【永久保存版】いまさら聞けない生成AIの使い方を“超”分かりやすく解説!
はじめに
本連載は、生成AIコミュニティ「IKIGAI lab.」で活動している8名で運営しています。この記事を通して、ぜひ皆さまも各々の半歩先の未来を想像しながら、色々な価値観を楽しんでいただけると嬉しいです。
生成AIの振り返り
近年の生成AIの進化から、新しい変化や情報の発信を「Gen AI Times」で行ってきました。今回は、その流れを振り返り、生成AIの使い方を見直していきたいと思います。
2022年11月30日
OpenAI社がGPT-3.5の大規模言語モデルを使用した生成AIシステムChatGPTを公開し、5日間で100万人、2ヶ月で1億人を突破する前代未聞のスタートを切りました。
*2018年、OpenAI社は「Transformer」と呼ばれるディープラーニング手法により大規模言語モデル「GPT-1」を発表、そこから複数のアップグレードを実施し今日のo1モデルに至る(2024年11月現在)
*最新モデルo1解説(Think IT)
【OpenAI o1が切り拓く新時代】AI推論の実力と社会への影響は?
*ひとつ前のバージョン4o解説(Think IT)
【革新と規制】生成AIの未来はユートピアかディストピアか、その答えは?
ここで、全体像を捉えるために「生成AIとは?」を簡単に記載しておきます。
今さら聞けない使い方
テレビ、メディア、SNSなど様々な情報媒体を通じて生成AI、ChatGPTのキーワードを目にする機会が増え、昨今では企業でのDX推進に生成AIの利活用が織り込まれたり、大規模言語モデルを社内導入して業務の中で利用する環境が少しずつ増えています。
しかし、気がつけば「使う人」「使ったことがない人」「使い方が分からない人」「使ってみたけどよく分からず辞めた人」「使う機会がない人」など、徐々にその両者の溝は広がりを見せています。実際に、総務省が7月5日に発表した「令和6年版 情報通信白書」によると、日本における生成AIの利用率はわずか9.1%、諸外国(アメリカ:46.3%、中国:56.3%、ドイツ:34.6%、イギリス:39.8%)と大きな差が出始めています(【詳細】【最新データで比較】生成AI活用、日本 vs 世界のギャップ(Think IT)。
そこで今回は、最新情報からライト層(使ったことがない人・使い方が分からない人・使ってみたけどよく分からず辞めた人)に寄り添い、「今さら聞けない使い方」を分かりやすく徹底解説していきます。これさえ読めばすぐに生成AIを使ってみたくなること間違いなしです!
基礎編の解説
今回は、基礎編としてOpenAI社のGPTモデルを例に徹底解説します。
何が得意、苦手なのか
■得意な処理:- 専門性のない一般的な知識をベースにしたテキスト生成/コンテンツの創造
例えば、解決したい課題に対して、自身の役割以外に他部門/他者の役割を取り入れることで多角的な視点(どこを見るか)が増え、視野(どこまで見るか)が拡大し、視座(どこから見るか)を上下することで課題の本質に迫ることが期待できます。つまり、自分1人で考えるよりも何倍、何十倍も思考を広く/深くし、高次元で課題解決に当たることが可能です。
- マルチモーダル化(異なる情報源から情報収集し、統合して処理する)
例えば、画像認識、画像生成、音声対話モードなど、様々な機能を使うことができます。これにより、単一種類のデータ(シングルモーダルなデータ)から複数のデータ種類から成るコンテンツ(マルチモーダルなコンテンツ)を生成すること、単一または少数のモーダルの入力からマルチモーダルでよりリッチなアウトプットを生成することが期待できます。つまり、生成AIの力を借りることで、自分1人では補えなかった高度な専門領域や熟練した知識が必要な領域の課題解決に挑戦できます。
*音声対話モードの詳細(Think IT)
【徹底解説】ChatGPTの進化が止まらない! 新機能完全ガイド - 非構造化データの文脈を加味した検索/インサイト抽出
