監視機能の設計の勘所
今回は「第2回:Hinemosの画面設計とリポジトリ設計」で説明した「管理画面の決定」と「リポジトリの設計」を基に、Hinemosが備える個々の監視機能における設計の勘所を説明します。
Hinemosの監視機能の概要
現在、Hinemosには表1のように、9個の監視機能があります。
| 監視機能名 | 監視方式 | Hinemosエージェントの インストール有無 |
|---|---|---|
| ping監視機能 | 定期的なポーリング | 無 |
| SNMP TRAP監視機能 | 対象機器からの通知 | 無 |
| リソース監視機能 | 定期的なポーリング | 無(SNMPエージェントは必要) |
| SNMP監視機能 | 定期的なポーリング | 無(SNMPエージェントは必要) |
| HTTP監視機能 | 定期的なポーリング | 無 |
| プロセス監視機能 | 定期的なポーリング | 無(SNMPエージェントは必要) |
| SQL監視機能 | 定期的なポーリング | 無 |
| エージェント監視機能 | 定期的なポーリング | 有 |
| syslog-ng監視機能 | 対象機器からの通知 | 有(syslogでも可) |
今回はこの中から「ping監視」と「SNMP TRAP監視」「リソース監視」「SNMP監視」の4機能について説明します。残りの5機能については次回に説明します。
それでは個々の監視機能について、以下の4点について解説します(表2)。
- 監視目的
- 監視アーキテクチャ
- 監視設定ポイント
- 監視設定例
本連載では初公開のノウハウが満載ですので、皆さんぜひ参考にしてください。
監視機能を監視方式でみた場合、Hinemosマネージャーから監視機器に対して「定期的なポーリング」を行う方式と「対象機器からの通知」による 方式の2種類に分類されます。前回の内容と関連しますが、監視管理画面の「ステータスビュー」と「イベントビュー」に何の監視結果を表示するかをこの方式 の観点で分類すると、一般的に表3のようになる場合が多くなるでしょう。
| ビュー名 | 目的 | 表示する監視機能の結果 |
|---|---|---|
| ステータスビュー | 現在の状態(ステータス)を表示する | 定期的に状態を確認できるため「定期的なポーリング」の監視機能の結果を表示する |
| イベントビュー | 不定期に発生する事象(イベント)を表示する。イベントは履歴として指定期間保持する | すべての監視機能の「警告」や「異常」を出力する |
今回は詳しく説明しませんが、この表示出力(通知)先の設定は、Hinemosの「通知機能」で詳細に定義します。本連載では、両方のビューに出力 する「STATUS」、イベントビューのみに出力する「EVENT」の2つの通知設定が定義されているものとして説明しています。
またHinemosの監視機能はジョブ管理機能と連携ができます。そこで「パトライト01」というパトライトを点灯させるジョブが定義されているものとし、監視の結果が「警告」や「危険」と判断されると、このジョブが起動する管理体制を想定します。
それでは、個々の監視機能について説明します。前回で紹介したリポジトリ構成が、各監視機能の設定でどのように有効に働いているかも含めて理解できると思います。
