UCアプリ前編(プレゼンス、Web会議など)
UCを構成する7つの項目
Unified Communications(UC)を構成するアプリケーション/ツールはさまざまです。UCは、個々のUCツールが連携して動作する統合ソリューションであると同時に、それぞれのツールも個別に機能を持っています。これから、第2回と第3回の2回にわたって、UCを構成するツールを解説します。
今回から多くのUCツールを解説しますが、これらのソリューションを全部一度に導入する必要があるかというと、そうではありません。必要なツールを、必要なタイミングで導入できるのです。例えば、最初はSaaSベースのWeb会議システムを導入し、その後にプレゼンス/チャット・ツールを導入してWeb会議と連動させるといった導入プランが考えられます。
今回と次回で、UCを構成する以下の項目について解説していきます。
- プレゼンス/チャット
- モバイル
- Web会議
- コンタクト・センター
- ビデオ会議
- 電話機活用アプリ
- Managed UC/運用/監視/課金
プレゼンス/チャットはUCのポータル
プレゼンス/チャット・システムは、UCという概念が登場する以前から提供されていました。UCにおいては、これらのツールは電話やWeb会議などほかのコミュニケーションのポータル(入り口)となります。つまり、単にプレゼンス/チャットをするためだけのものではありません。米Microsoft/米IBM/米Cisco Systemsともに、プレゼンス/チャット・ツールをUC製品の入り口として位置付けて展開しています。
UC以前からプレゼンスは、PCの状態を取得して一定時間操作がされないとアイドル(空席)と表示したり、予定表システムと連動して会議中のプレゼンスを取得/表示したりしていました。UCではさらに、電話中のステータスの取得/表示が可能です。これにより、電話中の相手にはチャットを送信するなど、話中状態の相手に対する電話発信の無駄を減らすことができます。
さらに、UCと連動することで、チャット中にワン・クリックで電話/ビデオ・コールの発呼や受信が可能です。Web会議システムと連動すると、クリック1つでWeb会議を始められます。個々のツールを独立して導入した場合はあまり利用されないケースでも、ワン・クリックでWeb会議などが利用できるようになると、途端にツールの使用が進みます。つまり、それだけUCツールによって生産性が向上するわけです。
既存の環境にプレゼンス/チャット・ツールが導入されている場合もあります。例えば米Microsoftのチャット・ツールをすでに使っているケースは多いでしょう。先行して導入済みのツールを入れ替えることは投資保護の観点からも厳しいでしょうから、既存ツールと新規のUCツールの接続性は重要です。
ツール同士の接続は、SIPベースでチャット・ツールから外部装置に接続する形態もありますし、クライアントに導入するプラグインとして接続機能が提供される場合もあります。例えば、米Cisco Systemsは、米Microsoftのチャット・ツールと接続する方法として、サーバー同士を接続するやり方とクライアントへのプラグイン提供という、2つのアプローチを採っています。
次ページ以降では、主にモバイル・ソリューションについて紹介します。
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