「Red Hat Summit 2016」でコンテナ管理の新製品を発表、米MSが「.NET Core 1.0」リリース、ほか

2016年7月1日(金)
吉田 行男
米国RedHat社は28日、米国サンフランシスコで開催中の「Red Hat Summit 2016」で、コンテナ管理に関する多数の発表を行いました。

こんにちは、日立ソリューションズの吉田です。

今週は、九州から東北にかけて梅雨らしい天気で、すっきりしない天気が続いています。特に九州地方を中心に大雨になっており、土砂災害などに警戒してください。

今週もOSSに関する注目すべきトピックをとりあげましたので、ゆっくりとご覧下さい。

PaaSより「コンテナ管理」でのリーダーを目指す米レッドハット、多数の新製品を発表

米国レッドハット社は28日、米国サンフランシスコで開催中の「Red Hat Summit 2016」で、コンテナ管理に関する多数の発表を行いました。開発者一人ひとりのPC環境からオンプレミス/クラウド上の本番運用まで、あらゆる場面でコンテナ利用を助けるプラットフォームソフトウェアを展開、併せてエンタープライズニーズに応えるべくデータ永続化、セキュリティ強化などの取り組みを発表しました。また、PaaS基盤の商用ソフトウェアである「Red Hat OpenShift Enterprise」は、今回「Red Hat OpenShift Container Platform」に改称されました。今後この製品に関しては「PaaSソフトウェア」ではなく「コンテナ管理プラットフォーム」と形容していくようです。

(参照記事:http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1606/29/news064.html

Microsoft、「.NET Core 1.0」をリリース

米国Microsoft社は27日、ソフトウェア開発プラットフォーム技術「.NET Core 1.0」および「ASP.NET Core 1.0」「Entity Framework Core 1.0」を公開しました。Windowsに加え、Mac OS XとLinuxにも対応しています。.NET Coreは「.NET Framework」のサブセットで、主としてサーバーサイドアプリケーション開発向けの機能を含むものです。これを利用してWebアプリ、マイクロサービス、ライブラリ、コンソールアプリケーションなどを開発できます。公開されたものには.NET Coreランタイム、ライブラリ、ツール、「ASP.NET Coreライブラリ」が含まれているほか、「.NET Core」プロジェクトを作成できるVisual Studioの最新版(「Visual Studio 2015 Update 3」)およびVisual Studio Core拡張もリリースしました。

(参照記事:https://osdn.jp/magazine/16/06/28/153000

東芝、OSSを活用したビッグデータの収集・蓄積・分析サービスを開始

東芝のグループ会社である東芝インダストリアルICTソリューションは28日、ビッグデータの収集・蓄積・分析までをワンストップで提供する新サービス「GridData Analytics Cloud」の販売を開始しました。新サービスはデータ分析をすぐに始めたい、小規模スタートで将来にわたり拡張したいといったニーズに応えるもので、同社がオープンソースとして提供するビッグデータ向けスケールアウト型データベース「GridDB」と、分析パターンノウハウに基づく分析ツール、FluentdやApache Sparkなどの標準的なオープンソース技術を組み合わせたクラウドサービスです。

(参照記事:http://news.mynavi.jp/news/2016/06/28/353/

クラウドの互換性問題を解決するライブラリ「Apache Libcloud」がバージョン1.0に

The Apache Software Foundation(ASF)は22日、複数の異なるクラウドサービスに対し統一的なAPIでアクセスを行うことをめざす相互運用性ライブラリ「Apache Libcloud v1.0」を発表しました。Apache Libcloudは2009年に立ち上がったプロジェクトで、複数のクラウド事業者のクラウドサービスを単一のAPIで管理できることをめざすPythonライブラリです。開発者やシステム管理者は、これを使用することで、使いやすい統一されたAPIを通じて、異なるクラウドのリソースを管理できます。

(参照記事:http://japan.zdnet.com/svc/nls/?id=35084797

Eclipse 4.6 Neonが公開、Dockerサポートを強化

The Eclipse Foundationは22日、オープンソースの統合開発環境「Eclipse 4.6」(「Neon」)をリリースしました。Java、JavaScript、PHP向けの各開発ツールに加えて、Dockerへの対応も強化しています。Eclipseは毎年6月後半に最新版をリリースしており、今年で11年目になります。プロジェクト数は84にのぼり、779人の開発者が参加しており、コードは6900万行に及ぶといわれています。

(参照記事:https://osdn.jp/magazine/16/06/23/140000

編集後記

今週は、OSSに関する大きなカンファレンスがサンフランシスコとサンノゼで開催されています。どちらも多くの日本人が参加しているようで、Facebookなどのメディアを通じて、さまざまな情報が伝わってきます。
日本にいても情報は手に入りますが、現地の熱気はやはり参加しないと感じられません。海外のカンファレンスで情報だけではなく雰囲気を感じてくるのも重要だと思うので、海外のイベントに参加して、いろいろと感じていきたいと思います。

2000年頃からメーカー系SIerにて、Linux/OSSのビジネス推進、技術検証を実施、OSS全般の活用を目指したビジネスの立ち上げに従事。また、社内のみならず、講演執筆活動を社外でも積極的にOSSの普及活動を実施してきた。2019年より独立し、オープンソースの活用支援やコンプライアンス管理の社内フローの構築支援を実施している。

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