Hadoopが10周年 ―「Hadoop Summit 2016」レポート、米ミランティスが日本法人を設立、ほか
こんにちは、日立ソリューションズの吉田です。
各地で35度を超える暑い日が続いています。一方で天候が急変するのも今年の特徴のようで、晴れていても折りたたみ傘を忘れずに鞄へ入れておく必要がありそうです。暦の上では7月7日は「小暑」。いよいよ本格的な暑さが始まる、ということなので、体調に十分 気をつけてください。
今週もOSSに関する注目すべきトピックをとりあげましたので、ゆっくりとご覧下さい。
OpenStackの機能をSaaSで提供――、
ネットワールドが米Platform9のサービスを国内販売
ネットワールドは4日、米国Platform9 Systems社(以下、Platform9)と世界初のディストリビューター契約を締結したと発表しました。これに伴い、Platform9のOpenStack SaaSサービス「Platform9 Managed OpenStack」の国内販売、および日本語サポート提供を開始します。Platform9 Managed OpenStackは、従来型のOpenStackディストリビューションとは異なり、OpenStackのすべての機能をSaaS型で提供するサービスで、利用者がオンプレミス環境のVMware vSphere、KVMプラットフォーム内にPlatform9のゲートウェイ(vSphere環境の場合は仮想アプライアンス、KVM環境の場合はrpm/debパッケージ)を設置し、Platform9 Managed OpenStackと接続設定を行うだけで既存の環境やデータを変更・移行することなく、OpenStackベースのプライベートクラウドへと移行できるといわれています。
(参照記事:http://cloud.watch.impress.co.jp/docs/news/1008469.html)
10周年を迎えたHadoop、データ分析の主戦場はクラウドとデータセンターの連携に―「Hadoop Summit 2016 San Jose」レポート
6月28日~30日の3日間にわたって、米国サンノゼで開催された「Hadoop Summit 2016 San Jose」のレポートです。世界36ヵ国から約4,000名が参加し、Hadoop誕生から10周年を迎えたアニバーサリーイヤーにふさわしい盛況を見せていたようです。これまでHadoopを導入する企業のほとんどはオンプレミスでの稼働を選択していましたが、エンタープライズ企業による「Amazon Web Services」や「Microsoft Azure」などパブリッククラウドへのデータ移行が急激に進むに従い、"Elephant in the Cloud"―クラウド上でのHadoopのデプロイおよびデータセンターとクラウドのデータ連携が現実感を伴ったニーズとなりつつあるようです。
(参照記事:http://gihyo.jp/news/report/2016/07/0401)
OpenStackにとって今はまさに夜明け前 - 米ミランティス、日本法人を設立
米国ミランティス社は7月5日、エーピーコミュニケーションズ(以下、APC)とのジョイントベンチャー(JV)として、日本法人「ミランティス・ジャパン株式会社」を設立すると発表しました。代表取締役社長には磯 逸夫氏が就任します。米ミランティスは、OpenStackに特化した製品や技術、サービスを提供するソリューションベンダーで、OpenStackの商用ディストリビューションを中心に、コンサルティングや導入支援、保守、教育サービスなどを提供するOpenStack専門企業としてグローバルに事業を展開しています。
(参照記事:https://news.mynavi.jp/itsearch/article/cloud/1602?hl)
NEC、インドにOSSの技術支援専門組織「OSS Technology Centre」を設立
日本電気とインドにある同社の子会社NEC Technologies India(NTI)は7月1日、NTI内にオープンソースソフトウェア(OSS)の技術支援の専門組織「OSS Technology Centre」を設立することを発表しました。新組織はソフトウェア開発やサポート対応力などの基本スキルに加え、OSSに関するコミュニティ活動やOSSソリューションアーキテクトとしての実績・スキルを有する要員約50名の体制で活動を開始し、企業のグローバルにおけるOSSを活用したシステム構築への支援体制強化や海外のOSSベンダとの連携強化を図り、迅速な支援を実現するようです。
(参照記事:http://cloud.watch.impress.co.jp/docs/news/1008167.html)
Red Hat Summit 2016基調講演レポート、ホワイトハーストCEOが語るオープンソースの力
6月28日から30日まで、米国サンフランシスコで開催された「Red Hat Summit 2016」のレポートです。基調講演では、米国Red Hat社CEOのJim Whitehurst氏が登壇し、自社の製品や技術ではなく、Red Hat Summit 2016のテーマである「The Power of Participation(参加の力)」という言葉を軸に、オープンコラボレーションやイノベーションについて語りました。また、APAC(アジア太平洋)地域の記者が質問するプレスラウンドテーブルでは、日本と中国の市場について「日本はRed Hatの市場としてAPACで最も大きく、中国市場ではOpenStackやクラウドの市場が盛んだが、無償のLinuxディストリビューションが強いためRHELのシェアは大きくない」、韓国の市場については「まだUnixが多く、Linuxはこれから」だとコメントしました。
(参照記事:http://cloud.watch.impress.co.jp/docs/event/1008411.html)
今週は、水曜日に日本を出発して米国に来ています。約1週間の予定で、帰国は来週木曜日の早朝です。今回の出張の訪問先と内容は、公開できる範囲でいずれ紹介するとして、米国は日本と違って過ごしやすい気候です。このまま夏の間を過ごしたいくらいです。
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