Hinemosではじめる運用管理〜運用設計の導入〜 3

リソース監視機能

リソース監視機能

   サーバのCPU使用率、物理メモリ使用率などの状況を監視する場合にリソース監視を行います。

監視アーキテクチャ

 

リソース監視機能のアーキテクチャ
図3:リソース監視機能のアーキテクチャ

   リソース監視では、Hinemosマネージャーから管理対象ノードに対してSNMPポーリングを行い、その戻り値から算出した性能値に対して閾値判 定を行います。ObjectIDなどがわかっていれば、SNMP監視でも同様の監視が行えますが、リソース監視機能を利用すればCPU使用率などの ObjectIDを調べなくてもGUIから設定できます。

監視設定のポイント

   SNMPによりリソース情報を取得可能なサーバが含まれるスコープに対して設定します。

   第2回の図4におけるリポジトリの使い方は利用目的により異なります。

   例えば、OSごとに異なる閾値でリソース状況を監視する場合は「設定 → OS」スコープ、ミドルウェアごとに異なる閾値でリソース状況を監視する場合は「設定 → PP」スコープを利用することで監視設定をまとめることができます。

監視設定例

   リソース監視設定例を表7に示します。



リソース監視の設定例
表8:リソース監視の設定例
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

SNMP監視機能

   SNMPにより監視対象の状態を取得できる場合にSNMP監視を行います。

監視アーキテクチャ

   

SNMP監視機能のアーキテクチャ
図4:SNMP監視機能のアーキテクチャ

   SNMP監視はHinemosマネージャーより監視対象機器に対してSNMPポーリングを行い、その戻り値から算出した値を識別することで監視を実現します。SNMPポーリングの結果として数値のみ(注6)対応しています。



※注6: Hinemos Ver 2.3より文字列に対する監視(正規表現で指定可能)が可能になります。

監視設定のポイント

   SNMP監視では上記のアーキテクチャによりSNMPで取得できる情報についてすべて監視できることになります。基本的には、OSやプロダクト、機 能単位で監視を行いますので、第2回の図4の「設定 → OS」スコープや「設定 → PP」スコープを使用することになると思います。

監視設定例

   監視対象のObjectIDをコミュニティ名などとともに設定することでSNMP監視が行えます。

   今回は「第1回:Hinemosの運用設計への導入」や「第2回:Hinemosの画面設計とリポジトリ設計」の中で紹介した応用的な例として、特定のスクリプトの結果をNet-SNMP(注7)を介してHinemosで監視する場合の設定方法を紹介します。



※注7: Net-SNMP
Net-SNMPの機能によりexecディレクティブで指定したコマンドの結果をSNMP経由で取得できます。詳細はNet-SNMPのマニュアルを参照してください。

   まずここで使用するスクリプト「SNMPSample.sh」の内容は以下の通りです。

スクリプトの例(SNMPSample.sh)

#!/bin/sh
if [ ミドルウェアの状態が正常 ]; then
   exit 0;
else
   exit 10;
fi

   このスクリプトに対するSNMP監視の設定例が、以下の表8になります。



SNMP監視の設定例
表9:SNMP監視の設定例
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   以下の表10は「snmpd.comf」の設定例の定義書です。


スコープ 監視種別 ディレクティブ 備考
設定>PP>Apache スクリプト exec /opt/snmpd/bin/SNMPSample.sh ミドルウェアの状態監視
表10:snmpd.confの設定例(定義書)

   これを基に設定した「snmpd.conf」の内容は以下のようになります。

snmpd.confの設定例

exec .1.3.6.1.4.1.2021.8.1.100.1 /opt/snmpd/bin/SNMPSample.sh

次回は

   最終回となる次回では、残り5つの監視機能について解説します。最後までお付き合いください。

この記事をシェアしてください

人気記事トップ10

人気記事ランキングをもっと見る