イベントめじろ押し! LinuxCon Japan、OpenStack Days Tokyo、Automotive Linux Summitレポート、ほか
こんにちは、日立ソリューションズの吉田です。
18日に東海地方から西で「梅雨明け」が発表されましたが、関東地方では、まだまだ雨の季節が続くようです。また、大気の不安定な状態が続くようですので、突然の雨にも注意が必要です。
今週もOSSに関する注目すべきトピックをとりあげましたので、ゆっくりとご覧下さい。
オープンソースビジネスの3つの「P」のフェーズとは? LinuxCon Japan 2016初日基調講演レポート
13~15日に都内で「The Linux Foundation」主催の「LinuxCon Japan 2016」が開催されました。初日の基調講演には「The Linux Foundation」のエグゼクティブディレクターJim Zemlin氏が登壇し、「Open source market conditions」と題して最近のオープンソースビジネスの状況について語りました。持続可能であるためには開発モデルだけでなくビジネスモデルも必要であるとして、オープンソースのビジネスの3つの「P」のフェーズを示しました。最後に「オープンソースにコードをコントリビュートしたり、エンジニアが参加することを認めることが、あなたの組織の利益になる」と語って講演を締めくくりました。
(参照記事:http://cloud.watch.impress.co.jp/docs/event/1010485.html)
車載Linuxの開発が軌道に乗るもトヨタ自動車は「まだ満足してない」
13~14日に都内で開催された「Automotive Linux Summit 2016」のレポートです。基調講演に登壇したトヨタ自動車 コネクティッド統括部 BRコネクティッド戦略企画グループ長の村田賢一氏は「AGLの活動はうまくいっているが、これで満足はしていない」と語り、AGLの活動をビジネスにつなげるための新たな方策を提案しました。前回の「Automotive Linux Summit 2015」でも講演した同氏は「AGL」「Tizen IVI」「GENIVI」という3つの組織に分散している開発体制の一本化を提案しました。この提案を形にしたのが、2016年1月に発表されたユニファイドコードベース(UCB)と呼ばれる新しいディストリビューション「AGL UCB」です。
(参照記事:http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1607/20/news029.html)
国内でもOpenStackの導入が進む― 「OpenStack Days Tokyo 2016」
6日と7日、東京・虎ノ門ヒルズフォーラムで開催された「OpenStack Days Tokyo 2016」のレポートです。国内導入企業としてJFEスチール IT改革推進部の渡邉健太郎氏が登壇し、「複雑化したITインフラを統合するためにOpenStackの導入が有効だった」と講演しました。また、すべての社内システムをOpenStackクラウドに移行中の富士通、通信基盤管理やNFV環境構築にOpenStackを活用するNTTドコモなどの事例も紹介され、日本でもOpenStackが“アーリーアダプター”からエンタープライズでの採用が進んできたことを思わせる内容でした。
☆JFEスチールがグループクラウドにOpenStackを採用した背景 ―
国内導入企業が明かす「活用の心得」、OpenStack Days Tokyo基調講演(前編)
(参照記事:http://ascii.jp/elem/000/001/193/1193187/)
☆富士通「全社内システムをOpenStackクラウドへ移行」のその後 ―
導入企業が明かす「活用の心得」、OpenStack Days Tokyo基調講演(後編)
(参照記事:http://ascii.jp/elem/000/001/197/1197197/)
米Dropbox、JPEGファイルをロスレス圧縮できる画像圧縮アルゴリズム「Lepton」をオープンソースで公開
米国Dropbox社は14日、画像圧縮アルゴリズム「Lepton」をオープンソースとして公開しました。LeptonはDropboxが開発した画像圧縮フォーマットで、ロスレスにJPEG画像を圧縮します。JPEG画像内で使われている係数を分析することで平均22%のファイルサイズが削減可能で、圧縮された画像はビットレベルで完全に同一の画像に復元できるといわれています。また毎秒5MBでJPEGファイルの圧縮が可能で、解凍は毎秒15MB、メモリの使用量は24MB以下です。大規模な写真コレクションやリアルタイムでの画像保存に利用できるとしています。
(参照記事:https://osdn.jp/magazine/16/07/15/153000)
ミラクル・リナックス、バックアップ製品の最新版「MSS V3」を発表
ミラクル・リナックスは14日、企業向けシステムバックアップ・ソフトウェアの最新版「MIRACLE System Savior Version 3(MSS V3)」を7月21日から提供開始することを発表しました。MSS V3ではベースとなるLinux OSが「Asianux Server 7 == MIRACLE LINUX V7」となったほか、新たに最新のインテルXeonプロセッサー E5-2600 v4シリーズを搭載した「HPE ProLiant Gen9」サーバの新モデルと「Dell PowerEdge」サーバに対応し、対応機種の幅が広がりました。そのほかの新機能および機能強化点として、Hyper-V第2世代仮想マシンのバックアップ/リストアやRed Hat Enterprise Linux 7以降のext4ファイルシステムに対応しました。
(参照記事:http://news.mynavi.jp/news/2016/07/14/379/)
プロ野球はオールスターゲームも終わり、後半戦が始まりました。今年は選手の安全確保を第一に「コリジョンルール」と呼ばれる「本塁での衝突プレイ」の規則を新たに導入しましたが、いろいろと混乱もあり運用基準を改めるようです。選手や観客が納得できる判定になるように運用されることを祈りたいと思います。
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