多角的に考察する BPM再入門 3

BPMSのパフォーマンス

BPMSのパフォーマンス

しかし、パフォーマンスを測定する目的が情報システムの速さの追及だとは限りません。

BPMS(BPM Suite)のパフォーマンス設計(機能)は、情報システム構築の中のビジネス領域(人間系)にパフォーマンスという概念を適用したともいえます。基本的 な捉え方は情報システムのパフォーマンスと同じでスペックを導き出すものですが、ビジネス領域でのパフォーマンスという概念が加わります。つまり、業務を 遂行するスピードだけではないパフォーマンス要素が加わるのです。

ITの視点から考えてみると、BPMはBPELやXPDLなどの言語を介して、SOAを実現するために業務要件を伝えて、MDA(注1)としてアプリケーションを構築します。

※注1: MDA(Model-Driven Architecture:モデル駆動型アーキテクチャ)

そして作られたアプリケーションが稼動すると、BPMの機能の1つであるパフォーマンスデータ採取機能でデータを取得します。このパフォーマンス データは実際の業務に活用することができます。この結果を元にして、実運用での活動の最適化をコントロールできますし、経営のためのKPIのデータにもな ります。

MDAとパフォーマンスの関係

図1:MDAとパフォーマンスの関係

 

BPMSにおけるビジネスプロセスのパフォーマンスデータ

業務を遂行/管理している時は、次のように常にパフォーマンスを意識する必要があります。
 

  • 仕事が順調に進んでいるか、仕事が滞留してはいないか?
  • 業務処理量の限界は?
  • この仕事はどのくらいのコストがかかっているか?
表3:業務を行っている時や管理している時に意識すべきこと

設定したビジネスフローの個々のタスクが動作した時、動作状況(開始時刻、操作者など)の情報が自動的に記録されます。またBPMSの製品の中には、パフォーマンス測定用のデータベースを専用に確保しているものもあります。

そのデータを使って、パフォーマンス測定を行うのがBPMSのパフォーマンス機能です。この機能を使わない時は、このパフォーマンスデータの取得とそのアプリケーションを個別に設計し、構築するシステム機能の中に取り込んで利用していました。

つまり、BPMによりパフォーマンスデータの管理が独立して、横通しのデータとなったのです。そしてパフォーマンスの記録データとしては、以下の事項があげられます。

1. 何をおこなったか?
トランザクションの名前
2. いつ開始したか?
トランザクションの発生時間
3. いつ終了したか?
トランザクションの終了時間
4. トランザクションの動作時間
終了期間 → 発生時間
5. 誰が使ったか?
担当者/組織
6. どこで行ったか
操作した装置
表4:記録事項の例

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