PowerGres Plus HAを選択した理由
PowerGres Plus HAを選択した理由
株式会社カプコンでは、携帯電話向けゲーム配信を開始された当初から株式会社アイアイジェイテクノロジーにインフラ構築を依頼しており、上記の問題 を解決するような新しいコンテンツサーバのインフラ構築についても提案を求めました。その結果、提案されたのがPowerGres Plus HAだったということです。
PowerGres Plus HA を選択した理由を、株式会社アイアイジェイテクノロジー 関西支社営業課課長の河波眞人氏は次のように語っています。
「今回は新しいコンテンツサーバを立ち上げるということで、できるだけコストを抑えつつもサーバの安定性・信頼性を高めることができるソリューションを探していました。そこで目に留まったものがPowerGres Plusでした。
PowerGres PlusはPostgreSQLをベースとしながら、より強力なデータベースエンジンを備えているため、頻繁なアクセスにも耐えられると考えました。ま た、HA(HighAvailability:高可用性)構成を組むことによってダウンタイムを最小限に抑えることもできます。

図2:システム構成
さらに、ゲームコンテンツのデータはNFSサーバを介して提供されるため、NFSサーバも含めてHA構成を組めることにも魅力を感じました。おかげでお客様が求められているソリューションを提案できたと考えています」
PowerGres Plus HAという提案に対して、株式会社カプコンは次のような理由から採用することを決断したそうです。
- オープンソースソフトウェアはサポートに不安があったが、PowerGres製品を利用することで万全のサポートが受けられる
- オープンソースソフトウェアに関する情報はインターネットに豊富に存在するため、情報を収集することが容易である
- 一般的な商用データベースに比べ、導入コストやランニングコストを抑えることができる
PowerGres Plus HAの導入とその効果
株式会社カプコンでは、実際にPowerGres Plus HAを利用したアプリケーションが行われました。しかし、これまでと異なるデータベースを利用することによって、何か問題があったのでないかと考えられま す。しかし、それについては次のように話しています。
「これまで利用していた商用データベースは、確かに機能は豊富でしたがそれをすべて利用することはなかったため、アプリケーション開発のエンジニア にとっては複雑なものに感じられました。それに比べ、PostgreSQL/PowerGresはプリミティブな機能が利用しやすく実装されているため、 とくにアプリケーション開発での苦労はありませんでした」
PowerGres Plus HAが導入されたサーバでの運用は、2004年9月から開始されています。
携帯電話向けコンテンツビジネスでは、特定の時間に集中するアクセスにサーバが耐えられるか、ダウンタイムを最小限に抑えられるか、そしてランニン グコストがどれくらいかかるか、ということを初期段階で見極めることが重要といわれます。PowerGres Plus HAも採用されるまでに様々な負荷試験が行われましたが、それにすべてパスしたからこそ採用され、現在、実際に運用されているわけです。
株式会社カプコンは、「バイオハザード ザ・ストーリーズ」を皮切りに「ロックマン エグゼ」、「逆転裁判」といった携帯電話向けゲームをリリースしています。これからもPowerGres Plus HAが導入されたサーバから、新しいゲームソフトが続々と配信されていくことになるでしょう。

図3:『ロックマン エグゼ』のゲーム画面