CRMパッケージのライセンス販売形態
CRMパッケージのライセンス販売形態
CRMパッケージのライセンス販売形態については、現在「売り切り」による販売か、またはASP型での提供の2通りとなっている。

図2:CRMパッケージのライセンス販売形態
(エンドユーザ渡し価格ベース、矢野経済研究所推定)
主要CRMパッケージベンダ9社のライセンス売上高の販売形態比率による算出を行ったところ、2005年はライセンス売上高(エンドユーザ渡し価格ベース)の86.3%がライセンスの売り切り、13.7%がASPによるサービス提供であったと見込まれる。
2006年も基本的に売り切りとASPの比率は変わらないものの、CRMパッケージのASPによるサービス提供は、2004年の段階ではセールス フォース・ドットコム1社であったのが、2005年にはソフトブレーンとCDC Softwareジャパンでライセンストータル売上の約10%がASPによる売上となった。
まだまだ、ソフトウェアのライセンスについては売り切り型の市場が主流ではあるが、セールスフォース・ドットコムによるASP型のSFAソリュー ションによって、硬直化傾向にあったSFAソリューションが活性化したのも事実であり、今後は徐々にASP売上の比率が拡大していくものと思われる。
大手企業/中堅企業向けCRMパッケージのライセンス総市場規模推移
CRMパッケージのエンドユーザ渡し価格ベースによるライセンス売上高は2004年、97憶2,000万円で対前年比102.2%と微増に留まった。
大手企業向けCRMパッケージのライセンス売上高は2004、80億9,200万円で対前年比102.6%、一方、中堅企業向けCRMパッケージのライセンス売上高は2004年に16億2,700万円、対前年比0.5%とほぼ横ばいの推移となった。
2005年、大手企業向けのCRMパッケージは109億2,000万円、対前年比134.9%と大きく伸長した見込み。また、中堅企業向けのCRMパッケージは28億9,000万円、対前年比177.6%と拡大した見込みである。
2005年、CRMパッケージのライセンス売上高市場は138億1,000万円の見込みで、2006年以降ようやくCRMパッケージを活用したソリューションも長らくの不調期間を脱して拡大に転じるものと予測される。
特にCRMパッケージ市場で大きく貢献しているのは、ソフトブレーンとセールスフォース・ドットコムの2大パッケージベンダである。いずれも、「オ ンデマンド型」による月額利用料金サービスを構築して、中堅企業を含めてSFAソリューションを中心に幅広い営業展開を行っている。
また、CRMパッケージのライセンス売上高で首位のSAPジャパンはERPソリューションで多くの自社ユーザを獲得している事から、それら企業へのCRMソリューションの拡張提案及びCRMソリューション単独での新規営業を大きく展開している。
日本オラクルではCDH(カスタマーデータハブ)という独自のCRMソリューションを展開している。これは所謂顧客管理ソリューションで、アメリカ ではCRMを戦略的且つ効果的に導入する為に注目を集めているソリューションである。米オラクルコーポレーションの傘下となった日本ピープルソフトが持つ CRMソリューションとの連携も視野に入れて、ユーザ企業のあらゆるデータをマスターレベルで統合していく。
