導入の進むITIL
導入の進むITIL
システム部門の運用プロセスは従来、利用者からの問い合わせや要望に応える、いわば受身の活動が中心になりがちであった。そのため、部門外にはその実態が見え難く、また部門の中でも、効率化をはかるにはどこから手をつけたものやら…という状況であった。
それを変えたのがITIL(Information Technology Infrastructure Library)だ。ITILはシステム部門の運用品質向上に役立つプラクティスとして、日本でもこの1〜2年で急速に導入が進んでいる。ITILを上手 に活用することで、業務の流れや弱点が見えるようになり、持続的な改善をはかることができ、強い組織へと変えることができる。
IT運用の品質を向上するサービスデスク
サービスデスクは、ITILを活用して運用業務を改善する上で、もっとも取り組みやすい分野の1つだ。サービスデスク業務は属人性が高く、非定型になりやすい。そのため運用担当者に大きな負荷がかかる。
ハードウェアやアプリケーションの障害対応、予防保守、構成変更の記録、アプリケーションの利用方法の問い合わせなど、運用担当者はさまざまな業務に対応する必要があるからだ。
例えば「すぐ対処すべき障害」「ひとまず回避策をとり、適切な担当者に依頼すべき問題」「よくある質問の繰り返し」「不足しがちな判断材料」など、運用担当者は多種多様な課題を抱えているといえよう。
Unicenter Service Deskでは、そのような問い合せの窓口や対応方法などを決定し、システマティックな運用を可能にする。
窓口を集約して、問い合せを効率化
Unicenter Service Deskでは、すべてのIT利用者からの窓口を1つに集約し、効率化することが可能だ(Single Point of Contact:SPoC)。利用者は自分のアカウントでログオンし、まず問い合わせしようとしている事象について、過去に似たような事例が無いかを調べ ることができる。簡単な質問なら、それだけで自己解決できることもあるだろう。これにより、運用担当者の負荷を減らすことができる。
すぐに解決できない場合は、利用者が問い合わせ内容を入力することになる。例えば「Webにアクセスできない」「メールボックスがいっぱいになっ た」「売掛金処理はどう操作したらよいか」といった具体的な内容だ。これらにそれぞれの担当者が対応していく。またナレッジとして蓄積することで、その後 の対応に活用することができる。
バックナンバー
この記事の筆者
“オープンソース技術の実践活用メディア” をスローガンに、インプレスグループが運営するエンジニアのための技術解説サイト。開発の現場で役立つノウハウ記事を毎日公開しています。
2004年の開設当初からOSS(オープンソースソフトウェア)に着目、近年は特にクラウドを取り巻く技術動向に注力し、ビジネスシーンでOSSを有効活用するための情報発信を続けています。クラウドネイティブ技術に特化したビジネスセミナー「CloudNative Days」や、Think ITと読者、著者の3者をつなぐコミュニティづくりのための勉強会「Think IT+α勉強会」、Web連載記事の書籍化など、Webサイトにとどまらない統合的なメディア展開に挑戦しています。
また、エンジニアの独立・起業、移住など多様化する「働き方」「学び方」「生き方」や「ITで社会課題を解決する」等をテーマに、世の中のさまざまな取り組みにも注目し、解説記事や取材記事も積極的に公開しています。
マーケティング部 マーケティングマネージャー
独立系SIで受託開発やパッケージ開発プロジェクトなどを経てCAに入社。ストレージやシステムマネジメントのプリセールス、パートナー支援を経験した担 当後、市場分析や製品企画を行うマーケティングへ。現在、ITILやITガバナンスをテーマとしたビジネスサービスマネジメント分野の市場啓蒙・プロモー ションに従事。
http://www.ca.com/jp/
筆者の人気記事
Think ITでは、技術情報が詰まったメールマガジン「Think IT Weekly」の配信サービスを提供しています。メルマガ会員登録を済ませれば、メルマガだけでなく、さまざまな限定特典を入手できるようになります。

