積して活用するわけではない点に注意したい。 |
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| 第3チェックポイント「アクティビティ」 | ||||||||||
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最初からうまく行くはずのない適用例もあった。通常の定型的な業務支援システムで使われているリレーショナルデータベースをXMLデータベースにリプレースしたケースがこれに相当する。リレーショナルデータベース上で処理できていたデータをわざわざXMLフォーマットに変換し、XMLデータベースに蓄積しても「リレーショナルデータベースで十分」という結論となるのは想像に難くない。 |
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| 第4チェックポイント「プロセス」 | ||||||||||
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「XMLデータベースなら仕様変更に柔軟に対応できる」という開発上のメリットも期待された。確かに、XML表示にXSLTを活用すれば、データベース上のXMLデータを様々な形で表示するシステムを簡単に構築できる。XSLTはデータ構造の変更に強いため、その点を生かせば仕様変更に強いシステムを作ることが原理的に可能となる。実際、規模の小さなシステムでは非常に有効に使われている例もある。 しかし、システムが大規模化するにしたがって、データ構造を含めてしっかりした開発プロセスに則って進める必要が出てくるため、こうしたストレージの柔軟性はあまり活かせない結果となった。 これらのチェックポイントを踏まえたうえで、改めてXMLデータベースの特徴と動向について見ていこう。 |
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