Red Hat、「Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform 7」を発表

2015年8月19日(水)

Red Hat, Inc.は、Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform 7の提供を発表した。この最新バージョンでは、配備と管理を支援する新たなツールが実装されており、インストールの簡素化や日々の管理業務の軽減だけでなく、後続リリース向けに統合されたライブシステムアップデートやアップグレードのための基盤を構築することができる。

OpenStackコミュニティの 「Kilo」リリースに基づいたRed Hat Enterprise Linux OpenStack Platformは、実績と信頼のあるRed Hat Enterprise LinuxをベースにRed HatのOpenStackの技術を統合した共同開発ソリューションであり、本番環境で利用できるクラウドプラットフォームの形成を実現している。この組合せはLinuxにおけるOpenStackの重大な依存性に対処したもので、プライベートもしくはパブリッククラウド構築の際に高い拡張性と障害耐性を備えたプラットフォームを提供する。2013年の初回リリース以来、公共、金融、通信および教育などの主要業界の顧客により世界中で配備されてきたRed Hat Enterprise Linux OpenStack Platformの今回の最新版は、Red Hatとして5番目のリリースになる。バージョン7には、以下を含むOpenStackの採用を加速させることを目的とした新たな機能が加わった。

  • 配備と管理の簡素化:新たなRed Hat Enterprise Linux OpenStack Platform directorを使用することで、クラウドオペレータはより簡単に日々の業務を管理し、リソースを提供することができる。適切な配備を実現するために、システム全体の健全性診断を備えたシンプルな自動クラウドインストールツールが提供される。さらに、配備を簡略化するベアメタルリソースの自動化された「レディー状態」プロビジョニング、およびオンデマンドベースでのハードウェアリソースの再利用など、クラウドオペレータの日々の業務管理やリソース提供も容易になる。コミュニティ主導のOpenStack管理プロジェクト「TripleO」に基づいた新たな「director」は、単一の強力なツールを提供するために複数の技術を集結している。さらに、このツールは、バージョン7とそれ以降のリリースにおけるライブでのオーケストレーションされたOpenStackやdirector のアップグレードに利用される新たなフレームワークを形成する。
  • OpenStackにおける高可用性が必要な従来型ワークロードへの対応:高可用性が必要かつビジネスに不可欠な従来型のアプリケーションをOpenStackに容易に移行するために、Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform 7では、Red Hat Enterprise Linuxによる自動化された監視とフェールオーバーのサービスを統合することにより、コンピュートホストノードの高可用性を提供している。この新機能はホストノードを監視し、バーチャルマシンをホストから自動的に退避させ、別の空いているホストでワークロードを再開する。
  • セキュリティコントロールの強化:通信事業者は、バーチャルマシンレベルのネットワークトラフィックポートに対するより一層高いレベルでの精度と制御を実現できる。これにより、顧客は、より広大なOpenStackクラウドに対して厳格なセキュリティレベルを維持できると同時に、必要に応じて各バーチャルマシンにVNF (virtualized network function)トラフィックを通すことができる。バージョン7ではコミュニティKiloリリースに含まれるNeutron Modular Layer 2(ML2)およびOpen vSwitch(OVS)のポートセキュリティーメカニズムを採用している。
  • ネットワークの柔軟性:新たなNeutronネットワーキング機能により、高い柔軟性とネットワークの冗長性を向上させた。テナントと外部ゲートウェイ間のダイレクトなネットワークルーティングをサポートする機能などを含む、複数のIPv6強化によってネットワークオペレータを支援する。さらに、バージョン 7はNeutronルータに対する可用性を拡張およびルータの監視およびレポートを向上することにより、ネットワークオペレータによるシステム稼働の維持を支援する。
  • 増分バックアップ:より高速なブロックストレージバックアップおよびスナップショットベースのバックアップによる必要容量の削減は、ストレージ管理者に有意に働く。NFSおよびPOSIXファイルシステムが新たにサポートされたことで、最後の完全なバックアップから増加分の変化のみをバックアップすることにより、要求されるストレージの容量および時間が大幅に削減される。

Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platformは、OpenStackコンピュート、ストレージ、ネットワーキング、および独立系ソフトウェアベンダー(ISV)のアプリケーションやサービスなどから構成される350以上の認定パートナーを有する、最大のOpenStackエコシステムの1つによって支援されている。このパートナーネットワークにより、Red Hat Enterprise Linuxエコシステムで提供される幅広いサポートおよび互換性を補完するソリューションが提供される。Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform 7では、新しいRed Hat Enterprise Linux OpenStack Platform director による初期設定や構成を含め、NetApp Data ONTAP、7-mode、E-Seriesなどの認定パートナーとの統合が強化されている。また、Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform 7はRed Hat Ceph Storage 1.3のサーバおよびクライアントの設定およびインストールの統合を可能にする。Red Hat Ceph Storage Serverのサブスクリプションエンタイトルメントは、Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platformのサブスクリプションとは別売となる。


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