メッセージダイジェスト関数による高速化
システムによっては、アクセスの分散やキャッシュ以外の手法でデータベースへのアクセスを削減する工夫もできます。筆者がよく行うのは、メッセージダイジェスト関数を利用してデータベースアクセスを省略する方法です。
メッセージダイジェスト関数とは、ハッシュ関数を用いてデータが改ざんされていないことを確認する関数です。データの改ざんの確認以外に、認証にも 利用されています。メッセージダイジェスト関数を使えば簡単な計算によって改ざんチェックを行えることを利用し、Webアプリケーションからクライアント に送信した情報が改ざんされていないことを保証できます。
レイヤー7スイッチと同様に、メッセージダイジェストと聞くと難しく感じるかもしれませんが非常に簡単です(図27)。メッセージダイジェストの作 成に必要なハッシュ関数は、すでにライブラリ化されていることが普通です。実装についても、単純な文字列処理のみで可能である場合がほとんどです。文字列 処理やハッシュ関数の実行は、データベースアクセスに比べ高速です。

図27:メッセージダイジェストのしくみ
それでは、メッセージダイジェストの利用例を2つ紹介します。
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この記事の筆者
University of Denver卒。同校にてコンピュータサイエンスとビジネスを学ぶ。株式会社シーエーシーを経て、エレクトロニック・サービス・イニシアチブ有限会社を設立。Linuxはバージョン0.9xの黎明期から利用してるが、オープンソースシステム開発やコミュニティへの参加はエレクトロニック・サービス・イニシアチブ設立後から。PHPプロジェクトのPostgreSQLモジュールのメンテナ、日本PostgreSQLユーザ会の四国地域での活動等を担当している。
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