構造化データとはExcel、CSVなど行と列の構造を持つ整形されたデータを指します。身近な例で言えば顧客データ、売上データ、ユーザーデータなどに当たり、ある程度整形されているため定量分析を行いやすいです。非構造データとは決まった形や構造がなく、自由度が高い未整理のデータを指します。テキストデータ(メール、SNS、ブログ)、画像、音声、動画などです。これらは自由度が高いことから目的に応じて柔軟な使用ができる反面、定性データのために分析が難しいとされていました。 しかし、生成AI活用により非構造化データの文脈を加味した検索/インサイト抽出に期待ができ、今まで以上に暗黙知の形式化することが可能です。
- 正確な事実確認:最新情報や専門知識の精密さを求める場面で誤答を出す可能性がある
- 論理的思考・計算:高度な推論や複雑な数式の処理が苦手
- 倫理的・文化的配慮:微妙な価値観や倫理問題に適切に対応できないことがある
その他にも、長い文脈や複雑なニュアンスの完全理解、ストーリーやデザインの一貫性を保つことは苦手とされています。
私たちは日本の学校教育で100点を目指すことを教えられてきましたが、ビジネスや対人関係において「完璧」というものはないと考えています。そして、それは生成AIとの向き合い方も同様です。生成AIに完璧性を求めず、自ら期待値コントロールを行い、目的の実現を支援してくれるツールと捉え直すことが脱ライト層(使ったことがない人・使い方がわからない人・使ってみたけどよくわからず辞めた人)の突破口になると考えられます。
何から始めたら良いか
- 登録
今回はOpenAI社GPTモデルを例に基礎編を徹底解説しているため、まずはChatGPT公式サイトからの登録をお勧めします(ChatGPT)。 - 登録手順
経産省の過去プログラムに登録手順の掲載があります。
【参考】ChatGPT のアカウント作成&ログイン方法 - 何を解決したいかを考える
生成AI活用ありきではなく、何を解決したいかを考えた上で、前述の「1.何が得意、苦手なのか」を参考に親和性が高い領域への活用を推奨します。
プロンプトとは何か
プロンプトとは、ユーザーが得たいアウトプットを出力させるために「生成AIに指示、命令する入力文のこと」です。この入力文によって生成AIから得られる回答の精度、深度、広さ、形式などは大きく異なります。
身近な例で言えば、私たち人間同士の対話と同じです。一方的な指示、表面的な対話など、伝え方が不十分であればあるほど質の低いアウトプットになってしまいます。昨今、人的資本の文脈から対話が重視されており、そのブレイクスルーは私たちの“伝わるような伝え方”を養うことが関係していると考えられています。
生成AIは文句や愚痴を言わずに、いつも伝えた内容を好意的に受けとめてくれます。この機会に、プロンプトの入力方法/要点を学びながら、同時に人間の対話の質向上に貢献できたら嬉しいです。
今でも活用できる代表的なプロンプト例
- プロンプトの形式
前述の「3.何を解決したいかを考える」を参考に、解決したい内容が「抽象的か or 具体的か」によって対話式で進めるか、構造化して進めるかの選択だと考えています。 対話式では、前述の「プロンプトとは何か」を参考に、対話の質を意識する(広げる、深める、反論、抽象化)ことを推奨したいです。 続いて、今でも活用できる構造化例をいくつか紹介します。 - Zero-shot
事例、ヒントなどなしに、回答やタスクを依頼する方法です。
【メリット】
シンプル、速い、余計な設定が不要 など
【デメリット】
回答の質が不安定、あいまいなアウトプットになりやすい など - Few-shot
いくつかの例を提供してから回答やタスクを依頼する方法です。これにより、パターンを学びやすくなります。
【メリット】
提供した例に基づき精度高い回答が得られる、狙い通りの出力を誘導しやすい など
【デメリット】
事前に例を用意する手間がいる、長いプロンプトだと制限にかかる場合がある など - CoT(Chain of Thought:思考の連鎖)
AIが考えを段階的に説明しながら結論を導き出す方法です。複雑な問題を解くのに有効です。
【メリット】
複雑な課題に論理的な答えを引き出せる、思考プロセスが見えるので安心感がある など
【デメリット】
簡単な質問では冗長になりがち、時間がかかる場合がある など - 深津式
