MicrosoftとRed Hatが提携発表、「Who uses OpenStack?」ユーザー調査結果を紹介、ほか

2015年11月6日(金)
吉田 行男

こんにちは、日立ソリューションズの吉田です。

今週は12月並みの寒さが訪れ、一気にこのまま寒くなるかと思いましたが、そんなこともなく、11月は暖かい日が続くようです。

11月はオープンソース関連のイベントが目白押しで、すべてを紹介できるか自信はありませんが、今週もOSSに関する注目すべきトピックをとりあげましたので、ゆっくりとご覧下さい。

MicrosoftとRed Hatが提携発表 AzureがEnterprise Linuxを正式サポートへ

米国Microsoft社と米国Red Hat社は4日、「Microsoft Azure」にRed Hatのソリューションを導入し、より広い選択肢を提供することによってハイブリッドクラウド利用を支援する提携を結んだと発表しました。今後数週間以内に両社の統合チームによるサポートが開始され、数カ月以内にMicrosoft AzureでRed Hat製品の時間課金利用の提供などが開始される予定です。

(参照記事:http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1511/05/news059.html

レッドハットとシスコ、日本市場でOpenStack分野での協業を強化

シスコシステムズとレッドハットは11月2日、OpenStackベースの統合ソリューションである「Cisco UCS Integrated Infrastructure for Red Hat Enterprise Linux Open Stack Platform(UCSO)」を日本で展開することを発表しました。また、両社は本ソリューションの提供開始に向け、レッドハットのプロフェッショナルサービスおよび、シスコシステムズのアドバンスドサービスのエンジニアが連携し、お客様へ迅速に対応できるサポート体制を構築しました。なお、この導入サポートにおいては、シスコシステムズがデザイン検証済みのOpenStack版を用いることにより、ユーザー企業の負担なく購入、導入が可能となります。

(参照記事:http://www.cisco.com/web/JP/news/pr/2015/031.html

「Firefox 42」正式版公開、追跡保護機能でプライベートブラウジング強化

米国Mozilla財団は11月3日、Webブラウザ「Firefox」バージョン42.0の正式版をリリースしました。プライベートブラウジング機能にトラッキング保護が実装されたほか、接続しているサイトの安全性確認とプライバシー管理を一カ所で行えるコントロールセンターが加わりました。プライベートブラウジング・モードでは、ウインドウを閉じるとブラウジング履歴やCookieなどが破棄されますが、プライベートブラウジングであっても、ユーザーが訪れているサイトがブラウジング行動をサードパーティと共有し、記録として残る可能性があります。トラッキング保護付きのプライベートブラウジングは、広告、分析トラッカー、ソーシャル共有ボタンといったユーザーのブラウジング行動を記録する可能性があるコンテンツをアクティブにブロックし、ネット上の追跡を遮断します。

(参照記事:http://news.mynavi.jp/news/2015/11/04/145/

「Who uses OpenStack?」、ユーザー調査の結果を公開

アナリストとメディア向けの説明会で、OpenStack FoundationのCOOであるMark Collier氏が「Who uses OpenStack?」と題してユーザー調査の結果のサマリーを紹介しました。地域ごとのユーザー数としては、北米が44%で最大、アジアの28%が続く形になっています。利用している企業の規模としては、当初はスタートアップ企業か大企業の両極でしたが、いまでは散らばっていることが全体の割合と推移とで示されました。また、OpenStackを利用する理由としては、スピードが1位、それにベンダーロックイン回避、運用効率化、コスト削減などが続いています。

(参照記事:http://cloud.watch.impress.co.jp/docs/event/20151102_728547.html?ref=rss

本番環境で使える!Open Contrailの実績をジュニパーがアピール

米国ジュ二パーネットワークス社は10月30日、都内でOSSのSDNソリューション「Open Contrail」の最新動向を披露する記者説明会を開催しました。Open Contrailは、ジュニパーネットワークスが商用のSDNソリューションとして2013年10月に発表した「Juniper Networks Contrail」をOSSとして公開したものです。ライセンスはApache 2.0を適用しています。オーバーレイ型のOpen Contrailはマルチテナントでのルーティング、スイッチングのほか、IPAM、DNS、DHCP、ロードバランシング、ファイアウォールなどをクラウドインフラ上で実現し、シンプルなSDN/NFVのみならず、幅広いネットワークサービスを包含するのが特徴です。

(参照記事:http://ascii.jp/elem/000/001/071/1071847/

イベントのご案内
「Enterprise User's Meeting 2015」

11月9日、横浜のTKPガーデンシティ横浜にて「Enterprise User's Meeting 2015」が開催されます。

このイベントでは「国内外の企業がどのようにOSSやコミュニティを活用してきたか」などの最先端事例を紹介し、今回で5回目の開催になります。ぜひ参加をご検討ください!

(イベントURL:http://events.linuxfoundation.jp/events/enterprise-users-meeting-japan

編集後記

「OpenStack Summit」期間中に、米国IBM社Open TechnologyのVPであるTodd Moore氏とお話する機会を得ました。
その時に印象的だったのは、OSSコミュニティのあり方でした。IBMはさまざまなOSSコミュニティを支援していますが、どのコミュニティを支援するかを判断するときに、OSSコミュニティの「健全さ」を見るそうです。もう少し詳しく説明すると「オープンであること」「フレンドリーであること」「特定の企業に支配されていないこと」などだそうです。
今後、OSSコミュニティを見るときには参考にしたいと思います。

2000年頃からメーカー系SIerにて、Linux/OSSのビジネス推進、技術検証を実施、OSS全般の活用を目指したビジネスの立ち上げに従事。また、社内のみならず、講演執筆活動を社外でも積極的にOSSの普及活動を実施してきた。2019年より独立し、オープンソースの活用支援やコンプライアンス管理の社内フローの構築支援を実施している。

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