ITエンジニアが覚えておきたい英語表現④ 各機能の具体的な開発方法について話し合う際に使える5つの表現
はじめに
ITエンジニアは、設計書を顧客と確認した後、各機能の具体的な開発方法等について他の開発メンバーと打ち合わせをする必要もあります。開発がスムーズに行われ、システムが設計書通りに完成するよう、必要なリソースや作業を行うタイミング等の情報を確認することが大切になります。
これまで「ITエンジニアのための英語表現」と題した下記の3本の記事では、ITエンジニアの皆さんが知っておくべき表現を5つずつ紹介してきました。
・ITエンジニアが覚えておきたい英語表現① 社内外の打ち合わせで使える5つの表現
・ITエンジニアが覚えておきたい英語表現② 顧客との打ち合わせで使える5つの表現
・ITエンジニアが覚えておきたい英語表現③ 他のエンジニアと情報について話し合う際に使える5つの表現
今回は、「機能の開発内容について話し合う」際に使える表現を5つ紹介します。
1. 調整がうまくいっているか
確認する表現
最初の表現は、作業の調整がうまく行っているか確認する際に使える表現です。
Have you made all of the necessary arrangements with …?
(…との調整はうまくいっていますか?)
顧客との設計書確認後も、様々な調整をしなければなりません。そのような調整が取れたか確認する際に、この表現を使うことができます。
今回の表現を直訳すると「〇〇との必要な調整はすべて行いましたか?」という意味になります。調整が完了しているか確認する際にも使えますし、うまく調整が進んでいるか確認する際にも使うことができる便利な表現です。withの後には、顧客名等、調整を行う相手を入れれば文が完成します。
それでは、この表現を聞いて、会話の中での使い方も確認しながら、声に出して練習をしてみましょう。動画の使い方は今までの表現シリーズの流れと全く同じで、下記の3ステップで行います。
- 表現が2回読まれるので、発音と抑揚を確認しながらリピート練習する
- 表現が含まれる短い会話の字幕を読み、空欄の埋め方と意味を理解する
- 字幕を読みながら、声に出して会話を練習する
いかがでしたか? うまく言えたでしょうか。最初は難しく感じても、繰り返し何度も聞いて練習することで、必ずスッと出て来るようになります。1日で終わりにするのではなく、1週間くらい少しずつ練習することがお勧めです!
それでは再度、例文を確認してみましょう。
Have you made all of the necessary arrangements with IFJ Finance about implementing the enterprise system?
(基幹システムを入れるIFJ金融とのテスト計画の調整はうまくいっていますか?)
この例文では、IFJ Financeの後にaboutが続いています。「〇〇について」と加える場合、この形に沿って文を作りましょう。
2. 問題が発生した際の対応を
確認する表現
2つ目の表現は、万が一のときの対応を事前に確認する、とても大切な表現なので、しっかりと覚えておきましょう。
Do you have any recovery plans in case something goes wrong?
(トラブルが出た場合に備えたリカバリープランはありますか?)
残念ながら、システム開発を行う上でトラブルはつきものです。そのような際に、即座に対応できるようにすることが、予定通り納品するためには重要です。この表現は、発生したトラブルのリカバリープランがあるかを確認する際に使うことができます。
発音が少し難しいtroubleという単語を使わなくてもgo wrongと言えば「問題が発生する」という意味になるので、こちらも覚えておいてください。
それでは、練習動画を観てみましょう。動画を観てから練習するまでの流れは先ほどと同じです。
例を入れた表現も確認してみましょう。
Do you have any recovery plans in case something goes wrong during the performance test?
(性能テストでトラブルが出た場合に備えたリカバリープランはありますか?)
太字の部分をそのまま覚えれば使えますが、もし「〇〇の間に」という情報を入れたい場合にはduring(〜の間に)を続けて入れ、その後にどの時点かという単語を入れましょう。例文では「性能テストの間に」ということでthe performance testが入っていますね。
3. 予定通りで問題がないことを
確認する表現
3つ目の表現は、元々の予定に対して変更が必要か確認する際に用いる表現です。
例えば、機能の数が増えた場合、開発の難易度が上がります。もしかすると工数の変更が必要になるかもしれません。そのような際に、この表現を使って計画を変更する必要があるかを確認できます。
Do you think it is okay to stick to …?
