ws_addressingサンプルを試す

2006年12月7日(木)
江川 潔

はじめに

   本連載はCeltix 1.0に用意されているサンプルデモのREADME.txtファイルを日本語訳したものです。README.txtファイルにはWindowsとUNIXにおける作業手順が記載されています。

   今回はサンプル22「ws_addressing」デモについて解説します。

   連載ではWindowsについてのみ確認を行い、足りない手順についての内容を追加しています。UNIXを利用する場合には、Windowsの手順を参照してください。


なおビルドや起動にはCeltix 1.0環境が必要です。あらかじめ本誌連載「オープンソースESB『Celtix』を解き明かす」を参考にしてインストールを行っておいてください。

サンプル22 ws_addressingのデモ

   この「ws_addressing」は、CeltixがサポートするWS-Addressingを利用する方法について示したデモです。クライアン トとサーバ共にWS-Addressingハンドラをインストールします。このWS-Addressingハンドラは、メッセージのWS-A MessageAddressingPropertiesを集約する「LogicalHandler(MAPAggregator)」とSOAPヘッダの プロパティをエンコード/デコードする「ProtocolHandler(MAPCodec)」から構成されています。

   「ws-addressing」ではハンドラの利用法だけでなく、「ProtocolHandler(HeaderSnooper)」でSOAPヘッダを参照し、コンソールに表示するデモも同時に行います。

   通常、WS-Addressing MessageAddressPropertiesは、アプリケーションに関係なく生成され送受信が行われます。しかし、RelatesToヘッダにより リクエストの順番を参照したい場合をはじめ、アプリケーション側でMAPを利用したいケースがあります。このデモではMAPを明示した場合としない場合に ついてもテストできます。

   このデモではHTTPトランスポートを分割し、HTTPコネクションをサーバからクライアントへ応答を送信するために利用しています。もちろん WS-Addressingでは、クライアントからサーバへHTTPコネクションを使って送信する通常のHTTPモードも利用可能です。この場合 のヘッダは、通常利用される、以下のanonymous URLが使われます。

   「ws_addressing」デモは、hello_worldのサンプルにWS-Addressingサポートについての項目を追加したもので す。基となるhello_worldのWSDLではサービスのエンドポイントがWS-Addressingをサポートしていることをあらわすた め、拡張エレメントを指定しています。

   「ws_addressing」デモを実行する前に、以下の内容を確認してから作業してください。

必要条件

   celtix.jarがCLASSPATHに登録されていて、JDKとantのbinディレクトリがPATHに登録されているのであれば、samplesディレクトリのREADMEにある環境変数の設定スクリプトを起動する必要はありません。

   環境変数が正しく設定されていなかったり、デモをビルドする際にwsdl2java、javacあるいはjavaコマンドを利用する場合は、環境変数の設定スクリプトを起動する必要があります。

※注1: 以下のUNIX環境での手順は著者の環境で動作確認をしていません。Windowsの環境についてはWindows XP Professionalで動作確認を行っていますので、UNIXの手順で不明な点がある場合はWindowsの手順を参考にしてください。
日本アイオナテクノロジーズ株式会社 テクニカルセールスマネージャ

株式会社富士通SSLでNTT仕様のオペレーティング・システムの開発に従事したのち、日本ディジタルイク イップメント株式会社でNTT向けシステムの開発、その後、ソフトウェアとハードウェアのプリセールス活動を展開した。DECの合併を経て、現職のミドル ウェア製品のマーケティング、アライアンス、プリセールスなどに従事。

blog「Essence is Real」
http://blogs.iona.com/essence/

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