ゲームプラットフォームとしてのiOS

2011年1月21日(金)
北村 真二

ゲームに使えるフレームワーク

iOSにはさまざまなフレームワークがあり、それらを使って簡単に画像表示やサウンド再生を行うことができます。ここではゲームを作る上で必要と思われるフレームワークや機能をご紹介しましょう。通常、xcodeで新規プロジェクトを作ったときにこれらのフレームは追加されていませんので、必要に応じてプロジェクトを追加する必要があります。

CoreGraphics
2D画像を扱うためのフレームワークで描画処理の基礎となるフレームワークです。このフレームワークは新規プロジェクトを作ったときに自動的に追加されていますので、あらためて追加する必要はありません。
QuartzCore
2D画像のアニメーションを扱うためのフレームワークです。Core Animationと言えわれるアニメーション機能を使うことができます。Core Animationを使えば画面に対して簡単に効果的なエフェクト効果などのアニメーションを適用することができます。「アニメーション」とありますが動画再生とは違います。
OpenGLES
3Dモデルを扱うためのフレームワークですが2D処理を高速に行うためにも利用されます。大抵の場合、ゲームの描画処理は CoreGraphics か OpenGLのどちらかを利用することになります。
AVFoundation / AudioToolbox
サウンドを扱うためのフレームワークです。iOSではwav、aif 、mp3といった標準的なサウンドフォーマットの他、caf(コア・オーディオ・ファイル)と言われるフォーマットが利用できます。ゲームでは多くの場合、高速化のために処理やデータを軽くする必要があります。cafは同一フォーマットのwav、aif と比べてもサイズを比較的小さくすることができます。
GameKit
Bluetoohを使った通信やGameCenterを利用するためのフレームワークです。GameKitという名前ですがゲームに特化したものではなく、簡単に言えばネットワークを通じた通信を行うためのフレームワークということになります。

図3:iPhoneの開発フレームワーク(クリックで拡大)

これからのiOSゲーム

ゲームというアプリケーションはかなり特殊なアプリケーションで、プログラム以外にもグラフィック、サウンドのクオリティー、そしてエンターテインメント性と「総合力」が問われるアプリケーションです、またプラットフォームの成功はひとえにソフトウエアの充実にあります、いくらiPhoneやiPadが良いデバイスであったとしてもそこで使えるアプリケーションの質や量が不十分では今後の伸びは見込めません、現在のApp Storeはゲームアプリの質、量ともに問題なく、アップルもiOS4からGameCenterなどのシステムを追加しゲーム機としてのiPhoneに力を入れている様子です。

さらにiOSプラットフォームは大手だけではなく中小のベンチャーや個人まで色々な開発者が参入しやすい環境が提供されています、そこから今後もiPhoneオリジナルの面白いゲームが飛び出してくることが大いに期待できると言えるでしょう。

STUDIO SHIN

家庭用ゲームの企画開発、Mac OS / iOSアプリの開発を主な生業とする。
20年ほど前から家庭用ゲーム開発に携わりファミコンからDS、PSP、Wiiまで幅広く開発。15年前からMac OS Xアプリケーションを開発「DotShotX」「GIFQuickMaker」などを公開。iPhoneアプリ「将棋盤」「DotTouch」「Rabbit Maze」などを開発。開発アプリはアップルのApp Storeで公開中。

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