(…は予定通りで大丈夫だと思いますか?)
Do you thinkを冒頭に入れることで、相手の意見を聞くということになります。「あなたの意見はどうですか?」というニュアンスを含めて聞く場合、これを入れましょう。単純にそれで良いのか尋ねる場合には、Is it okay to stick to…?とすることも可能です。
それでは会話例を確認して、会話の中での使い方と空欄の埋め方を見てみましょう。動画を観た後は、声に出しながら何度か練習してくださいね。
それでは、例文で表現を確認してみます。
Do you think it is okay to stick to the man-hours we initially planned for?
(開発工数は当初の予定通りで大丈夫だと思いますか?)
この表現は、予定の変更が必要か確認する際に使えるとても大切な表現なので、しっかりと使えるようにしておきましょう。
4. 何かを行うことが難しいか
確認する際の表現
4つ目の表現は、作業が難しい可能性がある点を確認する際の表現です。顧客から機能を追加したいという要望が来ることも考えられます。しかし、その要望が出て来るタイミングによっては、直ぐに対応することが難しい場合もあります。「これは難しいよな」と思いながらも、一応確認するという際に使える表現です。
I suppose it is difficult to ….
(…は難しいですよね。)
I supposeは「~ですよね」のように、こちらでそう思っていることを伝える際に使う表現です。toの後は、動詞の原形を入れて「何をすることが」という情報を入れます。
それでは、実際に動画を観て、この表現の会話内での使い方と空欄の埋め方を確認してみましょう。
再度、表現を確認します。
Regarding the client’s request to add the report printing function, I suppose it is difficult to include this in our current schedule, right?
(帳票印刷機能を付加するという顧客の要望の件ですが、これを現在のスケジュール内に入れるのは難しいですよね。)
この表現では、冒頭で「〇〇についてですが」という意味で「Regarding …」と言っています。このように、特に話題が変わる場合には、この形で何の話なのかを明確にすることが大切です。また、I suppose it is difficult to…の最後に「, right?」を足すと、「そうなんですよね?」と相手に尋ねる形にできます。
難しいだろうなと思うことでも、念のためこの表現を使って確認してみると、良い解決策が出て来るかもしれません。
5. 顧客から合意を取り付ける
と伝える際の表現
最後の表現です。チーム内で打ち合わせを行っていく中で、顧客に何らかのお願いや合意をしていただく必要があるという結論に行き着く可能性があります。そんなときに「私が顧客と話し、合意してもらいます」と伝える表現として使えます。
I will talk to the client so (that) we can reach an agreement to ….
(…という形で顧客と合意を取りたいと思います。)
空欄には動詞の原形を入れて、具体的に何をすることに対しての合意なのか述べるようにしてください。動画で、空欄の埋め方や会話での使い方を確認してみましょう。
それでは、動画内の表現を確認します。
I will talk to the client so that we can reach an agreement to add the printing function as part of the upgrade after the release.
(帳票印刷機能については一旦リリースした後のバージョンアップの際に追加するという形で、顧客と合意を取りたいと思います。)
この表現は、特にチームをまとめるリーダーのITエンジニアにとってはとても重要な表現なので、ぜひ覚えておきましょう。
おわりに
今回は「各機能の具体的な開発方法について話し合う」際に使える5つの表現を紹介しました。表現を覚える際は、空欄の埋め方を含めた使い方、そして会話文の中でどのように使うかという部分を確認しましょう。また、頭では分かっていても、実際に話そうとしても出て来ないということがないように、動画を使って何度も繰り返し声に出して練習するようにしましょう。
ITエンジニアの皆さんが直ぐに現場で使える表現を紹介してきた本連載「 ITエンジニアのための やりなおしの英語 実践レッスン」シーズン2は今回で終了となります。シーズン1も合わせると、とても多くの表現を紹介してきました。ぜひ、これまでに紹介してきた表現も見直していただき、1つでも多くの表現を直ぐにでも使えるように練習していただければと思います。
皆さんに少しでも「参考になった!」と思っていただければとても嬉しいです。またシーズン3でお会いしましょう!
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