Windows Azureを利用するための準備
Windows Azureの契約
Windows AzureはMOCPと呼ばれるポータルサイトを経由して契約します。MOCPとはMicrosoft Online Customer Portalの略称で、通常このポータルサイトを使用してマイクロソフト社で提供しているオンラインサービス群の契約を行います。例えば、BPOSと呼ばれるExchangeやSharePointのオンラインバージョンなどでも使用されています。
MOCPで契約するためにはLiveIDでログインする必要がありますが、このサイトはサービスの契約そのものを司るため、このサイトにアクセス可能なLiveIDの管理は非常に重要です。例えば、悪意のある人間がこのLiveIDを使用してしまった場合、必要がなくても他のサービスの契約もオンラインでできてしまいます。
そのために、MOCPとWindows Azureの管理ポータルを分けて管理するCo-Adminと呼ばれるマルチ管理者機能が提供されました。この機能を使用する事により、契約時に使用したLiveIDのアカウントで作成したWindows Azureの機能を各個人の管理ポータルで管理できるようになりました。これにより各ユーザーは自分のLiveIDで管理ポータルにアクセスした際に、他のユーザーのサービスも一貫して管理する事ができます。特に複数の要員で開発する場合はこの機能を使用して管理する事をお勧めします。
図3:Co-Admin設定画面(クリックで拡大) |
実際の契約ですが、手順についてはWindows Azure 用アプリケーション開発 Step-by-Step チュートリアル ガイド 第3章 Windows Azure 運用環境への展開 (1)を参照してください。本稿では注意点のみを説明いたします。
まず、契約にあたってクレジットカードが必要になります。Azureの料金の支払いは基本的にクレジットカード払いで、毎月の使用量が一定量を超え続ける見込みが高い場合のみ請求書払いが選択できます。クレジットカードはVISA、Master、American Express、JCBが使用できます。なお、MOCPから契約する場合はクレジットカードを使用した支払いしかできません。請求書払いの場合は使用可能になるまで、クレジットカードの場合と異なり、最長で2日程度の日数がかかります。
次に、個人の開発者が契約する場合のみに発生する問題ですが、サイトでの手続き上会社名の入力が必須になりますので「個人」と入力するなどで対応してください。
最後に、契約手続きを途中でやめた場合などには、ショッピングカードにデータが残っています。MOCPのトップページからショッピングカードをクリックする事でデータを復元して処理を継続する事ができます。見逃しがちなので注意してください。
以上、実際の契約にあたっては上記の点に注意してください。
まとめ
さて、今回は、契約や料金など、サービスを始めるにあたって一般的に調査を行う点について説明しました。今回説明してきた点は開発開始前やサービス開始後の運用コストや運用時の管理に直接関わってくるので、実際にサービスを構築する際はさらに深く調査を行う事をお勧めいたします。Windows Azureを有効に使うためにはこういった開発の周辺知識も欠かせませんのでしっかり復習してください。
次回は、実際にAzureのサービスをマネジメントするために管理ポータルの機能を説明していきます。
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