エージェント監視機能
エージェント監視機能
Hinemosのジョブ管理機能およびログ転送機能(アプリケーションログ監視)を使用する場合にエージェント監視を行います。
監視アーキテクチャ
Hinemosのエージェントはログ転送エージェントとジョブエージェントの2つから構成されています(図4)。

図4:エージェント監視機能のアーキテクチャ
Hinemosマネージャーと個々のエージェント間の接続はJMSを使用しています。HinemosマネージャーからJMSの接続状態か否かを確認することでエージェント監視を実現しています。
監視設定のポイント
エージェント監視はエージェントのインストールを行ったサーバに対して実施します。設定はログ転送エージェントおよびジョブエージェントのそれぞれ を別々に行います。エージェントの死活状態によりジョブ管理機能やログ転送(アプリケーションログ監視)に影響が出るため、監視間隔は「1分」のように短 めに設定することが考えられます。
Hinemos Ver 2.2系までは、対象OSによる機能差分(例えば、Windows環境でログ転送はできなかった)があったため、OS別に監視設定をする必要がありまし た。しかしVer 2.3からはこの差分がなくなったため、OSに依存することなくエージェントをインストールしたすべてのサーバに対して監視を行えばよい状況となりまし た。
監視設定例
表4は、エージェント監視設定を行った例です。
syslog-ng監視機能
システムログやアプリケーションログのメッセージ監視を行いたい場合には、syslog-ng監視機能とログ転送機能を使用します。
監視アーキテクチャ
Hinemosのsyslog-ng監視機能は「監視文字列(正規表現可)」がログに含まれるか否かを監視します(図5)。
この機能を使用するためはに、管理対象サーバにHinemosエージェントをインストールするか、Hinemosマネージャーからsyslog-ngデーモンへログを転送するための設定が必要になります(注2)。
また、ログ転送機能を使用することで、システムログ以外のアプリケーションログファイルも監視可能になります(注3)。
監視文字列マッチング処理はHinemosマネージャー側で行うため、頻繁に目的外のログが出力されるような場合は転送元(Hinemosエージェント側)のsyslog-ng.confで、ログのフィルタ設定を行うことなどを検討します。
監視設定のポイント
一般的にログ監視は監視項目数が肥大化する傾向があります。数百以上の項目があったり、場合によっては数千の監視項目を設定することもあります。リ ポジトリの設計ポイントは、syslog-ng監視設定として「監視文字列」と「対象アプリケーション」の組み合わせが1つだけ登場するスコープを、確実 に作成するということです。
「第2回:Hinemosの画面設計とリポジトリ設計」に掲載した図4の「設定>OS」スコープや「設定>PP」スコープ以下の各々がそれに該当します。
また監視文字列マッチング処理の動作は、syslog-ng監視設定の「順序」に依存します。ログがHinemosマネージャーに転送されてくる と、「順序」の小さい方から文字列マッチング処理を行い、マッチした設定によって指定されている動作を行います(注4)。
一般的に図6のような「順序」を構成することが考えられます。
監視設定例
表5は、syslog-ng監視機能の設定例です。
最後に
本連載を通してHinemosの導入を進める上で具体的に何を検討すべきかについて、イメージができたと思います。これを期にHinemosを運用管理システムへの採用を検討していただけると幸いです。
また本連載中にHinemos Ver 2.3のリリースやSPOTY2007受賞など、喜ばしいイベントが続きました。今後もHinemosがオープンソースソフトウェアによる運用管理ツールとして広く利用されるよう活動を続けていきたいと思います。
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