深津貴之氏(note株式会社CXO、株式会社THE GUILD代表取締役、一般社団法人UXインテリジェンス協会理事 など)が提唱した、最初に役割を指定し、その後条件を明確に伝えることで自分が求める形式と内容の回答を確実に引き出す方法です。
【メリット】
AIの役割が明確になるため専門的・具体的な回答を得やすい、ユーザーの意図に沿いやすい など
【デメリット】
適切な「役割設定」ができないと効果が薄い場合がある、プロンプトが複雑になる場合がある など - ゴールシーク
設定したゴールに向かって具体的な質問を繰り返し、答えにたどり着く方法です。
【メリット】
ゴールに向けた実用的な提案を得やすい、解決策が具体的で実行可能性が高い など
【デメリット】
適切な提案が得られない場合がある、プロンプトが複雑になる場合がある など 今回、最初の入力時に「3. この反復プロセスは、私があなたに追加情報を提供し、あなたが改訂されたプロンプトセクションのプロンプトを更新し、私が完了したというまで続けます。」としたため、これ以降もやりとりは続きますが、ここで割愛します。
参考までに、コピペ用プロンプトを添付しておきます。あなたは、プロンプトエンジニアです。
あなたの目標は、私のニーズに合わせて最高のプロンプトを作成することです。そのプロンプトは、ChatGPTで使用されるものです。
次のプロセスに従ってください。
1. まず最初に、何についてのプロンプトであるかを私に確認してください。私が質問の答えを提供するので、次のステップを経て、継続的な反復を通じて改善してください。
2. 私の入力に基づいて、3つのセクションを生成します。
a) 改訂されたプロンプト(書き直したプロンプトを提示してください。明確、簡潔で、簡単にあなたが理解できるものしてください)
b) 提案(プロンプトを改善するために、プロンプトを含めるべき詳細について提案してください)
c) 質問(プロンプトを改善するために必要な追加情報について、関連する質問をしてくだい)
3. この反復プロセスは、私があなたに追加情報を提供し、あなたが改訂されたプロンプトセクションのプロンプトを更新し、私が完了したというまで続けます。 - その他、できること
ここまで紹介したプロンプト事例を組み合わせて使い、そこにユーザーならではのアイデア、工夫、着想をかけ合わせることで、より良いアウトプット出力が期待できます。より詳細に学びたい方は、以下リンクを参照してください。
【参照】
【天才プロンプト進呈】あなたに最適な生成AIはこれだ!(Think IT)
【永久保存版】生成AI導入推進者が教える、企業現場で活きるプロンプトテクニック10選(NewsPicks)
おわりに
いかがでしたか。今回の解説をきっかけに、
- この程度で良いのか
- 思っていたよりも簡単だ
- なんかできるかも
といった、知らず知らずのうちに高くしていた思い込みの壁がなくなることに期待したいです。そして、ここまでの学びと気づきをベースに「試してみる!」という行動が、間違いなく脱ライト層(使ったことがない人・使い方が分からない人・使ってみたけどよく分からず辞めた人)となります。皆さんの目的実現を支援してくれるツールとして、ぜひ生成AIを活用ください。
今後も、生成AIに関する最新情報とその深掘りを発信していくので、楽しみにしていただけると嬉しいです。次回の投稿をお楽しみに!
2024年の生成AI革命を締めくくる、究極の年末イベントを開催します!
「生成AI大忘年会2024」でテクノロジーの未来を語り合いませんか? IKIGAI lab.が贈る特別な一夜では、一年間の生成AI進化を振り返りながら、各界のプロフェッショナルによるライトニングトークで最新トレンドを学べます。
SEO、AIメディア、エンジニアキャリアなど、ホットなテーマが目白押し。さらに、AIクリエイターyuzさん厳選のプレミアムワインを楽しめる特別枠もご用意!
12月15日(日)17時より、築地にて開催。参加費は3,000円〜、connpassにて受付中です。生成AIに関心のある全ての方、新たな出会いと刺激的な議論を求める方、ぜひご参加ください!
お申し込みは下記URLからお願いします!
https://ikigailab.connpass.com/event/333444/